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SKIPシティ国際Dシネマ映画祭、国際コンペグランプリはマルタの漁師描いた作品

ナタリー

「ルッツ」

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2021のコンペティション部門の授賞式が本日10月3日にオンラインで実施。国際コンペティションの最優秀賞作品賞をアレックス・カミレーリ監督作「ルッツ」、すべての国内作品の中から選出されるSKIPシティアワードを酒井善三が監督した「カウンセラー」が獲得した。

104の国および地域より、1084本のエントリーがあった今回の映画祭。マルタの伝統的な木造漁船ルッツに乗る漁師を主人公とする「ルッツ」では、アイデンティティである漁師の仕事と愛する家族の間で揺れるさまが描かれる。国際コンペティションの審査委員長を務めた竹中直人は「『ルッツ』がズシンと残っちゃったんですね。船の色合いがかわいかったな。そしてなんといっても俳優のお芝居、見事でした。ほかの作品とは毛色が違う感じというか」と称賛した。

「カウンセラー」は、主人公の心理カウンセラーのもとへ謎の相談者が訪れたことで展開するホラー作品。酒井は本作について「意義といったものはありません。キャラクターや物語に倫理観や価値観を代表させてもいません。ご覧になる方や、そのタイミングによって別のものを受け取ってもらえるのではないか。そうであるといいなと思っています」とコメントした。なおSKIPシティアワード受賞者には、次回企画に対して、SKIPシティにおける映像制作の一定期間のサポートが提供される。

また国内コンペティションの長編作品における優秀作品賞と観客賞には、萱野孝幸による「夜を越える旅」が輝いた。2つの賞を手にした萱野は「本当に光栄です。かなり不可思議なものを作ってしまったんじゃないかという自覚がありましたので、大勢の方に楽しんでいただけたというのが励みになりますし、純粋にうれしいです」と喜びをにじませた。

また短編作品では逢坂芳郎の「リトルサーカス」が、優秀作品賞と観客賞をダブルで受賞。本作ではカンボジアサーカス発祥の地でサーカス学校に通うも、コロナの影響で働くことを決めた少年ティアラの姿が描かれる。受賞の喜びをメッセージで託した逢坂は「映画に登場するサーカス少年たちはコロナを悪とは見なさず、友情を強く持ち、ただ前向きに自分たちにできることを続けます。脚本では最後にサーカスが復活して、舞台に再度立つティアラを書きましたが、現在を強く描くことにしました。この観客賞は、視聴者に彼らの希望ある未来を想像していただけたからではないかと受け止めています」とつづっている。

そのほか受賞結果は下記の通り。なお「カウンセラー」は10月30日に東京・下北沢トリウッドで公開される。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2021 受賞結果

国際コンペティション

最優秀賞作品賞

「ルッツ」(監督:アレックス・カミレーリ)

監督賞

「ライバル」(監督:マークス・レンツ)

審査員特別賞

「シネマ・オブ・スリープ」(監督:ジェフリー・セント・ジュールズ)
「ミトラ」(監督:カーウェ・モディーリ)

観客賞

「国境を越えてキスをして!」(監督:シレル・ペレグ)

国内コンペティション

SKIPシティアワード

「カウンセラー」(監督:酒井善三)

優秀作品賞(長編部門)

「夜を越える旅」(監督:萱野孝幸)

優秀作品賞(短編部門)

「リトルサーカス」(監督:逢坂芳郎)

観客賞(長編部門)

「夜を越える旅」(監督:萱野孝幸)

観客賞(短編部門)

「リトルサーカス」(監督:逢坂芳郎)

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