Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

大原ゆい子×高橋李依、ファンと共に『からかい上手の高木さん』への愛を共有したスペシャルライブをレポート

リアルサウンド

19/12/27(金) 7:00

 人気アニメ『からかい上手の高木さん』のイベント『「からかい上手の高木さん」クリスマスイヴイヴイヴライブ~あたため上手の高木サンタ~』が、12月22日に東京・日テレらんらんホールで開催された。同作でオープニング主題歌を担当するシンガーソングライター・大原ゆい子と、エンディングテーマを歌ったヒロイン=高木さん役の声優・高橋李依が出演。あいにくの雨となったが、夜の部では寒い中で並んで待ってくれた観客に、高木さんからカイロがプレゼントされるサプライズも。高木さんの心遣いと二人の歌声で、集まった観客の身も心も温かくしてくれた。

感動の名シーンが大原の歌と共に甦る

 アニメ『からかい上手の高木さん』は、山本崇一朗による原作コミックスの累計が790万部突破の青春コメディで、2018年にアニメ1期、今年夏にアニメ2期が放送され、初々しい恋心と届きそうで届かないもどかしさに「ニヤニヤとキュンキュンが止まらない」と話題になった。そんなアニメ『高木さん』シリーズで、大原ゆい子は「言わないけどね。」と「ゼロセンチメートル」の2曲でオープニングを担当。ヒロインの高木さんを演じた声優・高橋李依は、高木さんが歌うカバー曲が、毎話エンディングに流れて話題に。いきものがかり、HY、JUDY AND MARY、GReeeeNなど、誰もが一度は耳にしたことのあるJ-POPの名曲が選曲された、『「からかい上手の高木さん」Cover Song Collection』も大きな話題を集めた。このイベントは、そんなアニメ『からかい上手の高木さん』の物語を彩った楽曲を生でお送りする、高木さんファンにとっての最高のクリスマスプレゼントだ。

 アニメ1期第1話のEDテーマでもあった「気まぐれロマンティック」で、にぎやかに始まったイベント。リズムに合わせて身体を動かしながら歌う高橋、大原はキーボードを弾きながらハモりでサポート。最後に高橋が指でハートを描いて投げキッス。ふたりの愛情たっぷりのパフォーマンスに、会場には大歓声が沸いた。

高橋李依

 イベントは、大原の歌パート、高木さんの歌パート、そして二人がデュエットするコラボパートが、トークを挟みながら続いていく。大原は、林間学校で高木さんが西片に「星が見たいね」と語りかけるエピソードに続いて「星が眠るまで踊ろうよ」や、「夜になれば」などを披露した。「高木さんと西方を思い浮かべながら聴いて欲しい」と大原。「夜になれば」はしっとりとしたバラードで、高木さんと西片が夜SNSでやりとりをしていて、早く返事が来ないかドキドキしながら待っている高木さんの様子が浮かぶ。早く明日になって学校でおしゃべりもしたいけど、携帯を通して会話するこんな夜も愛おしいといった雰囲気で、温かくて包み込むような大原の歌声から、高木さんの気持ちもジワジワと伝わってきた。

 『高木さん』の世界は、やさしく温かくて、どこかノスタルジックだ。アコースティックギターやピアノを中心にした大原の音楽は、聴くものに寄り添う優しさがあり、歌詞と歌は、その行間から映像や物語を想像させる。『高木さん』の世界につかず離れず、丁度良い距離感を保つ大原の音楽は、『高木さん』の世界にぴったり。観客の中には目を閉じて聴いている者もいて、ここにいる誰もが大原の奏でるやさしい世界に浸った。

大原ゆい子

 本編ラストに大原が歌った「君と光」は、会場に感動が広がった。『ゼロセンチメートル』のアニメ盤カップリングに収録した曲で、『高木さん2』の第12話挿入歌として話題を呼んだ。12話は、お祭りですれ違う二人が仲間たちの応援で再会し、西片のほうから初めて高木さんに手を差し伸べるシーンが胸を熱くした。スクリーンにはその映像も映し出され、それを見つめながら、二人に声援を送るように手を握った観客。楽曲と共にあの感動が、観客の胸に再び甦った。

高橋李依とファンが“高木さん愛”を共有

  「高木さ〜ん」との呼びかけに、「は〜い。そんなに私に会いたかったんだ〜!」と、高木さんになりきって登場した高橋は、人気の高木さんナンバーで観客を熱く盛り上げた。「小さな恋のうた」では、アッパーのサウンドに会場も「オイ! オイ!」と声を上げて一体に。高橋が「ハイ!」と言って客席にマイクを向けると、サビを観客が大合唱した。また「STARS」は、一転しっとりとしたムードで聴かせる。「あの時の空気を思い出して聴いて欲しい。隣で歌うような気持ちで歌います」と高橋。胸に手を当てながら遠くを見つめるようにして歌い、透明感のある歌声で観客を魅了した。

 高橋はMCで、レコーディングのエピソードなどを披露し“高木さん愛”溢れるトークでも楽しませた。例えば大原が『言わないけどね。』のカップリングに収録した「旅立ちの風」を歌ったところでは、「生で聴けて感動しました。高木さんが中3だったら……など、今後を妄想させてくれる」と、大原の歌声に感動しきり。また「キセキ」をレコーディングした時は、〈これから先も何十年〉という歌詞に感動して、「テストで泣きそうになった」というエピソードも披露してくれた。

 スペシャルだったのは、クリスマスにちなんだ楽曲を歌った二人のコラボ。この日限定の高木さんナンバーで、集まった観客を喜ばせた。前半にはSPEEDのカバー「White Love」を。会場には、白いペンライトの光が広がり、まるで雪景色のよう。エモーショナルに歌い上げる原曲を、気持ちよさそうに歌う二人に、会場からは大きな拍手が沸き起こった。この曲は、「高木さんの声に合うキーはどこだろう」と苦心しながら選んだそう。「高木さんのカラオケのレパートリーに入っていてくれたら嬉しいな」と高橋。後半には松任谷由実「恋人はサンタクロース」のカバーが披露され、歌詞に合わせてプレゼントを抱えて歩くポーズを取ったり、ギターを弾くマネをしたりと楽しそうな二人。観客も手拍子で盛り上げ、二人に続けて〈サンタクロース〉と歌うなど、会場は一足早いクリスマスを楽しんだ。

 『からかい上手の高木さん』の魅力は、誰もが経験のある恋模様を描いた既視感だけに限らない。キャラクターの気持ちの裏の裏まで考え抜いて演じた、愛情溢れる声優の演技。そして、それを絶妙なスタンスから彩った楽曲もそう。この日のようにアニメ放送終了後も人気が衰えず、むしろ話題が増しているのは、そうした様々な要素が折り重なってこそだろう。世代を問わず時を選ばず、見る者をニヤキュンさせる『高木さん』。「まだまだ続くと信じています!」という高橋の言葉を信じたい、観客の誰もがそう思っただろう。

Arrow
Arrow
ArrowArrow
Slider

■榑林史章
「THE BEST☆HIT」を経て音楽ライターに。オールジャンルに対応し、インタビュー本数は延べ4,000本。現在は日本工学院で講師も務める。

大原ゆい子公式ウェブサイト

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む