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菅野臣太朗「WORLD」最新作が幕開け、主演の校條拳太朗「生き様を熱く感じて」

ナタリー

「WORLD ~Change The Sky~」より。

「WORLD ~Change The Sky~」が、昨日6月27日に東京・なかのZERO 大ホールで開幕。これに先駆け、26日に公開ゲネプロが行われた。

2013年に初演された「WORLD」は、菅野臣太朗が脚本・演出を手がける演劇作品。2016年には「WORLD ~beyond the destiny~」のタイトルで再演された。最新作となる「WORLD ~Change The Sky~」では、2つの殺人事件を軸とした物語が展開。2021年、東京のとある派出所で警察官が何者かによって殺害された。返り血を浴びたはずの犯人の痕跡は、連日降り続く雨によって洗い流されてしまう。警察は“レインコートの男”と称される犯人の行方を追い続けるが、手がかりをつかめず、2人目の犠牲者が発見される。一連の事件は、2003年に奥多摩の孤児院で起きた陰惨な殺人事件へとつながり……。

本作には、孤児院出身の青年・三上龍司、その幼なじみである相沢顕示、龍司を追う女性・飯島久留美を中心に、事件を捜査する警察、真相を暴こうとする週刊誌記者、暗躍する不動産ブローカーらが登場。劇中では、彼らが背負っているものや、それぞれの思惑がスピーディに交差するジェットコースターサスペンスが繰り広げられる。

校條拳太朗は連続殺人犯の龍司を熱演。狂気を含んだ存在感と鋭い目つきで、復讐に取り憑かれながら“世界”と対峙する龍司を体現した。杉江大志は、龍司とは対照的に幸せな生活を送っている顕示を愛くるしい笑顔で好演。しかし、彼が抱える“闇”を絶妙な表情の変化によって垣間見せた。また佐々木優佳里は、ある目的のために龍司と接触するミステリアスな久留美を繊細な演技で表現。落ち着きのある立居振る舞いで物語に華を添えた。

さらに、熱いジャーナリスト魂を持った週刊誌記者・浅沼達樹役の田中稔彦、浅沼を献身的にサポートする記者・葛城要人役の柏木佑介、「正義とは何か?」を自問自答する巡査部長・犬飼猛役の小笠原健、エリート組の警視正・柳原太三役の山木透、不動産ブローカー・影浦志郎役の坂元健児、警視監・柳原正輝役の渡辺裕之、そして奥多摩孤児院殺人事件で逮捕された元警察官・国立周蔵役の金山一彦らが脇を固め、ハードボイルドな劇世界を確かな演技力で立ち上げる。劇中で降り続いている“生温い雨”は、本水を使って表現され、運命が絡み合う復讐劇に説得力を与えた。

開幕に際し、校條は「観る方にとっても、ものすごくエネルギーがいる作品だと思いますが、人間って生きているときにそういうことが常にあると思うんです。登場人物はみんなそれぞれの思いを持って、突き進んではぶつかります。人間の生き様を熱く感じていただけたら」と思いを述べる。杉江は「まずはサスペンスとしての物語の面白さを楽しみに劇場に足を運んでいただいて、観劇後にいろいろなことを考えてもらえたらうれしいです」とコメント。佐々木は「スピード感のあるお話で、1人ひとりの熱量や気持ちを受け取っていただけたらなと思っております」とメッセージを送った。

上演時間は途中休憩を含む約2時間30分。公演は7月4日まで。

「WORLD ~Change The Sky~」

2021年6月27日(日)~7月4日(日)
東京都 なかのZERO 大ホール

脚本・演出:菅野臣太朗
音楽:野田浩平
出演:校條拳太朗、杉江大志、佐々木優佳里(AKB48) / 田中稔彦、小笠原健、柏木佑介、山木透、伊阪達也、武田知大、川口直人、川名浩介、國島直希、柴小聖、鎌田亜由美 / 坂元健児、水谷あつし、藤原習作、渡辺慎一郎、武智健二、吉田晃太郎 / 渡辺裕之 / 金山一彦
アンサンブル:及川崇治、畑中陽道、池田彰夫、佐藤佑樹、古川貴大、塩見奈映、太田彩香、吉村冴加、青木素姫

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