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劇団EXILE・佐藤寛太、『今日も嫌がらせ弁当』は「母親にありがとうと伝えたくなる映画」

ぴあ

19/6/25(火) 17:00

『今日も嫌がらせ弁当』に出演した佐藤寛太

人気ブログから生まれたエッセイ『今日も嫌がらせ弁当』。八丈島に住むシングルマザーが反抗期の娘・双葉への“仕返し弁当”を作る日々を描くベストセラーが、映画になった。双葉の幼なじみの達雄を演じた劇団EXILEの佐藤寛太は「初めて台本を読んだときから、すごくいい話だなと思いました」と語る。

「篠原涼子さん演じるお母さんは、友達のお母さんにいそうな感じのパワフルであったかい人。ちょっとおせっかいなところもあって、思春期真っ只中の娘に好きな子について聞くとか、地雷を踏んだりもするんですよ(笑)。でも毎日毎日、子供が寝ている間にお弁当を作り続けるって本当に大変なこと。僕も小学校の頃に反抗期があったし、親に小言を言われると“はいはい分かった”って流したくなります。でもこの映画を観て、親って面倒くさいけどありがたいものだなぁ、って。そう思えるってことは、少しは大人になったのかもしれないですね(笑)」

もはや日本が誇るカルチャーのひとつとも言えるキャラ弁。劇中には“貞子”がデザインされたものから流行りの芸人が登場するもの、“皿はかたせや!”など日常の小言を海苔で伝えるものまで、母が娘に持たせるユニークなキャラ弁が次々と登場する。この映画を観ながら、自分の母親が作ってくれたお弁当のことを思い出す人も多いはずだ。

「マヨネーズを入れると分解してネロネロになるからやめてほしい、と思っていました。冬はごはんを詰めすぎると箸が折れるほど硬くなっていることもありましたね。たくさん食べてほしいっていう気持ちからなんでしょうけど、あれは困りました(笑)。ケチャップライスのオムライスが好きだから、お弁当に入っているとうれしかったなぁ。今も弟はお弁当を作ってもらっているんですけど、たぶんまだあまりありがたみを感じていないと思うので、お弁当を題材にして言葉にできない愛を画にしているこの映画を観てほしいと思っています」

双葉の幼なじみであり、彼女が密かに思いを寄せている達雄は、八丈太鼓の奏者という役どころ。これまでも太鼓やドラムに挑戦して短期間でマスターした経験もあるが、「役のために習得しなければいけないことの中で、今までで一番難しかった」と明かしてくれた。

「打っていないほうの手は自由に舞っているように見せつつ、リズムを打つ……という感じなんです。わきあがるパッションを表現する太鼓なので、なかなかコツをつかめなくて、先生には“普通の太鼓だったらもっと叩けるんですけど”と言い訳のように言っていました(笑)。達雄のキャラクターに関しては監督と話して、学園のヒーローというよりも三枚目で、ちょっと変わっているけど面白いよね、みたいなニュアンスかな、と。急に運動場で太鼓を叩き始めたりもして、目立ちたがりなところもあります(笑)。自分のやりたいことにまっすぐに向き合う達雄を演じながら、自分はこんなに何かを追ったことがあるかな、とも感じました。役のために体作りをしたわけではないのですが、太鼓の練習をするだけで腕が太くなって、毎日のように筋肉痛になっていましたね。撮影がないときも協会の島の名手の方たちに太鼓を教えていただいたのは、すごくいい経験になりました」

親子の物語を包み込むのは、スクリーンから感じられる島の光と風。ロケのために八丈島に1週間ほど滞在し、「贅沢な時間を過ごさせてもらいました」と撮影を振り返る。

「地元の方たちと顔見知りになって、スーパーで会うと“お疲れさま。今日は撮影ないの?”って話しかけてもらっていたので、住んでいるような感覚になりました。空いた時間にはサイクリングで島を周って、日帰り温泉、果樹園、お花畑、浜辺、カフェとかロケ地周辺をかなり探索したんです。宣伝したいのは、はちきれんばかりの果汁がおいしい八丈レモン。見つけたらぜひ食べてみてください! 八丈島の生命力に溢れた風景や周りの人たちの温かさ、そして自然に負けない篠原さんのパワーを感じてほしい。映画館を出る頃には、お母さんにありがとうと伝えたくなる映画になっていると思います」

取材・文:細谷美香 撮影:稲澤朝博

『今日も嫌がらせ弁当』
6月28日(金)公開

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