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嵐・二宮和也が作る曲はなぜ泣ける? 情感豊かな歌詞世界のルーツを辿る

リアルサウンド

14/8/16(土) 8:00

20140118-nino.jpg高い演技力だけではなく、音楽的才能も評価されている二宮和也。

 終戦記念日となる8月15日、『金曜ロードSHOW!』にて、2006年のハリウッド映画『硫黄島からの手紙』が放送された。

 『硫黄島からの手紙』には、嵐の二宮和也が西郷昇陸軍一等兵役として出演、監督のクリント・イーストウッドに「類まれなる才能」と評され、役者としての才能を大きく開花させた。その後、二宮は国内でも数々の賞を受賞し、俳優としての地位を確立していった。二宮は「芝居のうまい人はいくらでもいる。監督や共演者、作品全体のパワーバランスがきれいな形を描くように、自分がアクセントになれたら。そのためにもアイドルでいた方がいいし、いたいと思う」(『朝日新聞』2010年10月8日)と、芝居における自身のスタンスを明かしている。そしてそのスタンスは、嵐の楽曲においても活かされ、彼の存在はひとつのアクセントとなっているようだ。(参考:嵐・二宮和也はなぜ『ピカンチ』でヒッピー姿に? その独自の表現スタンスを読み解く

 二宮の歌唱力は、ファンの間で「嵐の中で2番目に上手い」と評され、gooランキング編集部が「NTTドコモ みんなの声」にて行ったアンケート調査「歌がうまいジャニーズランキング」では、8位にランクインしている(1位は大野智)。表現力も豊かで、特にソロパートでは存在感のある歌声を披露。最近の曲では、テレビドラマ『弱くても勝てます』主題歌である「GUTS!」の「嵐のなか戦う友よ、いざゆけ」というフレーズが、耳に残っているというファンも少なくないはずだ。

 音楽面における二宮の強みは、その歌唱力にとどまらない。ギター、ベース、ピアノ、ドラム、そしてブルースハープなど、あらゆる楽器を演奏できるマルチプレイヤーであり、作詞・作曲においても才能を発揮しているのは周知の事実だ。特に二宮の作詞力には定評があり、「虹」(作曲=多田慎也)とそのアンサーソングとされる「それはやっぱり君でした」(作曲=大知正紘)では、男女それぞれの目線で悲しみと希望が同居した恋愛物語を展開。作詞・作曲をともに手がけた「20825日目の曲」では、母・二宮和子さんの生誕日から、同曲を収録するアルバム『LOVE』発売日までの日数を曲名に冠し、感謝の意を込めるなど、創意工夫をこらしつつ、人の琴線に触れるような表現を行っている。

 そんな二宮は、かつて音楽番組で「中学時代GLAYに憧れていて、JIROさんモデルのベースを持っていた」というエピソードを披露しており、メインストリームのポップスやロックを好んでいることが伺える。ライブなどでは、ゆずの「栄光の架橋」やコブクロの「ここにしか咲かない花」、BEGINの「涙そうそう」、GReeeeNの「キセキ」、そして坂本九の「明日があるさ」といったヒットナンバーのカバーも披露しており、彼が作る楽曲のルーツを垣間みることができる。ファンの多くは二宮の楽曲を「泣ける」「感動する」といった言葉で評しているが、そのエモーショナルで物語性に富んだ詞世界は、まさしく“日本の歌謡曲”の王道を行くスタイルであり、二宮ならではの表現力豊かな歌声と相俟って、多くの人々に届く作品となっているのではないだろうか。

 とかく俳優としての側面にスポットが当てられがちな二宮だが、その音楽的才能もまた注目に値するものがある。『硫黄島からの手紙』を観て、改めて二宮の魅力に気付いた方はぜひ、彼の作る音楽やその歌声にも耳を傾けてみてほしい。俳優・二宮和也とはまた違った魅力を発見できるはずだ。

(文=松下博夫)

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