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更なる成長と挑戦を見せつけた圧巻のステージ「原因は自分にある。」配信ライブレポート

ぴあ

『仮想げんじぶ空間:case.3-多世界解釈』

7人組ユニット「原因は自分にある。」が1月23日に配信ライブ『仮想げんじぶ空間:case.3-多世界解釈』を開催した。1月13日に発売されたファーストアルバム『多世界解釈』をひっさげての配信ライブということもあり、開演前からファンの期待は高まっていた。

ジャジーなSEと共に始まったライブ。照らし出されたステージ上にバラバラの場所にいたメンバーたちが集っていく。1曲目に披露されたのはアルバム『多世界解釈』のリード曲『柘榴』。個性的な曲が多いアルバムの中でもロック要素が強く感じられる曲だ。アルバムの1曲目でもあるが、ライブの1曲目に持ってくることに彼らの挑戦的な意欲が伝わってくる。クールな表情を見せながらも、「今 一度 お見せします」というラストの歌詞と共に長野凌大が見せた魅惑的な笑みでファンの心をわしづかみにしたのではないだろうか。

間髪入れずに『嗜好に関する世論調査』へ。“二択”のリフレインと共にメンバーとそれぞれを描いたスタイリッシュなイラストが映し出され、背後と足元のモニターを巧みに使った演出でその世界観を構築していく。そのまま流れるようにデビューシングル『原因は自分にある。』を新しいアレンジで披露し、ファンを喜ばせた。ここまではクールでセクシーな表情を見せていたメンバーだったが、続いての『シェイクスピアに学ぶ恋愛定理』ではキュートな笑顔を弾けさせる。怒涛のような4曲のメドレーでファンのハートをジェットコースターに乗せてしまうような展開だ。

最初のMCでは自己紹介のあと『柘榴』について触れ、「『柘榴』の世界観を作ってもらった中で僕達がその世界観をリモート上ではありますが、パフォーマンスをみなさんにお届けできる幸せっていうのを今改めて実感しています」と大倉空人が挨拶。小泉光咲は「(『柘榴』の)サビはみんなで横一列に並んで前に行く振りがあるんですけど、そのフリは前へは一緒に前へ進んでいこうという意味を持っていて。サビ以外にもいろいろ意味が込められているので、アーカイブもあるのでぜひ見てほしい」とダンスへのこだわりを語った。

個性的な楽曲が並ぶげんじぶのファーストアルバム。「ずっと真夜中でいいのに」の編曲を手掛けるクリエイター100回嘔吐、人気歌い手ラッパー・nqrseなど豪華なクリエイター陣を迎えている。特にメンバー自身も楽曲の提供に驚いたというのがYOASOBIのコンポーザーAyaseの楽曲だ。後半戦はそんなAyaseが手掛けた『スノウダンス』からスタート。切ないメロディと歌詞、そしてそんな楽曲にシンクロしたイメージ映像がモニターに映し出される。白い照明が冬の世界を作り出し、ダンスも切なさを表現しているようだ。

一転、陽炎のようなカラーの照明に切り替わり、披露されたのは『Up and down』。長野、小泉、武藤潤の3人がステージ上に残り切なげに歌い上げたところで、カメラは2階席へ。大倉、杢代和人、吉澤要人、桜木雅哉で大人の魅力もまといながら『In the Nude』を。それぞれが魅せる大人びた表情がファンをドキリとさせる。そこへ長野、小泉、武藤が合流する。4階建てだというこの日の会場を縦横無尽に使った配信ライブならではの演出だ。 『嘘から始まる自称系』では長野と大倉がマイクをトランシーバーに持ち替えて歌う演出も。それぞれの曲の魅力を最大限に魅せるパフォーマンス、そして息つく間もないメドレー構成でひとつの物語を見ているような気分になってくる。

新年1発目のライブということもあり、年末の話題へ。そこで「大晦日の大型バラエティー番組でげんじぶの曲が流れていたよね。リアルタイムで見ていてびっくりした」と吉澤。メンバー同士でもその話題で盛り上がり「テレビ観ていたら俺の声が聞こえてきたからびっくりした」と武藤も明かした。

また、桜木は年越しの際、長野とビデオ通話していたそうで「10秒前からヘドバンしながらカウントダウンして、年が変わった瞬間にジャンプした」(長野)と仲の良いエピソードを披露。

MCでは終始メンバーの仲の良さそうなシーンが垣間見られ、このときのMCは吉澤が担当していたが、そのぎこちなさにメンバーからも思わずツッコミが。少し心配そうに隣で見ていた杢代からは「さっき『僕MCできるかなあ』って裏で言ってたんですよ」と暴露され吉澤が照れる場面もあった。

続く『柘榴』のMV撮影の話では武藤は「今までMV、スタジオが多かったけど、今回は外。景色が綺麗なところで最高でした。気分が上がったので叫びたくなったので凌大と『よっしゃー!』よく叫んでました」と話し、長野も「ダンスシーンが多かったので自分たちを鼓舞するために気合いを入れるために叫んでた」と頷いた。また、小泉は「メンバーそれぞれソロショットがあったんですけど、僕が最初だったんですよ。電車が通っているところで柵越しに叫ぶシーンにかなりの時間を使ったのにボツになった。叫んだ顔がちょっとダメだったんだと思う」としょんぼりした表情を見せながら撮影秘話を語った。

最後、2021年はどんな年にしたいか問われた杢代は「2020年は僕たちもすごく悔しくて、みなさんと会えなくて悲しい年になってしまいました。2021年は挑戦する年でもありますし、勝負の年だとも思います。たぶん僕たちこれから高い壁が何回か来ると思うんですけど、それに一緒に乗り越えられるように手を離さないのでこれを見ているみなさん、そしてファンの皆さんも手を離さないで応援よろしくお願いします」と心を込めて語った。杢代の言葉を聞きながら、長野が画面の向こうのファンに向かって手を差し伸べるような仕草を見せたのも印象的だった。

そしてラスト、メンバーの後ろに用意されたのは椅子。「君を思って歌います。聴いてください」と小泉が紹介したのは『ラベンダー~Piano ver.』。ピアノだけの伴奏、座った状態でのパフォーマンス、ダンスも静かなものだったが、手の動き、表情に感情が込められているようだ。またそのボーカル力がパワーアップしており、その歌声だけで聴いている者の心を揺さぶる。

最後は長野が「今日は本当にありがとうございました。2021年はもっともっと多くの人、あなたの原因になれるように僕たちがんばります。今度はライブ会場で会いましょう!」とファンとの再会を誓った。

2月5日からはコラボレーションカフェ「げんじぶ空間 in 原宿」が開催されることが発表。「カフェで僕たちが考えたドリンクだったり、壁紙全部がげんじぶ仕様になっていたり。特典でそこでしかゲットできないものもあるのでぜひいらしてください」と桜木がファンに向かって笑顔で告知を行った。

ライブのたびに成長と新しい一面を見せてくれるげんじぶ。挑戦と勝負という言葉をメンバーも口にしていたが、今年は更に飛躍する姿を見せてくれるに違いない。

-SET LIST-

1. 柘榴
2. 嗜好に関する世論調査
3. 原因は自分にある。
4. シェイクスピアに学ぶ恋愛定理
5. スノウダンス
6. Up and Down
7. In the Nude
8. 嘘から始まる自称系
9. ラベンダー(Piano ver.)

取材・文/ふくだりょうこ

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