Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

山内雅子プロデュース『灼熱の巴里』

19/10/5(土)

2004年夏、いまはなき新宿パンプルムスで、CMディレクター山内健司が立ち上げた演劇ユニット「山内健司の演劇」の第一回公演『葡萄と密会』を観た。 抜群に面白かった。セリフがこれほど生き、演出が的確で、極めてシャープな舞台に久しぶりに出会えた気がした。真夏でありながら空調が壊れ、よくぞ救急車で誰も運ばれなかったというくらいの熱中症寸前の観劇環境だったこと以外は完璧で、けれどその最悪の環境すらも、作品の面白さのほうが凌駕してしまうほどの、素晴らしい舞台であった。 すぐに企画書を作り、三鷹での公演をお願いし、ご快諾いただけた時は嬉しかった。 やがて「山内健司の演劇」は「城山羊の会」とユニット名を変え、それから何度か、三鷹市芸術文化センター星のホールでも公演していただき、2014年冬、下北沢ザ・スズナリで上演された『トロワグロ』で岸田國士戯曲賞を受賞されるなど、演劇の世界に足を踏み入れる以前に一世を以靡していたCMディレクターとしてだけではなく、演劇の世界でも、注目を集め続けることとなる。 その山内健司(現在の演劇シーンでのクレジットは山内ケンジ)が。 昨年12月、下北沢ザ・スズナリで上演された『埋める女』の当日パンフレットで、「城山羊の会は、今回でしばらくお休みを頂きます。またいつかみなさまと劇場でお会いできることを楽しみにしております」とのメッセージを告知。 『埋める女』が、これまた抜群に面白かっただけに、その告知がとても残念で、けれど「またいつか劇場で」と記されていることに、ほんの少しの期待を繋いで。 何度かご一緒しているので、ほんの少しだけ関係者といえば関係者なのだが、私自身が、舞台にCMに映画にと、山内ケンジ作品のファンなので、ありふれた言葉ではあるが、「ロス」とも呼べる、穴が空いた感じは少しだけ感じており、もちろん、私以外にも「城山羊の会」の再開を待ちわびる方は多いと思う。 そんな「城山羊の会」ワールドがお好きな方へ。 山内雅子プロデュース 『灼熱の巴里』。 作・演出:山内ケンジ・ふじきみつ彦 出演:宮内良、関谷春子、湯澤幸一郎、金子岳憲、ブライアリー・ロング、メイピ、端田新菜、中島歩 諸藤佳子(ピアノ) <<<>>> 昨年公演され、大好評を博した本作品の再演が決定。作・演出には山内ケンジと、山内との関わりも深く数多くのテレビ番組で放送作家を手掛けるふじきみつ彦。 巴里に新婚旅行に来たカップルに降り注ぐ、虚実の入り混じったエンターテインメントな出来事の数々。 本格的なシャンソンと、ドリンクに酔いつつ、一筋縄では収まるはずのない山内ケンジとふじきみつ彦の描く『灼熱の巴里』。 『城山羊の会』の再開を待ちわびるあなたに、『灼熱の巴里』なひとときを、ぜひ。

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む