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俳優たちによるコロナ禍の生活を再編集、柳生二千翔の映像作品「まろかる」

ナタリー

20/8/14(金) 11:33

柳生二千翔「まろかる」ビジュアル

女の子には内緒 / 青年団の柳生二千翔が手がけた映像作品「まろかる」が、「アートにエールを!東京プロジェクト」の公式サイトで公開されている。

「まろかる」では、安藤真理、青年団の佐藤岳、林ちゑ、山内健司、few phew purの高山玲子、範宙遊泳の埜本幸良、渡邊まな実が、コロナ禍における自身の生活の様子をスマートフォンで撮影。それらを、映像作家の内田圭が即興的に編集した映像をもとに柳生がテキストを作成した。さらに俳優たちがそのテキストを朗読し、1つの映像作品を構成している。

柳生は、本作について「互いにどのような素材が届くか分からない、“偶然性”を積み重ねた、現代の日常の物語です」と述べ、「自分の時間と相手の時間が重なって、時間を共有するのって、忘れがちですが大切で貴重ですね。2020年のあの期間の空気、みたいなものをアーカイブできた、今しか作れなかった作品です」とコメントした。

柳生二千翔コメント

今作は新型コロナウイルス感染症予防のため、作品の完成まで、どのスタッフ・俳優とも一度も直接会わず、製作しました。普段は直で密なコミュニケーションを取りますが、今作はそれぞれが製作する映像素材(動画・編集された映像・テキスト・音声など)を一方的に送り合う形となり、結果、まるで手紙を送り合うようなタイムラグが生まれました。

互いにどのような素材が届くか分からない、“偶然性”を積み重ねた、現代の日常の物語です。

動画に映される誰かの日常と、朗読で語られる誰かの日常の物語は一見何の交わりもありませんが、何度か見ていると、それまで思いもしなかった、見えたことのなかった景色が突然見えたりします。

例えば朗読で、オフィスでダンスするシーン。

映像では、きゅうりがフルフル振られている場面で、なんだか踊っているように見えたりします。

また、動物の鳴いているシーン、映像ではゲームから犬の声が流れていたり、餃子を焼くシーンでモヤが立ち上る映像で、セリフで「モヤモヤ」と言っていたり、ほとんどすれ違うけど時折重なる、そのズレを楽しむ作品になったかなと。

でも日常の中で人と人が会ったり、関わりあったりするのって、こういう微かな重なりの積み重ねだなあと思ったりしました。

自分の時間と相手の時間が重なって、時間を共有するのって、忘れがちですが大切で貴重ですね。

2020年のあの期間の空気、みたいなものをアーカイブできた、今しか作れなかった作品です。

柳生二千翔「まろかる」

監督・テキスト:柳生二千翔
朗読・撮影:安藤真理、佐藤岳、高山玲子、埜本幸良、林ちゑ、山内健司、渡邊まな実
編集:内田圭

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