主演は監督の弟、“違法宝くじ”題材にしたベトナム映画「走れロム」公開日が決定

21/4/11(日) 12:00

「走れロム」新場面写真

ベトナム映画「走れロム」が6月11日に東京・ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺で公開決定。6月18日より大阪のシネ・リーブル梅田、近日より愛知・名古屋シネマテークでも上映される。新たな場面写真も到着した。

第24回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門で最優秀作品賞に輝いた本作は、ベトナムにおいて社会問題にもなっているという“違法宝くじ”を題材にした犯罪ドラマ。サイゴンの路地裏にある古い集合住宅を舞台に、孤児ロムが夢を叶えるため、一攫千金の賭けに出るさまが描かれる。監督のチャン・タン・フイは本作で長編デビューを飾った。

主演を務めたのはフイの実弟、チャン・アン・コア。本作の前日譚となった短編「16:30」に続いて主人公ロムを演じた。フイはキャスティングについて「各シーンにふさわしい天候や状況、それも太陽が出ている時間帯だけ撮るという撮影手法を選んだため、このスケジュールに合わせられることがキャスティングの条件の1つでした。知名度や演技経験を問わず、目でストーリーを語れる人を探した中、ロム役に自分の家族を使うという暴挙に出たわけですが、彼以上にふさわしい人はいなかったと思います。演技経験がないゆえに、失敗すればするほど経験が増えてロムという人間になっていきました。顔が私に似ている点でも、私の人生を描いた映画にはぴったりでした」と語っている。

本作には「青いパパイヤの香り」のトラン・アン・ユンがプロデューサーとして参加した。2人の出会いは、ユンがサポーターを務めるオンラインの短編映画祭で「16:30」が上映されたことがきっかけ。現在はフイの次回作をともに準備中だ。また編集は「ブンミおじさんの森」のリー・チャータメーティクン、音楽は「ソン・ランの響き」「朝が来る」のトン・タット・アン、撮影監督はグエン・ヴィン・フックが担当している。