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劇的バレエの鬼才、マシュー・ボーンの『シンデレラ』開幕

ぴあ

18/10/4(木) 0:00

よく知られている物語を斬新な発想で読み替えた、独創的なバレエ作品の数々で世界を魅了し続けている英国の演出・振付家、マシュー・ボーン。一大旋風を巻き起こした2003年の『白鳥の湖』を皮切りに、『くるみ割り人形』『シザーハンズ』『ドリアン・グレイの肖像』『眠れる森の美女』と続いてきた来日公演の最新作、『マシュー・ボーンの「シンデレラ」』が昨日10月3日(水)に開幕した。1997年にロンドンで産声を上げて以来、国内外で高い評価を得てきた作品だ。

バレエ『シンデレラ』と言えば、プロコフィエフの音楽にフレデリック・アシュトンが振付けた作品がつとに有名だが、ボーンは音楽と物語の大筋はそのままに、舞台を第二次世界大戦下のロンドンへと置き換える。アシュトン版を初めて観た際、その音楽のなかに「おとぎ話の魔法の奥底にリアルな感情やドラマチックな欲望が脈打っている」と感じたというボーン。プロコフィエフが書き上げたのが大戦中だったことを知ると、暗黒時代の雰囲気が何かしらの形で音楽に反映されていると考えるようになり、それがこの設定につながった。ボーンが“鬼才”と謳われるのは、斬新な発想の裏にこうした深い思索があるからこそだろう。

言葉は用いないものの高いスペクタクル性を備えていることから、バレエファンのみならず様々なエンタメ好きから愛されてきたボーン作品。『メリー・ポピンズ』の振付家の一人として、日本のミュージカルファンの間で改めてその手腕が知られるようになったこの時機に上演される、『ビリー・エリオット』オリジナルキャストのリアム・ムーアも出演(Wキャスト)する作品とあっては、ますます幅広い層が押し寄せる公演となりそうだ。

公演は、東急シアターオーブにて10月14日(日)まで。

文: 町田麻子

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