Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

aikoからの大きな愛が行き届いたスペシャルなフリーライブ 『Love Like Aloha vol.6』レポート

リアルサウンド

18/9/1(土) 10:00

 aikoが8月30日にサザンビーチちがさきにてフリーライブ『Love Like Aloha vol.6』を開催した。

(関連:aikoの「ストロー」は新たな代表曲に? クセになるフレーズが生み出す効果を考える

 vol.5から3年ぶりという待望の開催となった今回は、およそ3週間前に告知されたにも関わらず、前回の来場者数を上回る3万7000人が集結。開演前からビーチは多くのファンたちで賑わい、終始お祭りムードが漂っていた。

 ライブ開始30分前、ステージの両サイドに設置されていた幕が落ち「20周年ありがとう aikoより」という直筆の文字が巨大モニターに浮かび上がると、周年への喜びと久しぶりの野外ライブへの期待ですでに盛り上がる気満々の客席からは、早くも大きな拍手が起こった。開演の時間になり、歓声と共に夏の野外ステージにふさわしいラフ&ポップな衣装を身に纏ったaikoがステージに登場。「夏が帰る」でライブがスタートすると、待望の気持ちを爆発させるように会場中の手が勢いよく上がり、1曲目からすでに盛り上がりは最高潮に。aikoもそんなフロアを笑顔で見渡しつつ、いつも以上に自由で愛らしいステージングで客席を魅了し、曲が終わると「今日は晴れたねー!」と嬉しそうに叫んだ。

 間髪入れずになだれ込んだ「あたしの向こう」では、久しぶりの再会を噛みしめるようにステージの端から端まで移動してファンと手を振り合い、大きな手拍子が鳴り響いた「予告」では後ろの方まで長く延びている花道に歩みを進め、客席との距離をどんどん縮めていく。「またこの場所でライブをすることができました!」「ここに居る人たちはほとんど寝てない人たちばっかりだと思います。私もほとんど寝てないので! エゴサしてました(笑)」と、今日という日を迎えることが出来た喜びを告げるaiko。そんな彼女の言葉にファンは拍手や温かい笑いで応え、会場はこれ以上ないほどの幸福感に包まれていく。aikoもファンも『Love Like Aloha vol.6』の開催を本当に心から待ち望んでいたのだ。

 夕暮れ時のビーチという最高なロケーションの中、「横顔」が優しい歌声でしっとりと披露され、続く「アンドロメダ」では一句一句に切ない感情を込めながら丁寧に歌い上げられる。ライブ前、aikoは公式Twitterで「ぼっち参戦のあなたも大丈夫、ライブは一対一だからね!!」と呟いていたが、花道を使ってまんべんなく会場中をまわり、後ろの方まで指を差したり手を振り合ったりといったパフォーマンスからは、今日この場所に集まった一人ひとりに愛を持って歌を届けようとする意志がビシビシ伝わってくる。そして大きなモニターに映し出される観客のたくさんの笑顔が、まさに彼女が呟いた言葉の意味を表していた。

 曲間にaikoを呼ぶ声がひっきりなしに響く中、キーボードの音色に合わせて始まったのはバラード曲「瞳」。一点の濁りもない澄み切った高音が会場中に広がっていき、静かにじっくりと聴き入る客席。曲が終わるとひときわ長く大きな拍手に包まれた。

 その後のMCでaikoは、大勢の人で埋め尽くされたビーチを眺めながら「一番後ろの人、携帯のライトつけて!」と呼びかけ、はるか遠くで光るそのライトを見て「わー遠い! すごい!しっかり見えてるからな!」と大興奮。そして「マンションの人もいつもお世話になってます!」と近隣にも挨拶を欠かさず、その声に応えるようにマンションのベランダではペンライトが揺れていた。周りにある海の家のスタッフたちもみんな一緒になってライブを楽しんでいて、このフリーライブを楽しみに待っていたのはファンだけではないとしみじみ感慨深い気持ちになる。だからこそ6回目となる『Love Like Aloha』が、今年もこの場所で開催されたのだ。

 「サザンオールスターズ40周年記念おめでとうございます!」の声に続いて、サザンのカバー曲「ミス・ブランニュー・デイ (MISS BRAND-NEW DAY)」「Ya Ya(あの時代を忘れない)」を含むメドレーへ突入。しゃがんで客席に目線を近づけたり、手を触れ合ったり、会場中のファンと密なコミュニケーションをとりながら「ドライブモード」「エナジー」「二人」「初恋」など全9曲をノンストップで披露した。

 「空高く、みんなに届きますように」というaikoの祈りの言葉から始まった「天の川」では、星のように瞬くライトをバックに、野外だからこその幻想的な光景と空気感も相まって、清冽な歌声がぐんぐん胸に染みわたっていく。うっとりとした雰囲気から一転、激しいライティングの中始まった「花風」ではこの日一番のパワフルなパフォーマンスを見せ、これを皮切りにアップテンポなナンバーが続いていく。「夢見る隙間」では「ボロボロになってしまえー!」というaikoの挑戦的な呼びかけに全力で応えるようにタイミングバッチリの手拍子が鳴り響き、最新シングル曲「ストロー」では笑顔で飛び跳ねながら会場中にポジティブな魔法を振りまいた。

 ライブもいよいよ終盤。だんだんヒートアップしていくaikoの自由な振る舞いに、客席のボルテージもどんどん上がっていき、「ハナガサイタ」ではひときわ大きな拍手と歓声が沸き起こる。「今日のことずっと覚えててくれますように!」と叫び、ラストナンバーとして披露されたのは「キラキラ」。ステージの足元ぎりぎりまで客席に近づき、手を振りながら笑顔で花道を駆け抜け、全身からエネルギーを振り絞るようなパフォーマンスでライブを締めた。

 「元気でね、お疲れ様でしたー!」と会場中の全員を労う言葉を残し、惜しまれながらもステージを去っていくaiko。暗転する会場に広がる寂しさを打ち消すように、エンディングには大きな花火が連続で打ち上がり、すっかり日が落ちたビーチはどよめきと温かい感嘆の声に包まれる。数年に一度の夏の祭典が終わってしまった切なさと、次回の開催への期待に胸を膨らませながら、aikoからの大きな愛が全員に行き届いたスペシャルなフリーライブは幕を閉じた。(渡邉満理奈)

アプリで読む