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茅原実里からAqoursまで…脈々と受け継がれる歴代歌姫の意志 『ランティス祭り2019』振り返る

リアルサウンド

19/7/18(木) 19:30

 音楽レーベル<ランティス>の設立20周年を記念したイベント『20th Anniversary Live ランティス祭り2019 A・R・I・G・A・T・O ANISONG』が、6月21日〜23日に千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールで開催された。1日目は、ランティスの歴史を彩ってきた歌姫が次々と登場し、懐かしのナンバーからコラボ、カバーメドレーなどを披露。実に“ランティスらしさ”に溢れたステージを展開した。そんな1日目についてレポートする。

レジェンド作品の感動がよみがえる

 『ランティス祭り』の1日目、トップバッターを務めた茅原実里。現在のアニメ/アニソンシーンを支える20代〜30代の多くは、中高生のころに『涼宮ハルヒの憂鬱』を観てアニメファンになり、『らき☆すた』や『境界線上のホライゾン』など茅原実里の出演作と共に育ってきたと言って過言ではない。ランティスのキングがJAM Projectなら、クイーンは茅原実里だ。この日はアニメ『喰霊-零-』OP主題歌「Paradise Lost」、アニメ『境界線上のホライゾン』OP主題歌「TERMINATED」などの3曲を披露。まるでランティス祭りの開会を高らかに宣言するかのように、鍛え抜かれた日本刀のような鋭く透明感のあるハイトーンボイスで、集まった観客のハートを貫いた。

 yozuca*とCooRieの二人が、TVアニメ『D.C. 〜ダ・カーポ』シリーズの3曲、「サクライロノキセツ」、「サクラサクミライコイユメ」、「優しさは雨のように」を歌ったのも、実にランティスらしいと思えた。メディアミックスの原点的な作品のひとつとして、PCゲームからの流れでアニメを観てファンになった者も多く、初期はPCゲームの制作とその音楽を多く手がけていたランティスだからこそのラインナップだ。ヒロイン=朝倉音姫の可憐さとクライマックスの涙を二人の歌と共に思い出したファンも多かっただろう。

 様々な作品のアニソンがずらりと並んだメドレーコーナーも聴き応えがあった。『こどもの時間』の「ハナマル☆センセイション」を始め、『中二病でも恋がしたい』の「INSIDE IDENTITY」などを、出演者が次々にカバーして歌い、観客は一緒に歌って最高の盛り上がりになった。その中でも、アニメ『らき☆すた』のOP主題歌「もってけ!セーラーふく」は、二度とないだろう組み合わせで、観客を沸かせた。「もってけ!」を、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDが演奏するというアツさに、アニソンファンの盛り上がりはヒートアップ。それを6人組の声優ユニット=NOW ON AIRが、ポンポンを手にセーラー服姿で歌うという完コピぶり。ダンスもバックに映し出されたアニメ映像と見事にリンクし、声優ユニットならではの歌いこなしで、中盤の最高の盛り上がりになった。

ガルパン3人娘、Aqoursの登場も

 後半には、佐咲紗花、ChouCho、渕上 舞の“ガルパン3人娘”が登場して会場を沸かせた。『ガールズ&パンツァー』は、現在『ガールズ&パンツァー最終章 第2話』が劇場上映中の人気作品。佐咲紗花は、『ガールズ&パンツァー最終章 第1話〜第3話』の主題歌「Grand symphony」を歌い、圧倒的なパワーを持った歌声でスケールの大きな楽曲を熱唱。ChouChoは、映画『ガールズ&パンツァー 劇場版』主題歌「piece of youth」を披露。西住姉妹の感動シーンの映像をバックに、青春のきらめきと切なさを透明感のある歌声で爽やかに歌い上げた。そして『ガルパン』のメインヒロイン=西住みほ役の声優としても人気の渕上 舞は、「みんなのアイドル渕上 舞だよ!」と、お馴染みのハイテンションで自己紹介し、観客を渕上ワールドへと巻き込んだ。そんな3人のコラボステージでは、『ガルパン』1期のOP主題歌「DreamRiser」を披露。3人で歌い繋いでいくスタイルで、サビではハーモニーも聴かせる。最後は「パンアツァー・フォー!」と、アニメの決めゼリフを観客も一緒に叫んだ。

 1日目のラストに、Aqoursが登場すると会場は割れんばかりの歓声で溢れた。まずは劇場版『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow』の挿入歌「Hop? Stop? Nonstop!」を披露。スクリーンにはローマのスペイン広場でパフォーマンスする劇中の映像が流れる。客席からはかけ声がかかり、会場は一気にAqoursの世界に染まった。「Brightest Melody」では、1、2年生メンバーが劇中のライブシーンと同じように白色ベースの衣裳にチェンジする演出も。円になったり三角になったり、フォーメーションを変えながらのダンスはアニメのシーンそのまま。ファンの声援を受けて圧巻のステージを繰り広げた。「君のこころは輝いてるかい?」では、お馴染みの馬跳びのパフォーマンスも飛び出す。ファンが繰り出す合いの手も息ぴったり。ファンの熱気も最高潮に達したところで、ラストには「Jump up HIGH!!」を披露。「タオルは持っていますか?」と呼びかけ、タオルを回したり首にかけてジャンプしたりと、会場とステージが一つになって盛り上がった。

 当時はメジャーのレーベルで手がけることが少なかった、PCの美少女ゲームの制作と音楽制作で一つの道を作ったランティス。その流れは、ライトノベル原作のアニメとそれにまつわるヒット曲を生み出す流れに受け継がれ、現在はその経験からメディアミックスのヒット作品を多数生み出している。そんな作品とファンを繋いできたのが、歴代のランティスの歌姫たちだ。その意志は20年の歩みと共に、Aqoursにも受け継がれていると感じる。もちろんランティスは、他にも多彩なアニメ作品やアーティストを生み出しており、それは2日目、3日目に凝縮されていただろう。しかしゲームやラノベ原作などのアニメと共に、その世界観を歌声で彩ってきた女性陣の存在は、今もランティスを支える柱の一つだ。ランティス祭り1日目は、それをまるっと端的に見せてくれた。実にランティスらしさに溢れた、意義のあるプログラムだったと思う。

(取材・文= 榑林史章)

ランティス祭り2019 オフィシャルサイト

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