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『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』が映し出す、グザヴィエ・ドランの新境地と原点

ぴあ

20/3/13(金) 0:00

ジョン・F・ドノヴァンの死と生 (C)THE DEATH AND LIFE OF JOHN F. DONOVAN INC., UK DONOVAN LTD.

まだ10代のうちに、『マイ・マザー』の監督・脚本家として鮮烈なデビューを飾った、カナダの天才児グザヴィエ・ドラン。その後、『Mommy/マミー』(2014年)、『たかが世界の終わり』(2016年)などで世界的な賞を獲り続け、ついにアラサーとなったドラン監督が、初めて手がけた英語作品が、本作『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』だ。

物語の始まりは、2006年のニューヨーク。人気の若手俳優ジョン・F・ドノヴァンが死去したというニュースが大々的に報じられる。多くの人が彼の死の真相を知りたがるなか、その鍵を握っていたのは、彼と長い間文通をしていた11歳の少年・ルパートだった。それから10年。自らも俳優として活躍し始めていたルパートは、あるジャーナリストにドノヴァンとの思い出を話し始める……。

ジョン・F・ドノヴァンを演じるのは、TVドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のキット・ハリントン。少年時代のルパートを、『ルーム』のジェイコブ・トレンブレイが演じ、ナタリー・ポートマン、スーザン・サランドン、キャシー・ベイツなどの豪華な出演陣が脇を固めている。

また、出演者とともに、映像の質感もこれまでにない重厚なものに仕上がっているのも本作の特徴。本作はドランにとって、映画監督としての新しい扉を開けるものとなっている。

だが同時に、若くして才能を授かったジョン・F・ドノヴァンもルパートも、これまでのドラン本人を強く感じさせるキャラクターであり、ジョン・F・ドノヴァンと母親(サランドン)、ルパートと母親(ポートマン)の確執をそれぞれ描くなど、“母と息子の関係”というテーマが、これまで同様、この作品においても繰り返される。そこで我々観客は、これがドランの作品だということを改めて意識することになるのだ。

『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
本日より公開

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