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大爆発スタート『ジュラシック・ワールド/炎の王国』 興収100億&年間ナンバー1の可能性も?

リアルサウンド

18/7/18(水) 13:15

 公開4日間で興収21億円超え。7月13日(金)に公開された『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が空前のロケットスタートをきった。約3年前、2015年8月に公開されたコリン・トレボロウ監督による前作『ジュラシック・ワールド』は最終興収95.3億円を記録。今作では製作総指揮に回ったコリン・トレボロウ(3部作完結編となる次作では再び監督を務める予定)、同じく製作総指揮のスティーヴン・スピルバーグらの総意のもと、スペイン人監督J・A・バヨナへとバトンタッチした今回の『ジュラシック・ワールド/炎の王国』も当然のように大ヒットが期待されてはいたが、予想を上回る驚愕の数字を叩き出した。

 7月13日から全国1002スクリーンで公開された『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は、16日(祝)までの公開4日間で動員145万3273人、興収21億677万円を記録。前作『ジュラシック・ワールド』の公開日は平日の水曜日だったので同条件での比較はできないが、『ジュラシック・ワールド』が興収20億を超えたのは公開7日目。今作はその数字をたったの4日間で上回ったことになる。

 動員ランキングの対象となる土日2日間での動員は83万3190人、興収は12億1654万円。ここでも、興収比で前作『ジュラシック・ワールド』の144.1%という異常な好成績を記録。ちなみにこの3年間で興収90億円を超えた外国映画は『ジュラシック・ワールド』のほか、2015年12月公開の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(最終興収116.3億円)と2017年4月公開の『美女と野獣』(最終興収124億円)の2作品のみ。前者の公開初週土日2日間の興収は12億4502万円、後者は10億6536万円なので、現段階での数字だけで精査するなら、今回の『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が前作『ジュラシック・ワールド』を超えて興収100億円に達する可能性がかなり高いことがわかる。そして、それはつまり2018年の興収年間ナンバーワン作品をほぼ手中に収めることを意味する。

 公開初週で年間ベスト1最有力候補に躍り出た『ジュラシック・ワールド/炎の王国』だが、果たして本当に敵はいないのか? 現状で直接のライバルとなるのは今年4月に公開、公開14週目にして先週末の動員ランキングでもまだ8位にランクインしている『名探偵コナン ゼロの執行人』だろう。先週末時点での累計興収は85億8000万円。最終興収では90億円に届く情勢だが、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』がその90億円を下回ることはまずないと予想しておこう。

 サマーシーズンのライバル作品として筆頭に挙げられるのは、日本映画では細田守監督作品『未来のミライ』、外国映画ではクリストファー・マッカリー監督作品『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の2作品。興味深いことに、『ジュラシック・ワールド』が公開された3年前のサマーシーズンにも(公開タイミングは前後するものの)、細田守監督の前作『バケモノの子』と『ミッション:インポッシブル』シリーズの前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』が公開されていた。『バケモノの子』の最終興収は58.5億円、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』の最終興収は51.4億円。『未来のミライ』と『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』、両作品とも試写で実際に作品を観た上で予想をさせてもらうなら、今夏の作品でどんなに化けたとしてもそれぞれ前作から倍増近くの興収となる100億円を突破することはないだろう。特にシリーズ最高作という前評判も高い『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』には大きな期待が寄せられているが、3年前の夏も、子連れ客も多い『ジュラシック・ワールド』シリーズとは微妙に客層が異なっていて、互いの作品を食い合わないことが証明されている。

 というわけで、「『ジュラシック・ワールド/炎の王国』年間ナンバーワンに死角なし」と結論づけたいところだが、一つだけあまり耳当たりの良くない指摘もしておこう。今回の『ジュラシック・ワールド/炎の王国』、日本以外の主要各国では6月末に公開されているのだが、今のところ世界的には前作『ジュラシック・ワールド』を下回る成績となっている。特にアメリカ国内では批評的にも賛否が割れている状態で、前作のような一大ムーブメントには至っていない。もっとも、日本での『ジュラシック・ワールド/炎の王国』のスタートダッシュには、そんなネガティブな要素を吹き飛ばすほどのインパクトがある。この先、日本での数字が世界興収にのっかっていくことで、世界歴代興収5位の前作にどれだけ近づくことができるか? アメリカのユニバーサル・ピクチャーズも、今作の日本での爆発的ヒットに大いに注目しているに違いない。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」「MUSICA」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」「文春オンライン」「Yahoo!」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)。Twitter

■公開情報
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』
全国公開中
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、コリン・トレボロウ
製作:フランク・マーシャル、パトリック・クローリー、ベレン・アティエンサ
キャラクター原案:マイケル・クライトン
脚本:デレク・コノリー、コリン・トレボロウ
監督:J・A・バヨナ
キャスト:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、B・D・ウォン、ジェームズ・クロムウェル、テッド・レヴィン、ジャスティス・スミス、ジェラルディン・チャップリン、ダニエラ・ピネダ、トビー・ジョーンズ、レイフ・スポール、ジェフ・ゴールドブラム
(c)Universal Pictures
公式サイト:http://www.jurassicworld.jp/

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