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[2020年私的演劇ベスト]収穫は栗山民也の抜群の演出、そしてコロナ禍の緊張感高まる中での上演で感じた舞台人の心意気

ぴあ

20/12/31(木) 0:00

2020年間ベストから、こまつ座『私はだれでしょう』、『令和2年11月歌舞伎公演』、『ピサロ』チラシ

文:大島幸久(演劇ジャーナリスト)
( ぴあアプリ「このお芝居がよかった! 大島幸久のmyマンスリー・ベスト」から転載)

12月に観たお芝居myベスト5

① 演劇集団 円『光射ス森』 シアターX(カイ)(12/19)
②劇団昴『アルジャーノンに花束を』東京芸術劇場 シアターウエスト (12/18)
③ メメントC+『太平洋食堂を上演する会』『太平洋食堂』座・高円寺1(12/3)
④ 劇団民藝+こまつ座『ある八重子物語』 東京芸術劇場 シアターイースト(12/18)
⑤ シス・カンパニー『23階の笑い』 世田谷パブリックシアター(12/9)

*日付は観劇日。12/1〜24までに観た20公演から選出。

演劇集団 円『光射ス森』より

内藤裕子の作・演出『光射ス森』は山、木々と共生する林業の一家を描き、日本の林業政策への不満、家業の誇りが巧みに浮き出て秀作だった。今月は再演に収穫があった中、『アルジャーノンに花束を』はさすがに劇団の財産演目であり、きめ細かい演出、的確な配役によって練り上げられた舞台になった。『太平洋食堂』も大逆事件に連座したとされた人々、また、主役・大星誠之助を演じた間宮啓行の愉快な人物造形によって権力の恐ろしさを問う群像劇になった。

劇団昴『アルジャーノンに花束を』より 撮影:梅原渉
メメントC+『太平洋食堂を上演する会』『太平洋食堂』より 撮影:萩原美寛

★この人に注目!★

『チョコレートドーナツ』チラシ

少年隊でデビューして35年、今54歳。『チョコレートドーナツ』が8年ぶりの舞台主演だった東山紀之は敢闘賞に値する。関係者のコロナ感染で初日が大幅に遅れたがゲイのダンサー、ルディをほぼ女装して演じた。3回のダンスシーンの中でも最初の登場が衝撃的。長身のスラリとした長い足、機敏な踊りに驚く。次々と替えた衣装。黒一色のロングドレスは差別に激怒する力強さに合っていた。ただし、裁判場面での背広はやっぱり似合わない。そして歌。ラストのソロ「アイ・シャル・ビー・リリースト」が胸に染みた。(12/21観劇)

2020年に観たお芝居myベスト

① こまつ座『私はだれでしょう』 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(10月)
②『令和2年11月歌舞伎公演』より『平家女護島-俊寛-』 国立劇場 大劇場 (11月)
③『ピサロ』 PARCO劇場(パルコ劇場)(3月)
④『女の一生』 新橋演舞場(11月)
⑤『殺意 ストリップショウ』シアタートラム(7月)

*2020年1〜12月までに観た162公演から選出。

1位。栗山民也の演出が抜群。平埜生成、朝海ひかる、大鷹明良の個性を生かし、自分探しの娯楽劇になった(10/19所見)

2位。円熟の極みだった中村吉右衛門の俊寛。孤島にひとり残された老いの孤独は底知れない。名演とはこれだ。(11/20所見)

3位。コロナ禍で公演中止直前という緊張感の中、銅鑼を叩いて開幕した。負けてたまるかと、渡辺謙はスケールの大きい演技を披露した。舞台人の心意気だった。(3/21所見)

4位。主演の大竹しのぶが杉村春子の代表作に果敢に挑んだ勇気を買う。一筋縄ではいかない女を演じれば天下逸品。(11/4所見)

5位。鈴木杏の一人芝居。栗山民也の演出に応え、怒り、哀しみを全身で演じた。(7/14所見)

個人賞は3月『ピサロ』の渡辺謙が主演男優賞。女優では1月『メアリ・スチュアート』のシルビア・グラブが助演女優賞。

こまつ座『私はだれでしょう』より 撮影:宮川舞子

プロフィール

大島幸久(おおしま・ゆきひさ)

東京都生まれ。団塊の世代。演劇ジャーナリスト。スポーツ報知で演劇を長く取材。現代演劇、新劇、宝塚歌劇、ミュージカル、歌舞伎、日本舞踊。何でも見ます。著書には「名優の食卓」(演劇出版社)など。鶴屋南北戯曲賞、芸術祭などの選考委員を歴任。「毎日が劇場通い」という。

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