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浜崎あゆみ、初の無観客配信ライブで発信したメッセージ 視聴者に希望与えたエンターテイナーとしての力強い姿

リアルサウンド

20/7/27(月) 16:00

 浜崎あゆみが7月25日、初の無観客配信ライブ『ayumi hamasaki PREMIUM LIMITED LIVE A~夏ノトラブル~』を行なった。約1時間半のステージでは、1999年のヒットソングから、初披露の新曲「オヒアの木」まで全18曲を披露。時には天使のように愛らしく。時には挑発的な表情でセクシーに。時にはステージを率いる女王としてかっこよく。楽曲によって変化する彼女のパフォーマンスは、どの場面を切り取っても1ミリの隙もなく、まさにエンターテインメントの最前線に生きるプロフェッショナルそのものであった。

 この日の幕開けは、壮大なバラード曲「Mad World」。空には雷鳴が光り、不気味な木々が立ち並ぶ混沌としたステージの演出は、まるで壊れたこの世界を表しているかのようだ。その中心に立つ真っ白なドレスに身を包んだ浜崎は、〈教えてよねぇ〉と何度も訴えかけるように繰り返し、1曲目から観客たちの心を一気に引き込んでゆく。

浜崎あゆみ

 続いてロングワンピースに着替え、ツインテールのストレートヘアをなびかせながら「WHATEVER」「And Then」を力強い歌声で披露。バックダンサーの一糸乱れぬ迫力満点のパフォーマンスからも目が離せない。アップテンポなダンスナンバー「Last angel」では、伸びやかでパワフルな美声を惜しげもなく披露し、歌姫・浜崎あゆみの真骨頂を見せつけた。切ないメロディの「monochrome」を感情たっぷりに歌い上げると、しっとりとした空気をそのままに「æternal」へ。ダンサーの一人と背中合わせになり、指を絡めて繋いだり、切ない表情を浮かべて離れたりと、歌詞に合わせたドラマチックなパフォーマンスを見せる。曲が終わる寸前に一瞬だけ振り返った浜崎の表情は、まるで絵画のように美しく見えた。

 後半戦は、ミリタリーテイストのジャケットにゴールドのワンピースというゴージャスかつキュートな出で立ちで登場し、ゲストボーカルのmiccieと共に「End roll」を熱唱。「talkin’ 2 myself」で再び登場したダンサーたちがハードで力強いダンスを繰り広げると、ステージのボルテージはどんどんと上昇していく。続く「Survivor」ではカメラを指さし、〈君と僕は生き抜こう〉とワイルドに歌う浜崎。それは“この時代を私と一緒に生き抜こうよ!”という力強いメッセージにも感じ取れた。

 ラストスパートへ向かう「Startin’」で、盛り上がりは最高潮へ。ダンサーたちと肩を組み笑い合う場面では、このステージを共に作り上げた彼らの強い絆が感じられた。スポットライトが浜崎一人を照らし出し、「Love song」の冒頭のアカペラを思い切り歌い上げると、配信画面のコメント欄は歓喜するファンからのメッセージで溢れかえる。叫ぶようにして歌った〈歌のない人生なんて そんなの見当もつかない〉という悲痛な言葉は、彼女が今感じている歯がゆさだったのかもしれない。様々な想いやメッセージを存分に伝えた本編のラストを飾ったのは「NOW & 4EVA」。エンディングでは、まるで観客たちがそこにいるかのように、上手、下手、センターへと深々と頭を下げた。

 アンコールは、夏らしい爽やかな「BLUE BIRD」からスタート。眩いライトに照らされながら声高らかに歌い上げる浜崎の笑顔はキラキラと輝いて見えた。ファン人気No.1の「MY ALL」ではダンサーと共に踊り、温かくハッピーな雰囲気がステージを包み込む。「また近い未来、ステージで皆さんと過ごせることを楽しみにしています! その日までみんな健康で、元気で、笑顔でいてください!」と今の気持ちを精一杯の言葉で伝えた浜崎は、その後口元を押さえて涙を堪える場面もあった。

 アンコールの最後は、この日初披露の新曲「オヒアの木」。ここまでハードなステージングを繰り広げてきたにもかかわらず、疲れを微塵も感じさせない瑞々しい美声でたっぷりと歌い上げる。穏やかな表情を浮かべながら、愛しい人へ優しく語り掛けるように歌う姿は、画面越しにも多くの人たちへと感動を届けたに違いない。これで幕を閉じるかと思いきや、間髪入れずに「The Show Must Go On」がスタート。再びパワフルな歌声を会場に響かせ、渾身のパフォーマンスを見せる。初のオンラインライブではあったものの、無観客とは思えないほどの盛り上がりを見せたステージは、“ずっと変わらないものがここにはある”というメッセージをまさに体現していた。

 ウイルスの襲来により、予測不可能な事態に翻弄されるエンターテインメント業界だが、浜崎あゆみという最高峰のエンターテイナーがいる限り、希望の光が消えることはないだろう。そう確信する最高のライブであった。

■南 明歩
ヴィジュアル系を聴いて育った平成生まれのライター。埼玉県出身。

■セットリスト
『ayumi hamasaki PREMIUM LIMITED LIVE A ~夏ノトラブル~』
01. Mad World
02. WHATEVER
03. And Then
04. Last angel
05. Jump!
06. GET IN GEAR!
07. monochrome
08. æternal
09. End roll
10. talkin’ 2 myself
11. Survivor
12. Startin’
13. Love song
14. NOW & 4EVA
15. BLUE BIRD
16. MY ALL
17. オヒアの木
18. The Show Must Go On

■配信情報
テレビ&ビデオエンターテインメント「ABEMA(アベマ)」の PPVで2020年7月25日(土)19時より独占配信
2020年8月1日(土)24時まで「ABEMA」で見逃し配信

浜崎あゆみ 公式サイト

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