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『黄昏流星群』石川恋が駆け落ちする衝撃のラスト 藤井流星とは対照的な人物像に

リアルサウンド

18/11/23(金) 6:00

 美咲(石川恋)が大学教授の戸浪恭介(高田純次)と駆け落ちする衝撃のラストとなった『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』(フジテレビ系)第7話。完治(佐々木蔵之介)が立ち上げた事業は成功し、居場所のなかった会社で仲間を作ることができた。そんな中、影で支えていた栞(黒木瞳)は、突然行方をくらます。完治が栞とお弁当を食べているところを偶然見てしまった真璃子(中山美穂)はショックで気を落としていたが、春輝(藤井流星)との遊園地デートで気持ちを立て直すのであった。

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 栞にも体調の異変や心情の変化がある一方、完治もまた仕事の環境が一変し、美咲の結納があるなどバタバタとした日々が続く。2人が唯一心を通わせたのは、月を見てお弁当を食べた夜であった。しかしその夜は瀧沢家に暗い影を落とす。その2人の様子を見た真璃子は、辛さのあまり一度拒絶したはずの春輝からの電話に出てしまう。春輝はそんな弱々しい状態の真璃子を誘い出す。

 完治が栞との恋愛で学生に戻ったような甘い時間を過ごしたように、真璃子もまた春輝と共に童心に帰って素直な気持ちでデートを楽しむ。しかし真璃子は家族を捨てきれない想いがあった。完治や美咲のことを考え、未だに春輝との関係を進展させることはない。瀧沢家を守っているのは最早、真璃子だけ。真璃子が1人で家族全ての行動の尻拭いをし、気持ちの受け皿になり、犠牲を払って生きていたのだ。しかし努力虚しく、完治は栞に夢中で家族のことを省みない。挙句に、いつまでも別れない完治の姿を見て、美咲は、駆け落ちしてロンドンへと行ってしまった。

 育ちのいい春輝だからこそ、自分を犠牲にしてまで家族に尽くしてしまう真璃子が好きだというのが頷ける。なぜなら春輝の育った家庭は、そういった価値観が横行する家庭だったように見受けられるからだ。ガンが進行し、体調が優れない母の代わりを探すかのように、献身的な女性を探す春輝はまさにマザコンというに相応しい姿だろう。爽やかで相手をリスペクトする気持ちのある春輝と、尽くしすぎてしまいがちな真璃子は、年は離れているものの相性は良いように思う。そんな春輝の婚約者である美咲は、献身的どころか自己中心的で自分の進みたい道を自分で切り拓くタイプの女性。美咲は完治にそっくりで、春輝とは対照的にファザコンであるように感じる。2つの家庭の家庭環境までもが描き出される本作は、恋愛観や結婚に対する意識が家庭に由来することを意識せずには観られない作品だ。美咲と真璃子が衝突するシーンでは、親にも関わらず真璃子の方が先に折れる。美咲の物言いは、どことなく夫サイドの言い分にも聞いて取れ、完治が不在の家庭で美咲がどう育ってきたのかがわかった。

 不倫に対する躊躇いのなさに、観ていて心がザワザワとすることもあるが、改めて家族が「家族」という形を崩さないことの意味を考えさせられる。結納まで済ませたにも関わらず出ていった美咲は、今後どう振る舞うのか。それに伴い、必然的に真璃子と春輝の行方も定まるだろう。さらに、周りが一つ一つ決着をつけていく中で完治がどのような行動に出るのかも注目したい。

(Nana Numoto)

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