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私立恵比寿中学、EMPiRE、Maison book girl、まねきケチャ……刺激的な進化を続けるアイドルグループの最新作

リアルサウンド

19/12/17(火) 7:00

 10周年のアニバーサリーイヤーを迎えた私立恵比寿中学のニューアルバム、アイドルシーン、ロックシーンを自在に行き来しながら躍進を続けるEMPiREの2ndアルバムなど4作品をセレクト。独自のスタイル、音楽性を貫き、刺激的な進化を続けるアイドルグループの最新作を体感してほしい。

(関連:私立恵比寿中学 『ジャンプ』MV

●私立恵比寿中学
 カッティングエッジなクリエイターがアイドルに楽曲提供するという構図は80年代から存在するが、私立恵比寿中学『playlist』は一つの理想形ではないだろうか。結成10周年を彩る本作には、川谷絵音が作詞・作曲・編曲を担当したシングル表題曲「トレンディガール」をはじめ、気鋭のアーティストが数多く参加。ビッケブランカのペンによる最先端のエレクトロポップ「ちがうの」、ポルカドットスティングレイの雫(Vo&Gt)が手がけたスピーディー&エッジーなギターポップ「SHAKE!SHAKE!」、そして、ワウギターを効かせたメロウなミディアムチューン「愛のレンタル」は、マカロニえんぴつのはっとり(Vo&Gt)の作詞・作曲。冒頭の3曲を聴くだけで、このグループの音楽の幅が飛躍的に広がっているのを実感してもらえるはず。メンバー自身が作詞した「HISTORY」も必聴。10年間の思い出、様々な感情をリアルに描きながら、“見つけてくれてありがとう”という思いをストレートに放つアニバーサリーソングだ。

●EMPiRE
 2019年3月のオーディション合宿でNOW EMPiREが加入し、新体制に移行したEMPiRE。現在開催中の全国ツアー『EMPiRE‘S GREAT ESCAPE TOUR』(ファイナルは12月19日のZepp DiverCity)の最中にリリースされる2ndフルアルバム『the GREAT JOURNEY ALBUM』は、まだ見ぬ光景を求めて突き進む彼女たちの姿を生々しく反映させた作品となった。メンバーが作詞した「Have it my way」の〈未知の未来には 何があるの?/わからない、それでいい、切りひらくから〉というラインもそうだが、アルバム全体を通し、自分たちのスタイルや生き方、進む方向は自分たちで決めるという意思に溢れているのだ。このブレないスタンス、そして、彼女たち(と松隈ケンタ)が作り出す強い物語性こそがEMPiREが強い支持されている理由なのだと改めて実感させられた。凛とした緊張感、圧倒的な解放感を併せ持ったメロディ、高揚感を煽りまくるサウンドメイク、リアルな意志をぶつけるボーカルもさらに精度を高めている。

●Maison book girl
 2019年にリリースされた2作のシングル『SOUP』『umbla』の収録曲(「鯨工場」「長い夜が明けて」「闇色の朝」「シルエット」)を含むニューアルバム『海と宇宙の子供たち』。前作『yume』までは、Maison book girlの全楽曲を手がけているサクライケンタの鋭利なセンス(変拍子、ポリリズム、前衛的なコード構成、トリッキーなメロディ/ハーモニーなど)が押し出され、それが音楽ファンの興味を集めていたわけだが、本作はメンバーのボーカルに焦点を当てた“歌モノ”としての魅力に溢れた作品となった。「海辺にて」をはじめ、トラックの音数を抑え、4人の歌声とハーモニーを中心に据えたアレンジは、海外の音楽シーンとも重なり、より洗練されたイメージを醸し出している。ブクガのモードをチェンジを告げる、大きな分岐点となるアルバムだと思う。

●まねきケチャ
 2019年1月に2年連続で東京ドームシティホール公演を成功させるなど、アイドルシーンにおける存在感を確実に増しているまねきケチャの2nアルバム『あるわけないの』。前作『きみわずらい』(2018年4月)と同じく、作詞はプロデューサーの古谷完が担当、作曲・編曲は藤永龍太郎をはじめとするElements Garden(水樹奈々の作品など、アニメ関連の楽曲を中心にした音楽クリエイターチーム)所属の作家陣が手がけ、的確なクオリティコントロールがなされている。ラブソングを中心とした収録曲は、切なさ、健気さ、可愛らしさをたっぷり含んだ女の子の恋心を描くことで、リスナーがどっぷりと疑似恋愛に没入できる状況を作り出している。ノスタルジックな叙情性を感じさせる「相思い」、エモーショナルなロックナンバー「愛と狂気とカタルシス」、カラフルに飛び散るアッパー系の夏ソング「SPLASH」など、バラエティに富んだサウンドも楽しい。(森朋之)

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