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「唐人街探偵」プロデューサーが舞台裏語る、妻夫木聡や長澤まさみの起用経緯も

ナタリー

「唐人街探案3」ポスタービジュアル

中国映画「唐人街探案3」、邦題「唐人街探偵 東京MISSION」の日本プロデューサー・古澤佳寛のインタビューコメントが到着した。

旧正月初日にあたる2月12日に中国で公開された本作は、チェン・スーチェンが監督と脚本を担当する「僕はチャイナタウンの名探偵」シリーズの3作目。東京を舞台にワン・バオチャン演じるタン・レンとリウ・ハオラン演じるチン・フォンの探偵コンビが、事件を解決していくさまが描かれる。日本からは妻夫木聡、長澤まさみ、染谷将太、鈴木保奈美、浅野忠信、三浦友和、六平直政らが参加。5月19日現在、興行収入は45億2323万元、日本円で約770億円に達し、中国の歴代興行収入5位にランクインしている。

2000年に東宝へ入社し、アニメブランドTOHO animationを立ち上げた古澤。「君の名は。」をはじめとした数多くの作品の製作を担当し、2017年には東宝在籍のままクリエイターに寄り添った場所を作りたいとの思いから川村元気とともに企画製作会社STORYを設立した。

本作に携わることになった経緯を古澤は「日本国内の撮影をコーディネートするプロダクションを中国のプロデューサーが探していて、STORYの評判を聞き付けて連絡が来たんです」と回想し、「撮影のスケールを聞いて、本当にこれやるのかな?というのが第一印象でした」と率直に述べる。日本の名だたるキャストが集結したことについては「人気シリーズですし、舞台が東京ですから、日本を代表する役者さんに参加してもらいたいという両国スタッフの共通認識があったんです」と述懐。「撮影間近でのオファーでしたが、この作品がどういうものを目指しているか、演じてもらう役柄がいかに作品の中で重要なのか、それぞれのキャストに丁寧にお話ししていきました。皆さんやるからにはしっかりやりたいという一流の方。タイトなスケジュールの中であれだけの方に集まっていただけたのは、よかったと思っています」と言及した。

ジョン・ウーが監督した「The Crossing -ザ・クロッシング-」シリーズや、台湾ドラマ「ショコラ」に出演するなど中華圏でも高い人気を誇る長澤。彼女の参加が中国で解禁された際には大きな話題となった。古澤は「長澤さんは本当に忙しくて、そのときすでに3本の映画に出演することが決まっていました。長澤さんサイドとしてもオファーがあまりにも急すぎて『本当にやるの?』という部分もあったと思います。ただ、彼女に出演してほしいと監督は熱望していました。その熱意を長澤さん本人にもお伝えして、オファーを受けていただきました」と思い返した。

「唐人街探偵 東京MISSION」は栃木・足利に渋谷の街を再現した巨大オープンセットが制作されるきっかけとなった作品。古澤は「中国側のスタッフはスクランブル交差点を封鎖して、そこでお金を撒きたいと言っていた。当然、ゲリラ撮影は不可能(笑)。それなら作るしかないということになったんです」と振り返り、「セットを作るだけで映画1本撮れてしまう予算規模。ここにそこまでお金を掛けるんだというのは、僕らにとって衝撃でした」と驚きを伝える。

中国スタッフ、日本スタッフの間で文化的な衝突もあったと明かす古澤は「秋葉原での撮影では、中国側から道をふさいでほしいと言われました。丁寧に警察に交渉しましたが2車線ふさぐのが限界。しかも大きな時間の制約がありました。 中国チームは『ちょっとぐらいオーバーしてもいいよね』という認識ですが、日本側としては『絶対ダメです!』と厳しく言わなければならない。ルールを守ってもらいながら、ギリギリのところを攻めていった撮影でした」と述べ、「現場ではずっと喧嘩していたイメージです。『なんでお前はわかってくれないんだ?』って何度中国側のプロデューサーに言われたか覚えていないです」と笑った。

「唐人街探偵 東京MISSION」は、7月9日に公開される。

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