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香取慎吾が語る、一度離れて実感した音楽への愛着と『20200101』「僕が好きなものしか詰まってない」

リアルサウンド

19/12/28(土) 10:00

 香取慎吾が、2020年1月1日にソロとして初のフルアルバム『20200101(ニワニワワイワイ)』をリリースする。12月26日より 全国のCDショップ店頭で販売が開始され、12月26付オリコン ・デイリーアルバムランキング初登場1位を獲得。これは2020年代に発売されるアルバムとしては初のデイリーランキング1位獲得作品となる。

 同作には、先行配信された「10%」「Trap」「Prologue (feat. TeddyLoid & たなか)」「FUTURE WORLD (feat.BiSH)」のほか、氣志團、KREVA、SALU、スチャダラパー、SONPUB&向井太一、WONK、yahyelらアーティストと共作したバラエティ豊かな全12曲が収録。また、「初回限定・GOLD BANG!」には、小西康陽による「10%(小西康陽remix)」が限定収録され、「初回限定・観るBANG!」付属のDVDには入手しないと観ることのできない「FUTURE WORLD (feat.BiSH)」と「Trap」のMVが収録されている。

 2017年にジャニーズ事務所を退所し、稲垣吾郎、草なぎ剛と共に新しい地図として再スタートを切った香取。一時期はまったく音楽が聴けなかった時期もあったというが、新しい地図での活動を経て徐々に音楽への愛情が再び湧き上がり、2020年の始まりに相応しい“みんなで楽しめる”ポップなフルアルバムを完成させた。

 そもそも、香取慎吾というアーティストは、どのような音楽に惹かれ、30年以上に渡って歌手活動を続けてきたのだろうか。リアルサウンドでは、香取の歌手・クリエイターとしての一面を掘り下げるべく、インタビューを前編・後編に分けて掲載。前編では、香取自身の音楽のルーツから『20200101』参加アーティストとの関係性やコラボした背景など、アルバム制作に至る迄の道のりを聞いた。(編集部)

音楽は、自分の中ですごく大事なもの

香取慎吾

ーー香取慎吾名義では初となるアルバム『20200101』が完成しました。まずは、せっかくの機会なので、香取さんの音楽的なルーツから、話を聞かせてもらってもいいですか?

香取:音楽的なルーツと言うと、やっぱりマイケル・ジャクソンですね。マイケルの存在が、とにかく大きくて……。あとはけっこう、聴いてきた音楽のジャンルは広いです。それこそ今回のアルバムも、あるジャンルに特化したものを作ろうと思って作ったわけじゃなく、好きでカッコいいなって思う人たちで、僕と一緒にやってくれる方々を集めたら、こういう感じになったというか。ジャンル的には、広い感じのものになっていますよね?

ーーそうですね。つまり、特定のアーティストやジャンルにあまり縛られることなく音楽を聴いてきたと。ただ、今回のアルバムを聴いても思いましたが、“リズム”とか“ビート”というものは、香取さんの中で、かなり大事なものなのかなって。

香取:あ、それは、もうすごく大事ですね。だから、ジャンルとかアーティストとかっていうより、まずは音に反応しているのかもしれないです。もともと音楽を好きになったきっかけ、音楽に接するようになった始まりが、踊るための音楽だったので。

ーーなるほど。知識や情報よりもまず、身体が反応する音楽に惹かれていった?

香取:そうですね。それは今回のアルバムの制作中にも、みんなから言われました。「何か気持ち悪い」とか「あそこが気持ちいい」とか「あの歌詞と音のハマりが気になる」みたいなことを僕が言うと、特に若いアーティストの子たちが「それって、音楽的に言うとこういうことですかね?」って言ってくれるんですね。でも、僕はそういう音楽用語みたいなものはわからないから、「えっ、それはどういうことなの?」って聞くんですけど、そしたら「いや、知識ではなく、感覚でそれがわかるのはすごいです」みたいなことを、彼らが言ってくれたりするんですけど、「いやいや、すごいとかじゃなくて、本当に気持ち悪いだけなんだよ」って(笑)。だから、僕の場合はホント、感覚なんですよね。

ーーところで香取さんは、SMAPの一員として、長らく音楽活動をされてきましたが、ご自身のソロアルバムについては以前から考えていたのでしょうか?

香取:ええと……ジワジワとそういう気持ちになってきたというか、今から3年くらい前に、新しい道を歩み始めようと、稲垣(吾郎)さんと草彅(剛)さんと「新しい地図」を始めてみて、「雨あがりのステップ」のような3人で歌う曲ができたり、ファンミーティングで歌ったり……いや、ファンミーティングの前から、そういう気持ちはあったかな? とにかく、そのあたりからジワジワと、自分の中で「もっと歌を歌いたいな」っていう気持ちが出てきたんですよね。踊りを踊るのも好きだし、「やっぱり、音楽、好きだな」っていう気持ちが、改めて自分の中で呼び起こされてきたというか。「やってみたいな」っていう。そういう感じでした。

ーーそう、一時期は、まったく音楽が聴けなかった頃もあったという話も聞きましたが……。

香取:そうですね。音楽は、自分の中ですごく大事なもの、いろんな気持ちに自分の感情を動かしてくれるものなんですよね。それこそ、泣きたいときに泣ける曲を聴いたりする方もいるじゃないですか。そういう感じで、いろいろと自分の心を揺さぶってくれるものなんだけど、音楽を聴くこと自体をちょっと忘れるような時期もあったりして。ドッと疲れを感じたときに、音楽を聴いていないせいかと思って音楽を聴いてみたりもしたんですけど、「いやいや、そんな気分じゃないよな」って、やっぱり聴くのをやめたりとか。そういう時期もあったんですけど、そこからジワジワと「やっぱり、音楽、好きだなあ」って思うようになっていきました。

ーーなるほど。

香取:ただ、僕がそう思っても、自分ひとりの力だけではできないというか、最初のうちは、あまり想像がつかなかったんですよね。まず、ひとりで音楽をやるというのが、想像つかない……いや、想像つかないはウソですね(笑)。それこそ“慎吾ママ”だったり“忍者ハットリくん”だったり、「こち亀」(こちら葛飾区亀有公園前派出所)の“両さん”(主人公・両津勘吉)だったり、香取慎吾じゃない名前でCDを出したりはしていたので。

 でも、一枚のアルバムをひとりで作るってなったときに、それはやったことがなかった。そう、いざ歌いたいと思っても、もともと楽曲を提供していただいて何十年もやってきたから、ひとりでイチから作るっていうことを、これまでやってきてないんですよね。なので、まずはタッグを組んでくれる人を探そうと。そこからいろいろと声を掛けさせていただいて、それに応えてくれた人たちが、今回集まってくれた感じです。

全部丸投げにするのは、昔から好きじゃなかった

ーーそう、結果的に今回のアルバム『20200101』は、楽曲ごとに、実にさまざまなアーティストをフィーチャーしたものになっていて……この人選というのは、旧知の間柄の人だけではなく、最近の活動の中で知り合った人も多いのでしょうか?

香取:多いですね。BiSHとかはホントに、「ななにー」っていうAbemaTVで僕らがやっている番組(『7.2 新しい別の窓』)のゲストにきてくれたときに、その場でお願いした流れだったりするので。そう、もともと僕がBiSHの音楽を聴いて好きになり、ラジオで曲を流させてもらって、番組にもきてくれないかなって言ったら、きてくれて。

 その頃には、今回のアルバム制作が始まっていたので、その場にいらっしゃったBiSHのプロデューサーや曲を作っているみなさんに、「今、こんなふうにやろうとしているんですけど、よろしければ一緒に一曲やってくれませんか?」っていうお話をして。だから今回のアルバムは、ホントに僕が好きな音楽……もちろん、今まで歌ってきた曲も好きだけど、個人的に好きという思いだけでは、やっぱりグループは回らないじゃないですか。そういう意味では、初めて自分が好きな音楽を、自分が好きなアーティストの方々と一緒に作ることができました。

ーー今回の楽曲制作の際には、一曲一曲、それぞれのアーティストとかなり密なコミュニケーションをとったとか?

香取:そうなんです。実際の楽曲制作に入る前に、直接みなさんと会って、曲調とか歌詞とかテーマについて、いろいろお話ししたいということで、スケジュールを作ってもらったんですよね。だからホント、一曲一曲に対して、みなさんとガッツリ話し合いながら作ることができたんです。もともと、こうやって何かものを作ったりするときに、音楽とか映像とかもそうだけど、全部丸投げにするみたいな感じでお任せするのは、昔から好きじゃなくて……だから、いつも直接会いに行くんです。どこかで作業しているって聞いたら、すぐにその現場に行って。そこで一瞬会えるだけでも、伝わることが全然違うと思うんですよね。

ーーそれにしても、本作に参加しているアーティストの方々は、ジャンル的にも世代的にも、実に幅広いものになっていて。ちなみに、いちばん最初に声を掛けたのでは、どなただったんですか?

香取:ええと……みなさん、大体同時期ぐらいですけど、面白かったのはSALUくんかな。向井太一くんの音楽がいいなと思って、MVをいろいろ観ていたら、向井くんの「空」という曲に、SALUくんがフィーチャリングされていたんですね。SALUくんには昔、「SKINAIRO」(SMAP 21stアルバム『Mr.S』収録)っていう僕のソロ曲の歌詞を作ってもらったことがあったから、「あ、SALUくんだ」と思って。それからSALUくんの新しい曲を聴いてみたら、やっぱりすごくいいなと思って、お願いしたんです。

ーーSALUさんがフィーチャリングされた「OKAY」という曲の歌詞の中には、〈「ほら好きな色に世界染めてやろうよ」〉など、かつてのソロ曲を彷彿とさせる一節も出てきますよね。

香取:あれは、まさにレコーディングしている最中に考えたんですよ。最初は違う歌詞だったんですけど、あまりしっくりこなくて。で、SALUくんといろいろ考えたり話し合ったりしながら、最終的にあのフレーズがいいんじゃないかって言って。そう、今回のアルバム制作は、それぞれのアーティストと、レコーディングも全部一緒にやらせてもらったんです。それこそ、ブースに僕が入って、向こう側にはそのアーティストの方がいてっていう。レコーディングが始まるギリギリまで、歌詞のことを詰めたりして。最後の最後まで、この歌詞のここがちょっと違うと思うけど、何かいい言葉はないかなとか、歌ってみたあとに、やっぱり違うんじゃないかって、もう一度別の言葉で録ってみたり。かなり密にやらせてもらいましたね。だから、今回のアルバムには、僕が好きなものしか詰まってないんです。いらない歌詞、いらない音が、ひとつも入っていないというか。

ーーたとえば、歌詞についてはどんなお話を制作中にしたんですか?

香取:自分では、ちょっと違うなあって思った歌詞も、フィーチャリングアーティストの方が、「いや、これはこういう理由で絶対入れたい」っていう希望があったら、そこでまたいろいろ話し合って、最終的に僕が納得したら、そのまま入れるパターンもありました。そう、yahyelと一緒にやった「Neo」という曲は、全部英語の歌詞なんですけど、そのサビの部分に〈Sometimes I feel like a TV star〉っていうフレーズがあるんですね。で、僕は最初、その部分はちょっと外したいって言っていて……というのは、僕、テレビスターなので(笑)。多分彼らは、洋楽とかによくある歌詞の言い回しのひとつとして、その言葉を書いてくれたんだろうけど、僕はテレビスターだから、自分で「テレビスターのようだぜ」って歌うのは、ちょっとどうだろうっていう(笑)。でも、そこは彼らが最後まで折れなかったというか、「だからこそ、今の香取さんに歌って欲しいんです!」って言ってきて。そこはホント、ギリギリまで話しましたね。

後編に続く

(取材・文=麦倉正樹)

■リリース情報
『20200101』
発売日:2020年1月1日(水)
<収録曲>
01.Prologue(feat.TeddyLoid&たなか)
02.Trap
03.Metropolis(feat.WONK)
04.welp(feat.須田景凪)
05.I’m so tired(feat.氣志團)
06.ビジネスはパーフェクト(feat.スチャダラパー)
07.Neo(feat.yahyel)
08.嫌気がさすほど愛してる(feat.KREVA)
09.OKAY(feat.SALU)
10.10%
11.Now & Forever(feat.SONPUB&向井太一)
12.FUTURE WORLD(feat.BiSH)
【初回限定・観るBANG! (CD+DVD)】
価格:4,040(+税)
(DVD)「Trap」Music Movie / 「FUTURE WORLD(feat.BiSH)」Music Movie
【初回限定・GOLD BANG!(CD)】
価格:4,040(+税)
(CD)初回限定・GOLD BANG!のみ13曲目に「10%(小西康陽remix)」収録
豪華56Pビジュアルブック 封入
【通常BANG! (CD)】
価格:3,030(+税)

・各チェーン店別アルバム購入特典:シリコンブレスレット
アルバム予約はこちら

「FUTURE WORLD (feat.BiSH)」
ダウンロード、視聴はこちら

「Prologue(feat.TeddyLoid&たなか)」
ダウンロード、視聴はこちら
「Trap」
ダウンロード、視聴はこちら
「10%」
ダウンロード、視聴はこちら

■ライブ情報
『NAKAMA to(と)MEETING_vol.2』
2020年
<千葉>幕張メッセ 幕張イベントホール
2月26日(水)12:00開場/13:00開演
2月26日(水)7:00開場/18:00開演

<福岡>マリンメッセ福岡
3月7日(土)12:00開場/13:00開演
3月7日(土)17:00開場/18:00開演
3月8日(日)12:00開場/13:00開演

<大阪>丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
3月12日(木)12:00開場/13:00開演
3月12日(木)17:00開場/18:00開演
3月13日(金)12:00開場/13:00開演
3月13日(金)17:00開場/18:00開演

<東京>国立代々木競技場第一体育館
3月21日(土)17:00開場/18:00開演
3月22日(日)12:00開場/13:00開演
3月22日(日)17:00開場/18:00開演

<静岡>静岡エコパアリーナ
3月28日(土)12:00開場/13:00開演
3月28日(土)17:00開場/18:00開演
3月29日(日)12:00開場/13:00開演

<北海道>
真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
4月11日(土)12:00開場/13:00開演
4月11日(土)17:00開場/18:00開演
※開場・開演時間は変更になる可能性あり。

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