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Baby Kiyが音楽で表現する、感情に正直に生きることの大切さ「イケてることをやり続けていたい」

リアルサウンド

19/8/8(木) 7:00

 Instagramで約30万人のフォロワーを持ち、音楽活動をはじめ、モデルやデザイナーなどでマルチに活躍するBaby Kiy。SNSから誕生した次世代のインフルエンサーと言える彼女が、シンガソングライターとしてデジタルEP『Don’t Let Me Go』を8月7日にリリースした。

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 彼女が支持される理由のひとつとして、その“自然体”なライフスタイルが挙げられる。今回のインタビュー中もストレートな言葉で心のままに心境を語り、包み隠すことなく屈託のない笑顔を浮かべる。そんなラフでキュートな要素はもちろん、メランコリックな部分まで詰め込んだのが『Don’t Let Me Go』だ。彼女が生まれてから身近に感じているという“海”と“音楽”の関係性、「年齢を重ねても誰かの憧れでありたい」という歌手としての理想像、そしてBaby Kiyにおける歌手活動の重要性など、彼女の現在地について語ってもらった。(編集部)

■楽しくて、かっこいいと思えることだけをやってきた

――Baby Kiyさんには“ビーチトリップシンガー”というキャッチコピーが添えられていますが、それは海から受け取った様々なものを音楽にフィードバックしているということなんでしょうか?

Baby Kiy:はい、そうですね。楽曲制作の前にはビーチトリップをすることで気持ちを切り替えるのがいつものルーティンになっていて。旅に出ると日常生活とは違った刺激にインスパイアされることが多いので、そこで受け取ったものを歌詞にしたりするんです。ただ、そういう生活は音楽を始める前、小さいときからのライフスタイルでもあるんですよ。元々海が大好きで、大人になってから湘南に住んだり、時間を作ってハワイに行ったりっていう生活をずっと送ってきたから。なので、基本的には昔から大きくは変わらず、っていう感じでもあります(笑)。

――そういった生活の中で、今のBaby Kiyさんの音楽性も自然と固まった感じですか?

Baby Kiy:元々、音楽はジャンルに関係なく幅広く聴いてきた方ではあるんですよ。ジャック・ジョンソンとかコルビー・キャレイみたいなサーフミュージックも大好きだし、ヒップホップや昔のR&Bなんかもよく聴いてたし。そんな中で、アコースティックギターを弾きながら歌うことに憧れがあったから、自分でやる音楽としては自然な流れで今のスタイルになっていったところはあったんじゃないかな。それまではいろんなことをやってきたけど(笑)。

――学生時代はバンドを組んだりもしていたそうですね。

Baby Kiy:中学の頃はバンドでいちおうギターボーカルをやってました。学校の中でロックバンドをやってる人がイケてるみたいな流れがあったから始めたっていう(笑)。ギターも楽器屋さんで買った一番安いやつだったし、全然上手に弾けてなかったし、今思えばよく人前で弾いてたなって思いますよ。その頃は「私は音楽で生きていくぜ」なんて全然思ってなかったから、文化祭で一発ライブをして終わりましたけど。で、高校時代はR&Bのユニットを組んだりもしたけど、それも当時はイケてると思ってたからっていう理由で(笑)。

――常にイケてるかどうかが基準だったと。

Baby Kiy:そう。学生時代は常にイケてるかイケてないかで物事を判断してた(笑)。ただただ楽しくて、かっこいいと思えることだけをやってきた感じでしたね。

――音楽を本格的にやろうと思うようになったのはいつ頃だったんですか?

Baby Kiy:それが実はけっこう遅くって。高校を卒業してからも音楽は常にそばにはあったんだけど、そこだけにフォーカスすることなく、とにかくやりたいことを全部やってみようと思ってたんです。ジュエリーデザインをやったり、お洋服を作ったり、本を出してみたり……自分はすごくラッキーでたくさんのチャンスをいただけたのでいろんなことができていたとは思うんだけど。で、そういう生活を続けていく中でようやく「あ、やっぱり音楽やりたいわ」って思ったんですよね。そこで音楽の基礎を学ぶために専門学校に入ってみたら、作詞・作曲することがすごく楽しくなってきて。どんどんやり始めちゃった感じ。それが21歳くらいの頃だったかな。

――その当時の自作曲はどんな雰囲気だったんですか?

Baby Kiy:今の楽曲に通ずるところはありますね。そのときからハワイとか海にまつわる曲を書いてたし、根本は変わってないと思う。ただ、人生で初めて作った曲が1stミニアルバムのタイトル曲だった「Rainbow」なんだけど、今思うと全然キャッチーな曲じゃないんですよ。当時は売れる売れないとかまったく考えてなかったから。今も自分の書きたいように書くっていう部分はあんまり変わらないところではあるけど、でも活動を続けていく中で「みんなはどういう曲を聴きたいかな?」とか、そういうことを考えながら書くようにはなった気がしますね。そういう変化はありますね。

――現状、ご自身で認識している“Baby Kiyらしさ”ってどんな部分だと思います?

Baby Kiy:音楽シーンの中にはいろんなジャンルのアーティストの方がいて、その中には私と同じように海とか夏とかにフォーカスして活動している人もいっぱいいると思うんです。そんな中で私のことを応援してくれている人たちは、私という人間のバックグラウンドを見た上で音楽も聴いてくれていると思うんです。そこがBaby Kiyらしさなんじゃないかな。

■憧れの歌手像はChara

――音楽のみならず、人となりやライフスタイルまでもが注目される存在だということですよね。それはご自身のライフスタイルを発信しているInstagramに30万人を超えるフォロワーがいることが証明しています。

Baby Kiy:全然ジャンルは違うけど、私はCharaさんみたいになりたいの。若いときももちろんすっごくかわいかったし、大人になって、お母さんになった今も女性としてキラキラしてるから、ライブを観ると「私も女に生まれて良かった!」って思うんですよ。彼女の性格だったり、ライフスタイルだったり、これまでの人生すべてがにじみ出てる楽曲からは、他にはないたったひとつの世界観を感じることもできるし。私もそういう存在になりたいんですよね。私の人生に憧れてもらえたり、ファッションや髪型をマネしてもらえたり、もちろん楽曲をきっかけに興味を持ってもらえるのもうれしいし……そういうアイコンになりたいというか。自分が30歳、40歳になったときにも「あの人ってかっこいいライフスタイルを送ってるよね」って言われる人になっていたいなっていう。

――そういう意味では、今もイケてると思われることが活動の大きなモチベーションになっているのかもしれない。もちろん学生時代とはその重みは全然違うんでしょうけど。

Baby Kiy:そうですね(笑)。うん、私は今もイケてるって思われたいから、イケてることをやり続けているのかも。まあでも、私は緊張しいで意外とシャイだから(笑)、ライブのMCなんかではイケてない感じが出ちゃったりもするんだけど(笑)。そういう部分でもナチュラルにイケてる自分を表現できるようになるのが今の課題かもしれないですね。

■今しか唄えない歌と年齢を重ねても唄いたい歌

――先ほど曲作りに変化があらわれていると話していましたけど、最近はどんなことを思い描きながら曲を生み出すことが多いですか?

Baby Kiy:最近はね、みんなで一緒にライブで楽しめるような楽曲を作ろうって意識することがけっこうありますね。私のファンの子の中には、私以外のライブに行ったことのない人が多いのかなって思うんです。だから、自然に体が動いちゃったり、手拍子したくなるような曲を作ることで、ライブは自由に楽しめばいいんだよっていうことを教えてあげられたらいいなって。あと、私は今年で27歳になるんですけど、20代でしか歌えない楽曲を意識的に作ってるところもあるかな。今回のEPに入ってる「Don’t Let Me Go」でも、〈目が離せないほど夢中にさせてあげる〉とか今しか言えないような言葉を書いてますし。この歌詞を40歳になったら歌えるかなって(笑)。

――その時々にしか書けないことを刻む楽曲がある一方で、レパートリーの中には普遍的なことを歌った楽曲もありますよね。

Baby Kiy:両方あります。それこそ「Rainbow」は、たぶん50歳になっても60歳になっても歌い続けられると思うんですよね。きっと年齢が変わっても、その時代ごとの味が出るところもあるだろうし。「Don’t Let Me Go」はそこを目指した曲ではなく、「この夏をどれだけ楽しめるか」みたいなテーマだから、それはそれでいい。いろんなタイプの楽曲があっていいわけですもんね。

――ご自身の歌声に関してはどう感じていますか?

Baby Kiy:ボイトレに通ったこともあるんですけど、レコーディングの時に元々の歌い方のほうがいいって言われて元に戻したんです。テクニック的なことは確かにボイトレに通ったほうが上手くなるとは思うんだけど、それよりも「伝わる音楽」にフォーカスしています。

――Kiyさんの場合、いわゆる歌姫的なボーカルスタイルではなく、ガーリーで甘さや切なさの成分を含んだナチュラルな声が大きな魅力ですからね。

Baby Kiy:あーうれしい! 私が大事にしているのは、曲ができるきっかけになった景色を思い出しながら、ニュアンスをいかに表現するかなんですよね。とは言え、基本はそのときのテンションが全部声に出るタイプでもあるから、最初のテイクがだいたい一番いいんですよ。なんならプリプロのテイクが一番良かったりもするし。飽きてきたら、それがそのまま声に出ちゃったりもするので(笑)、レコーディングは短期集中型ですね。

――今回リリースされたデジタルEP『Don’t Let Me Go』には、Kiyさんの自然体な生き方がタイプの異なる4曲でしっかり表現されているように思います。仕上がりに関してはどう感じていますか?

Baby Kiy:すごくいい仕上がりになった思う!  “夏に聴きたい曲”っていうテーマの元に作ったところもあったから、海に行く車の中とか、切ない夜とか、夏のいろんなシチュエーションで楽しんでもらえたらうれしいですね。

――タイトル曲となる「Don’t Let Me Go」は、夏に対するワクワクした気持ちを勢いづけてくれるアッパーなナンバーですね。

Baby Kiy:走り出したくなるような、すごく爽やかな雰囲気の曲だから、みんな勢いづけー(笑)! 実は今回のEP用に違う曲を作ってたんだけど、その制作に行き詰まりすぎてて。急遽、30分くらいで、そのときに書きたかったことをぶわっと書いたのがこの曲だったんですよ。そうしたら「これいいじゃん」ってことになり、リード曲にまでなっちゃったっていう(笑)。

――フラストレーションをきっかけに曲が生まれることはけっこう多いんですか?

Baby Kiy:けっこうありますね。ほんとにその時々の感情に、正直に生きてる人だから(笑)。すっごい行き詰まったことでいい曲が書けることもあるし、書きたいことが明確にあれば一瞬でできちゃうこともあるし。意外なところにも曲作りのきっかけがあったりしますからね。以前はギターの弾き語りだけで曲作りをしていたけど、去年の夏に出したアルバム(2ndミニアルバム『Never get enough』)の頃からはトラック先行で曲作りもするようになったんですよ。それによって生まれてくる曲調が変わってきたりもしているので、そこはおもしろいなって思います。

■みんなが喜んでくれるパフォーマンスをしたい

――2曲目の「Hey Darling」は、これまでライブでのみ披露されてきた曲なんですよね。ファンにとっては待望の音源化です。

Baby Kiy:この曲は大好きだから、ようやく音源にできてうれしい! 元々、切ないテイストのロックが好きだから、グッと来るエレキギターのアルペジオが鳴っているような曲を自分でもやってみたかったんです。キャッチーな曲ではないけど、そこがいいかなって。私自身、切ない曲が大好きだから、こういう雰囲気の曲を書くのはすごく好きなんです。

――歌声も切なさ全開ですね。

Baby Kiy:メロディに大きな起伏があるタイプじゃないから、歌はけっこう難しいんです。あまり淡々と歌いすぎるとつまらない仕上がりになってしまうから、息づかいとか言葉の使い方で上手くニュアンスが出せた気がします。

――「Lazy Boy」と「To The Paradise」にはKiyさんのアイデンティティでもある海のエッセンスが色濃く出ている印象です。

Baby Kiy:「Lazy Boy」は、Roxyのタイアップが決まったことで作った曲だったんです。Roxyっぽいちょっとリラックスした雰囲気のアコースティックサウンドに、ちょっと“Lazy”な彼との生活を歌詞として書いて。

――この曲に出てくるカップルは、すごく心地いい雰囲気ですよね。

Baby Kiy:歌詞では彼のことを“Lazy”として描いたけど、これほんとは自分のことなんですよ。私は実際、すごくLazyな人なんだけど、それを「私はLazy Girl」って自分で歌うより「彼は“Lazy Boy”だけど、それでも好きだよ」って言ってるほうがかわいいかなと思って。しかも、この曲録ったときは仕事が詰まりすぎてて、スタッフも含めてみんなLazyだったのね。でもそれが逆にうまく作用して、いい歌が録れたっていう(笑)。

――「To The Paradise」は夏の夕暮れが似合いそうな雰囲気です。

Baby Kiy:うん。「To The Paradise」は今までにやったことがないタイプの曲ですね。今回のEPにはライブでずっと歌ってきた「Hey Darling」みたいな曲もあるから、Baby Kiyらしいニュアンスはしっかり残しつつも、新しい表情もしっかり見せられた。すごくいいバランスの作品になったと思いますね。

――本作のリリース後、10月には待望のツアー『BABY KIY TOUR 2019“All About You”』が開催されますね。

Baby Kiy:すごく楽しみです! 楽曲制作のときは引きこもりにならなきゃいけないじゃないですか。ミュージシャンって一見、キラキラしてるように見えるけど、実際は地道な作業ばっかり(笑)。もちろんそれも大事だし、モノづくりをする楽しみはあるんだけど、私はやっぱり直接お客さんに会えるワンマンとかイベントとかでライブするのが大好きなんですよね。缶詰になって作ったものを直接、生の空気で披露することができる場だから。

――ステージングにもそうとうこだわるそうですね。

Baby Kiy:うん。超こだわり屋さん(笑)。わざわざ生の私を観に、私の音楽を聴きにきてくれるからには、みんなが喜んでくれるパフォーマンスをしたいじゃないですか。ステージセットに関しても、自分のイメージをしっかり伝えて作ってもらうし。装飾に使う花は、細かくお花屋さんまで指定しますから(笑)。そうやって自分のこだわりが詰まった空間でできるライブはやっぱり最高なんです。このEPを聴いてBaby Kiyに興味を持ってくれた人はぜひ遊びに来て欲しいです。

――音楽活動に関して、今後何かやってみたいこともあります?

Baby Kiy:かっこいいミュージシャンとコラボしたいかな。実際コラボってすっごく楽しいことだけど、レーベルが違うからとか、そういった理由で実現しないこともけっこうあったりして……。

――あはは。確かにいろんなしがらみがあったりしますからね。

Baby Kiy:でも音楽は自由なんだから、やりたいことをやりたいようにできるのが理想だし、楽しいことが大好きだから私はいろんな人と今後はどんどんセッションしていきたいなって思う。

――そういったKiyさんの自由なスタンスが業界のしがらみをぶっ壊したら痛快ですよね。

Baby Kiy:あははは。そうだよね。それ最高ですよね(笑)。今後も私らしく自由に、いろんなことをやっていきたいなって思います。(もりひでゆき)

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