ジョーカー
19/9/30(月)
人生は、なんて辛くてなんて苦しいの。
バットマンの悪役として知られるジョーカーの誕生を描いた本作。これまでジャック・ニコルソン、ヒース・レジャー、ジャレット・レトが演じてきたジョーカーを新たにホアキン・フェニックスが演じ、早くもオスカーの呼び声が高い。実際、ホアキン演じるジョーカーには冒頭から片時も目が離せず、不安・孤独・羨望・空虚・悲痛・辛苦・失意・絶望・厭世・憤怒・憎悪……あらゆるネガティブを纏った完璧で最高のジョーカーだった。
彼は問う。「狂っているのは僕か?それとも世の中か?」
この疑問は私が長い間感じてきたヒーローたちが謳う「正義」と「善悪」に対する懐疑へのアンサーへと、本作を導いてくれたように思う。
胸の痛みに耐え続ける122分間、彼がジョーカーに墜ちてゆくのを誰も止められない。だって、世界が狂いはじめていることを、きっと誰もが知っているから。
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