Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

マーベル最強コンビはいかにして生まれたのか? 『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』主演俳優が語る

ぴあ

『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』 (C)2021 Marvel.

続きを読む

マーベルの新作オリジナルドラマ『ファルコン&ウインター・ソルジャー』が先ごろ全エピソードの配信を開始した。本作に登場するのは、キャプテン・アメリカの親友だったファルコンとウィンター・ソルジャー。ふたりはある事件を追う中で行動を共にし、やがていなくなったキャプテン・アメリカの意思をいかに引き継ぐか考え、苦しみながら、自分たちの道を見つけ出していく。

“ファルコン”ことサム・ウィルソンが、はじめてマーベル映画に登場した時、彼はカウンセラーだった。かつて軍に所属し、落下傘部隊で活動していた彼はある日、ワシントンDCでキャプテン・アメリカに出会う。ファルコンを演じたアンソニー・マッキーは「サムはジョギングに出かけて、アベンジャーズになった普通の人なんだ」と笑顔を見せる。

彼が語る通り、サムは折り畳み可能な翼のついたフライトスーツを身につけて“ファルコン”として活動。驚異的な能力を持っているわけではないが、勇気と正義の心で難局に立ち向かい、やがてアイアンマンやハルク、ブラック・ウィドウらが集まる最強チーム、アベンジャーズの一員になった。

ファルコンはこれまでのマーベル映画に幾度も登場し、華麗に空を舞い、勇猛果敢に戦ってきたが、その私生活や内面が描かれることは少なかった。しかし『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』は、ふたりが謎のテロ集団を追う物語を主軸にしながら、随所で彼らの私生活や内面が丁寧に描かれ、それが物語で重要な役割を果たしていく。

「それはとても重要なことだった」とマッキーは語る。「これまでのマーベル映画では約10年ほど同じキャラクターを描いてきた。そして新しいキャラクターが登場する新フェーズに入った今、かつてしたように観客が新キャラクターを知ってもらって、好きになってもらう時間が必要なんだよ。だから本シリーズも、観客とキャラクターが関係を育むのを手助けするものになっていると思うよ」

さらに本作でファルコンは、バッキーことウィンター・ソルジャーとコンビを組む。彼はスティーヴ・ロジャースが"キャプテン・アメリカ”と呼ばれる前から友情を築いてきた男で、現在は自分の過去に向き合うべく苦しい日々をおくっている。偉大なキャプテン・アメリカからその象徴である星条旗の盾を託されて迷うファルコンと、旧友の想いを守り抜きたいバッキーはタイプの違う人物だが、ふたりは典型的な凸凹コンビではない。

「サムとバッキーの関係が、よくあるコメディやバディ(相棒)ものと違うのは、ふたりの間に感謝、尊敬、理解があるからだろうね。かつて、スティーヴ=キャプテン・アメリカがふたりの共通の接点だった。ところが彼がいなくなってしまう。彼は世界が安全な場所でいられるように維持する任務をサムとバッキーに託したんだ。だから、ふたりはいつだってお互いの話に耳を傾けないといけないし、キャプテン・アメリカの名前を守るために一緒に仕事をしないといけない。サムがバッキーに口を挟むのは、自分の姉にちょっかいを出された時ぐらいで(笑)それ以外はお互いに尊敬しあっている関係なんだよ」

サムとバッキーの間に存在する尊敬と感謝の想いは、ふたりを演じる俳優の間にも流れている。

「(バッキーを演じた)セバスチャン・スタンとの仕事は素晴らしかったよ。彼はとても頭が良くて、複雑な役者なんだ。彼は役に入り込んで仕事をするから、撮影現場にいない日は家で脚本の分析をしている。僕とセバスチャンは脚本について何日も話し合ったよ。監督やプロデューサーたちも、僕たちがキャラクターに感情を吹き込むチャンスをくれた。セバスチャンはウィンター・ソルジャーを10年間演じてきたし、僕もファルコンを8年間演じてきたから、それぞれのキャラクターのことをよくわかっているしね。結果として、僕とセバスチャンの関係やお互いの感謝・尊敬の気持ちが、劇中のキャラクターやシーンにそのまま反映されていると思う」

さらにマッキーは、ファルコンが現代社会を生きるアフリカ系アメリカ人男性であることを重視したという。劇中のファルコンはアベンジャーズの一員として世界を救った英雄なのに、星条旗の盾を自分が引き継いでいいのか悩み、過去に政府がアフリカ系アメリカ人に対してした非道な仕打ちを知って動揺する。そして自分や家族が現代のアメリカ社会の中で置かれている立場や、消えることのない偏見も身にしみてわかっている。ファルコンが大きな翼で舞う空は、私たちが部屋の窓から見る空と同じなのだ。

「コミックに描かれてきたファルコンは、僕らの社会におけるアフリカ系アメリカ人の文化的側面が変化するたびに進化を遂げてきた。だから僕らのこのシリーズに登場するファルコンが、僕らが生きている現実の社会と深くつながった存在になっているのは、とても理にかなったことだと思う。脚本家のマルコム・スペルマンも監督も僕がファルコンという役を膨らませることのできる場所を与えてくれたんだ」

時にキャプテン・アメリカは“アメリカ白人的な正義のシンボル”として扱われてきた。そんな彼の意思をアフリカ系アメリカ人として生まれ、現代の社会の中で苦しみ、偏見にさらされてきたファルコンが受け継ぐことができるのか? 繰り返すがこれはドラマの物語であると同時に、私たちの社会が抱えている問題でもある。

「それはこれまでマーベルがずっとやってきたことなんだ。すべてはマーベルのブランドに沿ったものになっている。そうすることで、観客とキャラクターの間に関係が生まれ、一緒に成長することができる。キャラクターが前に進む時、観客も彼らと共に前に進んでいくんだよ」

謎の組織が暗躍し、次々に脅威が出現する時、ファルコンとウィンター・ソルジャーは時に軽口を叩き合い、時に信頼し合いながら、解決の糸口を見つけ出していく。本シリーズは開始時から好評で、ふたりが登場する新作映画の企画開発も始まったという。

『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』
ディズニープラスで全話独占配信中
(C)2021 Marvel.

アプリで読む