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朝ドラ『エール』裕一が直面するプロの壁 プリンス・山崎育三郎やライバルが続々登場 

リアルサウンド

20/5/12(火) 12:05

 古山裕一(窪田正孝)と音(二階堂ふみ)の新婚生活は、八丁味噌に慣れない裕一の舌を別にすれば、まずまずの滑り出しといったところ。裕一はコロンブスレコードの専属となり、音は東京帝国音楽学校に入学。それぞれの夢に向かって歩き出した。

参考:『エール』野田洋次郎、「ちょいちょい愛してる」を披露 窪田正孝との共演に「頼もしい座長」

 『エール』(NHK総合)第7週から舞台は東京に変わり、2人と競い合うライバルたちも登場。裕一と同期入社の木枯正人(野田洋次郎)の間には、曲作りに励む中で絆が生まれる。当初、木枯は、裕一にしっかり者の妻がいることを疑っていたが、実際に古山宅で音と対面して疑問が氷解。裕一と音を前にして、珍しいものでも見ているような木枯の表情が印象的だった。西洋音楽に大衆音楽とバックグラウンドは異なるが「家捨てて飛び出してきた」(木枯)という共通点もある2人のライバル関係は、先に木枯の曲が採用。裕一は、職業作曲家の壁に直面していた。

 かたや音はといえば、同級生の夏目千鶴子(小南満佑子)が先輩の佐藤久志(山崎育三郎)とデュエットで美声を聴かせる。曲目は、オペラ『ドン・ジョヴァンニ』から「La Ci Darem La Mano」。圧倒的な歌唱力で主役のオーラを身にまとう千鶴子は、一方で「友達ごっこは性に合わないの」と語り、「千鶴子さんくらいの才能があったら」と言う音に、千鶴子は「努力もしないで誰かを頼むだけの人って私には理解できない」と痛烈なカウンターを見舞う。不意打ちをくらう格好にはなったが、自立した考えの持ち主である音は、千鶴子の姿勢も理解できるはず。孤高の存在で目の前にそびえる高い壁のような千鶴子に、音はどのように向き合っていくのだろうか。

 第27話で音に歌唱指導をした謎の男の正体は久志だった。「頭脳明晰、眉目秀麗、神が与えし美しい声」のプリンス・久志。前回は横顔のみだったが、今回は窓枠に腰掛けるという独特な登場シーンで、全身から発散するクセの強さが最高である。ただし、音は謎の男が久志であるとは気付いていない様子。裕一の小学校の同級生である久志は、裕一と音をつなぐ人物でもある。

 第32話では、喫茶バンブーを営む梶取保(野間口徹)と恵(仲里依紗)の夫妻もフィーチャーされた。音の話から「ライバル」と聞いて、知られざる過去を述懐する恵の寸劇シーンは今後恒例化しそうな予感がする。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。

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