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“樹木希林”を生きる

19/10/2(水)

NHKスペシャル『“樹木希林”を生きる』は、樹木さん逝去の10日後の2018年9月26日にオンエアされた。一年間の制作期間をかけた内容の豊かさと没後10日目というスピーディな対応に、さすがNHKだと感心した記憶がある。 結果的に樹木さんが出演する最後のドキュメンタリーとなったその番組に、50分弱の未公開映像を加えて再編集したのが本作。 亡くなる前の一年間で四本の映画(『モリのいる場所』『万引き家族』『日日是好日』『命みじかし、恋せよ乙女』)に出演することになっていた樹木さんをカメラが追い、その合間にインタビュー風景を挿入するというスタイルで、「四本の映画に密着すれば何とかなるわよ」と一年間の長期取材が許された、という。 監督はNHKの福岡発地域ドラマ『いとの森の家』で樹木さんとコンビを組んだ木寺一孝で、「樹木さんの生きざま」に迫りたかったという。しかし順調に進んでいた撮影が193日目あたりを境に樹木さんと木寺の会話が途絶えがちになる。269日目、樹希さんは「(木寺の主体性のなさを批判し)、そんなことでは私と向き合うのは難しい」と宣言する。 その難局を木寺がどのように乗り切ったのか、が本作の味噌。樹木希林という“怪優の一面”が浮き彫りにされているドキュメンタリーだが、“その生きざま”に挑んだ演出家の“勇気ある挑戦”の映画でもある。

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