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『キワドい2人』山田涼介×田中圭の相性は早くもバッチリ! 一筋縄ではいかない秘密の予感も

リアルサウンド

20/9/12(土) 6:00

 9月11日に放送がスタートしたTBS系列金曜ドラマ『キワドい2人-KS-池袋署刑事課神崎・黒木』。昨年ドラマ化され、この秋にシリーズ化されることが決まっている『ルパンの娘』の原作者としても知られる横関大が2014年に発表した小説を原作にした本作は、東京屈指の繁華街・池袋を舞台にした刑事バディものだ。考えてみればこの枠では先週まで『MIU404』が放送されていた。同枠で同じジャンルに括られる作品が立て続けに放送されるというのはちょっと珍しく思えるが、第1話を観た印象ではだいぶ趣が異なる作品のようだ。

 念願だった池袋署の刑事課強行犯係に配属された神崎隆一(山田涼介)は、出勤初日に相棒となる池袋署のエース刑事・黒木(田中圭)を探し出すよう命じられる。前日の夜にガールズバーに出向いていたという情報を頼りに、一緒に店を出たという女性店員の家を訪ねた神崎は、そこで血の付いた黒木の警察手帳とブレーキ痕を発見。誘拐事件に巻き込まれた黒木の居場所を突き止め合流した神崎だったが、黒木と一緒に捕らえられていた少女・萱島麻衣は再び連れ去られてしまう。建設会社の社長令嬢だという彼女の家を訪ねた2人は、そこで本物の萱島麻衣に遭遇。連れ去られた少女が別人のなりすましであったことを知るのである。

 原作では“同期の腐れ縁”という設定だった神崎と黒木を、“異母兄弟”という設定に変えるという脚色は、短編エピソードの集合体であった原作を連続ドラマとして地続きにするための必要な脚色とはいえなかなか大胆だ。とはいえ原作の言葉を拝借すれば「理詰めで捜査を行う」神崎と、「本能的な勘を優先させ、ややスタンドプレー気味の捜査を行う」黒木の正反対なキャラクターから来るぶつかり合いはきちんと生かされており、それが“ベビーフェイス”の山田と“塩顔ハラスメント”の田中にしっくりとハマっているのだから、充分に受け入れられる。主人公2人については今後のエピソードの際に触れることにしよう。

 第1話で目を引いたのは、冒頭の喧騒とした街並みを早回しで映すショット。これはもはや同じ池袋を舞台にしたTBSドラマの名作『池袋ウエストゲートパーク』を想起せずにはいられないだろう。中盤の身代金の受け渡しのシーン(ここで犯人の指示に従ってカバンを抱えてあらゆる場所に向かうのは大河原孝夫監督の傑作『誘拐』を彷彿とさせる展開だ)で、近年の再開発ですっかり変貌した“IWGP”こと西口公園の姿が登場し、時代の流れを感じさせる。また序盤に映る都電や、クライマックスのサンシャインシティなど、ロケーション的旨味にあふれた池袋の街をしっかりと描写しているのは興味深く(一部シーンではまったく異なる場所が撮影で使われていたのは少々もったいないが)、今後より土地性を生かしたエピソードの登場に期待しておきたい。

 さてエピソードの終盤で、神崎との会話から神崎の父・賢造(椎名桔平)が自分の父親であるということに気付いた黒木は、神崎の住む古民家へと強引に転がり込んでくる。放送前から“異母兄弟バディ”が強調されていたにもかかわらず、2人がそれに気付いていない第1話の展開からは何かがあるなという予感は漂っていたが、かなり意味深な回想シーンと黒木と賢造とのやりとりを見るに、これはちょっと一筋縄ではいかない秘密が隠されていることが予感できる。おそらくこれが、このドラマを貫く大きなテーマとなるのだろう。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
金曜ドラマ『キワドい2人-KS-池袋署刑事課神崎・黒木』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:山田涼介、田中圭、関水渚、ジェシー(SixTONES)、奥山かずさ、江口のりこ、八嶋智人、椎名桔平
原作:横関大『KS 池袋署刑事課 神崎・黒木』(講談社文庫刊)
脚本:吉田康弘、皐月彩
主題歌:Hey! Say! JUMP「Your Song」(ジェイ・ストーム)
プロデューサー:中島啓介、塩村香里
演出:山室大輔、村尾嘉昭
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS

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