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Sexy Zone、NEWS、ジャニーズWEST……楽曲提供陣のユニークさに表れるグループのカラー

リアルサウンド

20/3/3(火) 6:00

 2月5日に発売されたSexy Zoneの7thアルバム『POP × STEP!?』は「様々なポップソングを『Sexy Zone』というフィルターを通して東京から発信する!」をコンセプトとしている作品だ。その言葉通りバラエティ豊かなポップソングが収録されている本作を支えるのが、ユニークな楽曲提供陣。CHOKKAKUや本間昭光など多くのヒット曲を制作してきた作家だけでなく、自身もアーティストとして活動しているミュージシャンも多く名を連ねている。

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 「Blessed」を提供したKai TakahashiはLUCKY TAPESというバンドで活動している。シティポップを主に演奏しているが、ブラックミュージックやファンクからの影響も受けているバンドだ。楽器だけでなく打ち込みの音も積極的に使用することで個性的でハイクオリティな楽曲を作っている。その個性は提供作品にも生かされており、「Blessed」はブラックミュージックの要素が加わったオシャレな楽曲になった。

 「MELODY」は楽曲提供者であるtofubeatsの個性を強く感じるミドルテンポのハウスミュージック。オートチューンでボーカルにエフェクトがかかった編曲。それはtofubeatsの楽曲の特徴でもある。

 本作は、シティポップやハウスミュージックなど音の響きがオシャレな楽曲も多い。とはいえポップスを得意とするミュージシャンだけが提供しているわけではない。普段はロックバンドのメンバーであるBIGMAMAの金井政人とLEGO BIG MORLのタナカヒロキも、作詞でのみ楽曲に参加している。

 金井政人が歌詞を提供した「まっすぐのススメ!」はホーンの音が印象的な煌びやかなポップス。疾走感あるバンドサウンドが特徴的なBIGMAMAにはないタイプの楽曲だ。タナカヒロキが歌詞を提供した「HIKARI」はストリングスの演奏によって壮大な楽曲になっている。これもギターが全面に出る曲が多いLEGO BIG MORLにはないタイプの楽曲である。

 しかし金井政人もタナカヒロキも前向きで希望を与えてくれる歌詞を、バンドでも多く書いている。BIGMAMAの「My Greatest Treasure」やLEGO BIG MORLの「Re:Union」などでそれは感じる。前向きな歌詞は華やかなポップスと相性が良い。「まっすぐのススメ!」も「HIKARI」もロックミュージシャンの歌詞が持つ隠れたポップ性を活かしたものとなっている。

 Sexy Zoneの『POP×STEP!?』は都会的なサウンドや、丁寧にサウンドメイクされたポップスが中心のアルバムだ。J-POPの華やかな部分を引き立てる楽曲が多い。それがSexy Zoneのカラーの一つであり、特に最新作『POP×STEP!?』では顕著に表れている。

 制作陣がユニークなのはSexy Zoneだけではない。3月4日に発売するNEWSの11thアルバム『STORY』もユニークなクリエイターが多い。向井太一やeillなどR&Bやソウルミュージックを歌うアーティストも楽曲提供している。

 向井太一が提供した「何度でも」は音数が少なめで今のトレンドを押さえたR&B。作曲と編曲にはm-floの☆Taku Takahashiも参加している共作曲だ。向井太一の「Break up」という曲で2人は共作経験もあるので、自身の楽曲を作るときと同じように本格的なR&B楽曲を制作したように思う。

 才能ある若手アーティストもアルバムには参加している。デビュー2年目のシンガーソングライター・eillが「STAY WITH ME」を楽曲提供している。ジャズやR&Bから影響を受けた彼女のルーツを感じるリズムとメロディの楽曲だ。あいみょんや菅田将暉の楽曲でも編曲を行なっていたトオミヨウがアレンジを手がけたことでJ-POPの要素が加わったキャッチーな楽曲に仕上げている。

 Sexy ZoneはJ-POPの華やかさを伝える楽曲が多かったが、NEWSはR&Bやソウルミュージックの要素も加えたクールなJ-POPが多い。楽曲提供者の人選からして、それをグループのカラーとしているようにも感じる。

 ジャニーズWESTが3月18日に発売する6thアルバム『W trouble』もゴスペラーズやRYOJI(ケツメイシ)、GReeeeNのプロデューサー・JINなどユニークな楽曲提供者が揃っており、Sexy ZoneやNEWSとは違う方向性の作品になっている。ジャニーズWESTは元気で明るい曲や王道のJ-POPが多いのだ。

 『ドラゴンボール超』OP曲である、氷川きよし「限界突破×サバイバー」などJ-POPの他にも特撮/アニメものの楽曲を多く手がけてきた岩崎貴文は「ホメチギリスト」(2018年シングル曲)を作曲している。明るくアップテンポの楽曲で楽しそうに歌うメンバーの歌唱が印象的だ。このようなハイテンションで底抜けに明るい曲はSexy ZoneやNEWSにはほとんどない。だからこそ、テンションが高く明るい歌唱で元気を与えてくれることが、ジャニーズWESTのグループカラーとも言える。岩崎貴文はデビュー曲の「ええじゃないか」も作曲しており、これまでに9曲を手がけている。楽曲提供者としてグループのカラーを作ることに貢献しているようにも思う。

 どのような衣装やパフォーマンスで、どのような歌声でどのようなメッセージを歌うのか。それと同じくらい、どのようなサウンドの楽曲を歌うのかということは、アイドルグループのカラーに大きな影響を与えている。(むらたかもめ)

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