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シェイクスピアの庭

20/3/11(水)

『シェイクスピアの庭』 (C)2018 TKBC Limited. All Rights Reserved.

シェイクスピア先生は演劇人の神様だ。洪水のような名言、胸踊る物語を込めた名作をよくもたくさん残してくれました。その世界一の劇作家の実生活がごく一般の等身大だとは……。一人息子を亡くした父親の悲しみ、娘との対立、そして妻を深く愛した夫である姿を『シェイクスピアの庭』で観て、ちょっと意外だった。 筆を折って老齢になった大先生がストラッドフォードの自宅へ実に久しぶりに帰ると、そこには「過去」が待っていた、というのが興味深い。才能豊かだった作家として期待していた息子は妻を流行り病で早世したと断言するが、果たして本当なのか。ふたりの娘の上は父親に反抗、下は嫁に行った。口数少ない妻は長い間、家庭を省みずに家を空けて仕事に没頭した夫を恨んでいるようだ。「充分、金を送ってきた」と大先生が怒っても、家族は納得しない。これは日本のサラリーマン家庭でもよくある、言ってみれば普通の家庭劇である。 シェイクスピアを演劇の宝物と信奉する伯爵が「ロンドンへ帰れ、また書け!」と催促する。この場面がスリリングでドラマチックで大好きだ。ここからドラマが動く。それも、伯爵を演じた老優が素晴らしいからだ。唸ってしまった。台詞の間、緩急、少ない表情だが奥が深い演技。大先生の作品を「美」と例える。その通~り。圧巻の対話である。 「自分が一番の味方」。大先生の鋭い一言は真理を突いてきた大作家の名言だ。舞台俳優たちが渾身の演技で作り上げた映画。原題「オール・イズ・トゥルー」。「すべて真実」とは泣かせるタイトルである。

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