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AK-69、リアルな描写で伝える“真実の愛”のかけがえのなさ 男女をテーマにしたショートムービーから考察

リアルサウンド

20/3/11(水) 18:00

 AK-69が、デジタルEP『ハレルヤ -The Final Season-』をリリース。2月2日に豊洲PITで開催されたライブ『THE LIVE -6900-』で収録曲がいち早く披露され、「新曲聴いたら涙ボロボロなぜか出てきました」、「新曲めっちゃいいよ!最高~」などの声が寄せられ、期待が高まっていた。そんな今作には“男と女”をテーマにした3部作を収録し、それらの楽曲を元に制作されたショートムービーも公開され、感動と衝撃の内容が話題になっている。いわゆるHIPHOPファンだけでなく、多くの音楽リスナーに届く一作に仕上がった。

男女の愛をテーマにした3部作

 前作のアルバム『ANTHEM』を筆頭に、常に自分の内にあるものと闘い、孤高の開拓者として多くの人々のハートに火をつけてきたAK-69。そのメッセージ性の高さから、プロ野球選手からラグビー日本代表、格闘家や力士など多くのトップアスリートのみならず、第一線で活躍するビジネスマンまでも魅了してきた。そんなAK-69が、本作収録の新曲3曲のテーマに選んだのは“男と女”、つまり愛だ。「See You Again -Season1-」、「I Don’t Wanna Know -Season2-」、「ハレルヤ -The Final Season-」という全3章で構成されている。

 まず第1章「See You Again -Season1-」では、この物語のプロローグ的な内容が明かされる。主人公である男(清水尋也)には、忘れられない恋があった。今は新たなパートナー(永尾まりや/以下、女B)がいるにもかかわらず、無意識に脳裏をよぎる彼女(山崎紘菜/以下、女A)との思い出。男が女Aに抱いていたのは、自分が素直であり続けられるような身近で温かな愛情。強く惹かれあっていた二人だったが、運命のいたずらか、男は今では女A(〈バイバイしたメランコリック〉)とは真逆のタイプのゴージャスで蠱惑的な女B(〈横にゃヘップバーンみてぇなChich〉)との未来を選択している。「See You Again」という言葉は、男に残されたたった1つの望みなのだろう。様々なシチュエーションで女Aと繰り返しすれ違うシーンは、〈また生まれ変わったなら お前を見つけ出しに行くよ〉というフックをイメージさせる。また、浮遊感のある穏やかなシンセサウンドやエフェクティブなボーカルは、まるで女Aとの醒めることのない夢の中にいるような雰囲気を醸している。

AK-69「See You Again -Season 1-」

 第2章「I Don’t Wanna Know -Season2-」で描かれるのは女Bの裏切りだ。セレブが集うようなパーティで知り合った男と女B。見た目の華やかさとは裏腹に〈どんな時でも俺を待った〉、そんな一途さに男は惚れ込んだ。女Bの〈ヨソの花とは違った〉魅力にどんどん惹かれていき、まるで〈ジャスティンとヘイリー〉のように濃密な愛に溺れていく二人。しかし、男の前で見せる姿とは異なる女Bの姿があったのだ。重くシリアスに響くラップは、男の心の奥の本音を吐露するような雰囲気。不穏な空気感を持ったダークテイストのサウンドに乗せて、男の胸の内が歌われていく。タイトルの「I Don’t Wanna Know」は、「知りたくない」という意味。どんな真実があろうとそれを知らなければ、これまでどおり一緒にいることもできたのかもしれない。しかし、すべてを知ってしまった男はその嘘にまみれた恋愛に自ら終止符を打つ。

AK-69「I Don’t Wanna Know -Season 2-」

 最終章となる「ハレルヤ -The Final Season-」は、冒頭のピアノの音色がどこか悲しげで、最期の時を迎えるかのような雰囲気。歌詞では、失って気づいた〈my perfect queen〉(=女A)への本当の愛に気づき、〈この隣は君じゃなけりゃ〉と改めて『タイタニック』の〈ジャック&ローズ〉のような永遠の愛を誓う。「ハレルヤ」は、神を祝福し許しを請う言葉。サビでは、男のすべての出来事を浄化し、真実の愛に辿り着くことができた男を祝福するような、清々しさと抱擁力に満ち溢れたサウンドが鳴り響く。人間は誰しも選択を誤ることがあり、それも含めて人生。しかし、その後悔と懺悔の念は自らの最期まで心に深い傷を残す。だからこそ本当の愛とはなにか、本当に自分が愛し、愛される相手は誰なのかをしっかり見つめてほしい……そんなメッセージが、この曲からは聞こえてくるようだ。

AK-69「ハレルヤ -The Final Season-」
 

AK-69の人生、生き様が描かれたショートムービー

 ショートムービーでは、「男と女のすれ違い/目線/出会いと別れ/崩壊と再構築」などのキーワードを軸に、“AK-69自身の人生と生き様”がドラマティックに映像化されている。主人公である若かりし頃のAK-69の役は、映画『ちはやふる上の句・下の句・結び』など多数の話題作に出演する清水尋也。哀愁や影を漂わせながら好演している。その相手役である女Aを演じた山崎紘菜は、『第7回東宝シンデレラオーディション』で審査員特別賞を受賞した経験も持つ注目の女優で、全編を通してピュアな存在感が光っている。そして元AKB48の永尾まりやが妖艶な恋人役・女Bを演じ、第2章「I Don’t Wanna Know -Season2-」では、衝撃のラストを展開した。

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清水尋也
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 監督を務めたのは、『PFFアワード2016』観客賞を受賞のほか、数多くのMVを手がけている内山拓也。今作では台詞を語る以上の説得力を持った役者の表情が抜群で、それを引き出した監督の手腕が光っている。また、King Gnuの「The hole」MVでも見せた、ラブシーンや夜の情景の美しさに定評がある通り、今回も映像の美しさに目を見張る。文化服装学院を卒業後、スタイリストを経て映像制作に携わるようになっただけあって、どのシーンを切り取っても実にスタイリッシュだ。このショートムービーにはAK-69も出演し、十字架にはりつけにされているようなシーンや、特殊メイクで老人になったシーンなど、ストーリーテラーとして一人の人生を、身体を張って演じているところも見どころの一つだ

 ニューヨークのNo.1 HIP HOPラジオ局として名高い「HOT97」に日本人として初のインタビューを受けた経験を持つほか、伝説的HIPHOPレーベル<Def Jam Recordings>の日本での再始動後初アーティストとして電撃契約を果たすなど、孤高のHIPHOPアーティストとして活動してきたAK-69。常に上を目指すファイティング精神を欠かさないスタンスから、多くのトップアスリートが彼の楽曲を入場曲や自身のテーマ曲として選んできた。アーティスト内でも彼をリスペクトする者は多く、HIPHOPのジャンル以外でも、UVERworld、清水翔太、Toshl(X JAPAN)などが、楽曲にゲスト参加していることでも知られる。

 AK-69が“男と女”、“恋愛”という極めてパーソナルな部分にフォーカスした今回の作品。そのリアルな描写があるからこそ、“真実の愛”のかけがえのなさが痛いほど伝わってくる。これまでも常にリアルを追求し、自らの音楽を発信してきたAK-69という一人の男の生き様が、これまでとは違った角度からはっきりと表現されたのが、このショートムービーだ。鮮烈な映像の話題性も含めて、AK-69の存在感に改めて注目が集まるのは間違いない。

■榑林史章
「THE BEST☆HIT」を経て音楽ライターに。オールジャンルに対応し、インタビュー本数は延べ4,000本。現在は日本工学院で講師も務める。

AK-69『ハレルヤ -The Final Season-』

■配信情報
AK-69『ハレルヤ -The Final Season-』(Digital EP)
配信はこちら
AK-69特設サイト

<収録内容>
M1.See You Again -Season 1-
M2.I Don’t Wanna Know -Season 2-
M3.ハレルヤ -The Final Season-
M4.THE ANTHEM (THE ANTHEM JAPAN TOUR in 埼玉)
M5.Divine Wind -KAMIKAZE- (THE ANTHEM JAPAN TOUR in 埼玉)

■関連リンク
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AK-69 Official Instagram  
AK-69 Official Twitter  
AK-69 Official Staff Twitter
Def Jam Recordings Official HP
AK-69 Universal Music Official HP

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