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「ハイ・ライフ」クレール・ドゥニが芸術家オラファー・エリアソンとのコラボ語る

ナタリー

19/4/18(木) 19:09

クレール・ドゥニ

4月19日に封切られる「ハイ・ライフ」より、監督を務めたクレール・ドゥニのインタビューコメントが到着した。

ロバート・パティンソンが主演を務めた本作は、死刑や終身刑を告げられた重犯罪者9人が乗り込んだ宇宙船「7」を舞台にした密室SFスリラー。彼らは刑の免除と引き換えに参加した地球へ帰る保証のない旅の中で、“人間の性”にまつわる危険な実験に参加する。「美しき仕事」「ネネットとボニ」「パリ、18区、夜。」などで知られ、フランスを代表する女性監督であるドゥニ。「ハイ・ライフ」は、彼女が初めて挑んだ英語劇かつSF作品だ。ドゥニは前作「レット・ザ・サンシャイン・イン」で初めてラブコメディを手がけるなど、近年新しいジャンルに挑戦している。

そんな自身の活動について「私自身はまったく変わったと思っていないし、同じ道をたどり続けている。ただ異なる狙いがある」と断言するドゥニ。映画の中では常に「愛」を探求していることに触れ、「いかなる状況でも愛を求め、愛を探している。愛のない人生はあまりにつらすぎるからです」と説明する。「ハイ・ライフ」は舞台が宇宙という点ではSFであると明言しつつ、「これはもう愛がなくなってしまって、なんとか生きようとしている、愛なしで生きようとしている人々、男女の物語と考えられないでしょうか」と自身の考えを述べた。

本作には、美術監修として光、水、霧などを用いたインスタレーションを数多く生み出している芸術家オラファー・エリアソンが関わっている。参加のきっかけは8年ほど前「信じられない光のアートがあるから」とプロデューサーに連れられ、ドゥニがエリアソンに会いに行ったことだった。まだ脚本になっていない構想段階の話をエリアソンにすると、興味を持った彼は「うちのアトリエで撮影したらどうか」と勧めてくれたという。その後、ドゥニは長年タッグを組んでいる撮影監督のアニエス・ゴダールとともにエリアソンのあるプロジェクトを撮影した。

そしてドゥニは「ハイ・ライフ」でも重要なモチーフになっているブラックホールに言及しながら「そのとき黄色の光に気が付きました。その光を見たとき、ブラックホールの中にはこのような黄色の光があるのではないか、と私は思ったのです」と述懐。すべてを光で包み込み、かすかに青色だけが残るその様子を「無限の中に入っていくよう」と表現する。またドゥニは天文物理学者の意見も取り入れながら、自身の解釈を交えて、黄色い光を映画における重要なシーンに登場させた。

「ハイ・ライフ」は、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次ロードショー。

(c)2018 PANDORA FILM - ALCATRAZ FILMS

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