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鈴木伸之、不良役からラブコメまで多彩な演じ分け 公言しているハリウッドへの挑戦にも期待

リアルサウンド

21/1/7(木) 8:00

 ドラマ、映画、CM、舞台と幅広いステージで活躍を続けている劇団EXILE。本稿では、劇団EXILEのメンバー一人ひとりのフィルモグラフィをたどりながらその魅力を分析。第6回目は、今年配信&放送が決まっている『お茶にごす。』(テレビ東京)で主演を務める鈴木伸之について紹介していく。(編集部)

 今年、テレビ東京ほかで放送の『お茶にごす。』に船橋雅矢役で主演することが決定している鈴木伸之。この作品は、西森博之の原作ということでも話題となっている。

 このことが話題となるのは、鈴木が西森博之原作のドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)で片桐智司役を演じているということが大きいだろう。『今日から俺は!!』で演じた片桐智司は、伝説の不良男子高校の番長であった。このときは、グレーの長ランにリーゼント、無口でどっしりとしていて、誰から見ても強さが伝わるキャラクターであった。この役は鈴木にとっての当たり役となったと言ってもいいだろう。

 一方、『お茶にごす。』で演じる船橋は、中学時代は強面で周囲から恐れられていたが、高校入学を機に、平穏な日々を過ごしたいと茶道部に入部することとなり、少しずつ変わっていくというキャラクターだ。同じ西森作品で、鈴木がどのようにキャラクターを演じ分けるのかも楽しみなところである。

 鈴木はこれまでも不良役を演じることが多かった。以前、雑誌『Audition Blue』のインタビューで「不良役の極意」について聞いたことがある。鈴木は、「一個言えることがあって。基本ね、動かない。不良はちょろちょろしてなくてどっしりしてるんですよ。それが共通点としてありますね」と答えてくれた。

 LDHの若手メンバーが総出演の『PRINCE OF LEGEND』でも、鈴木は王子は王子でも「ヤンキー王子」を演じた。ここでは、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカリストである川村壱馬と異母兄弟の役を演じ、無骨だが純粋なところのある「Team京極兄弟」は、ほかのチームの王子像とはまた違う魅力を放っていた。

 振り返ってみると、鈴木はLDH内で「兄弟」役を演じることが多い。劇団EXILEが総出演の『勇者のために鐘は鳴る』でも、2010年の第3回劇団EXILEオーディションの合格者として同期で、現在も仲が良いという町田啓太と兄弟の役を演じた。2人がお互いの過去をひきずりつつも、剣を交えるシーンは見どころの一つになっていた。

 LDHと言えば今や「アクション」も彼らを表す象徴にもなっているが、鈴木のアクションで印象に残るのは、劇団EXILE総出演の映画『jam』の、車椅子に乗った祖母を押しながら商店街を歩き、ときに金槌を持ち、一切しゃべらずに黙々と自分を刑務所送りにしたやくざに復讐を遂行していくテツオ役だろう。

 このように、鈴木には、“アクション”ד不良役”というイメージも強いが、その一方で、プライムタイムのドラマや、ラブコメディなどにもたくさん出演している。

 2017年に放送された『あなたのことはそれほど』(TBS系)では、波瑠演じる主人公の渡辺美都が学生時代に一目ぼれして以来、思いを寄せてきたイケメンの有島光軌を演じた。2人はお互いに結婚しており、不倫関係となる。改めて第1話を観返したが、偶然再会して飲みに行ったバーで時計を見たり、聞いているようで美都の話を上の空で聞いてないときがあったり、その延長戦であっさりとホテルに誘う有島(とそれに応じる美都)の「軽さ」や、罪の意識の薄さがこのドラマの重要なカギとなっていたように思えた。「また会いたい」と言って浮かれる美都と、戸惑う有島の表情のギャップの演技も興味深かった。

 個人的には2016年の映画『オオカミ少女と黒王子』も、かなり印象に残っている。ヒロインのエリカに二階堂ふみ、彼女が恋する学校一のイケメンの恭也に山崎賢人、エリカの親友に門脇麦、そのほか、横浜流星、吉沢亮、玉城ティナ、池田エライザ、山田裕貴まで、今をときめく若手俳優たちが今から5年前に一堂に会している。この作品で鈴木は、エリカや恭也の通う学校の生徒で、彼自身も校内のイケメンとして名を馳せている神谷望を演じた。

 面白いのは、神谷がエリカに近寄るのだが、それはエリカに好意を寄せているからではなく、恭也に対する“イケメンとしてのライバル心”からであるというところだ。

 この、女性ヒロインはそっちのけで、自分たちがどちらが「本物の王子であるか」という「力」を競う感覚は、後の『PRINCE OF LEGEND』の京極尊人にもつながっていることも興味深い。『PRINCE OF LEGEND』では、その歪な構造を、ヒロインの成瀬果音(白石聖)自身が冷静にツッコミを入れているということも面白かった。

 不良役ばかりがフィーチャーされる鈴木だが、演じたキャラクターを紐解いていくと、単純そうに見えて、全体から見ると複雑な構造を指摘するような役を演じていたのだなと感じた。

 俳優を離れた素顔の鈴木はというと、趣味はゴルフ、サウナと語っている。去年は『今日から俺は‼』で共演した磯村勇斗の番組『サウナーーーズ ~磯村勇斗とサウナを愛する男たち~』(WOWOW)にも出演した。

 また、ハリウッドに挑戦したいと公言もしており、英語の勉強にも力を入れているという。ハリウッドを目指すのはズバリ、アクションを存分に演じられるからだ。幸い、LDHの先輩には、実際に英語を習得し、海外で活躍するメンバーも多い。日本でも海外でも、鈴木の豪快なアクションが堪能できる作品が見られることにも期待したい。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■配信・放送情報
『お茶にごす。』
Amazon Prime Videoにて、3月5日(金)より全12話一挙配信
テレビ東京にて、2021年放送予定
出演:鈴木伸之、瀬戸利樹、萩原みのり、久間田琳加
原作:西森博之『お茶にごす。』(小学館『少年サンデーコミックス』刊)
脚本:加藤拓也 幸修司
監督:古澤健、高士浩二
音楽:林祐介
プロデューサー:滝山直史(テレビ東京)、中里友樹(デジタル・フロンティア)
制作:テレビ東京/デジタル・フロンティア
タイトルロゴ:ベイブリッジ・スタジオ
製作著作:「お茶にごす。」製作委員会
(c)西森博之/小学館 (c)「お茶にごす。」製作委員会
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/ochanigosu/
公式Twitter:@tx_ochanigosu
公式Instagram:@tx_ochanigosu

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