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『梨泰院クラス』視聴者は必見!? 『野球少女』イ・ジュヨンの姿にみる、諦めない気持ち

リアルサウンド

21/3/5(金) 20:30

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、元ソフトボール部か元バスケ部、時には元サッカー部にも間違えられる大和田が『野球少女』をプッシュします。

『野球少女』

 映画、音楽、韓流ドラマと韓流コンテンツが大ブームを巻き起こしています。特に2020年春頃からの自粛期間を機に、Netflixで配信されている『愛の不時着』、『梨泰院クラス』の視聴熱は高く、未だNetflixのランキングのトップ10に連日ランクイン。その『梨泰院クラス』で主人公のパク・セロイ(パク・ソジュン)が経営する居酒屋タンバムの料理長、マ・ヒョニに扮したイ・ジュヨンが主演を務める映画が今回紹介したい『野球少女』です。

 今作でイ・ジュヨンが演じるのは、天才野球少女のチュ・スイン。スインは、最高球速134キロを誇る高校野球部のビッチャーとして数々のメダルを獲得し、高校卒業後はプロ球団で野球を続けることを夢見て、誰よりも練習を重ねてきました。しかし、“女子”という理由でトライアウト(プロテスト)も受けられず、ブロ球団への門戸を閉ざされてしまいます。

 母親(ヨム・ヘラン)からは「野球は諦めなさい」と迫られ、野球部のパク監督(キム・ジョンス)からは、韓国女子野球連盟に入って“趣味”として続けるよう諭されるスイン。そんなとき、新しく赴任してきた新人コーチのチェ・ジンテ(イ・ジュニョク)から、「女子かどうかは関係ない。お前は実力がない」と断言されます。しかし、その言葉を受けたスインは、150キロを投げてプロに行くことをあらためて決意。夜遅くまで手に血を滲ませながら一人で黙々と練習を続けるスインの姿に、ジンテコーチは心を動かされ、2人でスインの長所を伸ばすための猛特訓をはじめます。

 『梨泰院クラス』でイ・ジュヨンさんが演じたヒョニが、料理対決番組「最強の居酒屋」の収録時、トランスジェンダーであることを明かした言葉は心に残り、その姿は印象強く視聴者の目に焼き付いたのではないでしょうか。本作でも母親や監督、コーチ、チームメイト……いろんな人物たちを前に、自分の素直な気持ちを伝えるスインの言葉一つ一つが、心にすっと響きます。撮影に入る前の約40日間、イ・ジュヨンさんは、独立リーグの野球選手と一緒に訓練を受けるという徹底した役作りを行い、劇中のすべての野球のシーンを自ら演じました。イ・ジュヨンさんが、それらの野球のプレーシーンも自ら演じているからこそ、スヨンの言葉や訴えが、観ている人たちの耳にすっと入ってくる自然な説得力が生まれているのを感じました。

 イ・ジュヨンさんはインタビューで「『私はずっと野球がしたい』というチュ・スインの台詞のように、私もずっと演技がしたい。その都度自分がやりたいことを楽しみながら生きる人になりたい」(引用:『梨泰院クラス』のトランスジェンダーから野球少女まで。女優イ・ジュヨンの“挑戦は続く”【インタビュー】|スポーツソウル日本版)と語っており、今後の彼女の出演作も本当に見逃せません。

 昨年、アカデミー賞作品賞とカンヌ映画祭パルムドールを同時に受賞して注目を集めた『パラサイト 半地下の家族』以降、『はちどり』や『82年生まれ、キム・ジヨン』など傑作が続いている韓国映画。引き続き、2021年に公開される期待作については、ライターの西森路代さんが執筆した(『KCIA 南山の部長たち』『野球少女』『藁にもすがる獣たち』など、2021年も韓国映画は粒ぞろい!)でぜひチェックを。

■公開情報
『野球少女』
TOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開中
監督・脚本:チェ・ユンテ
出演:イ・ジュヨン、イ・ジュニョク、ヨム・ヘラン、ソン・ヨンギュ、クァク・ドンヨン
配給:ロングライド​
2019年/韓国/韓国語/105分/スコープ/5.1ch/英題:Baseball Girl/日本語字幕:根本理恵
(c)2019 KOREAN FILM COUNCIL. ALL RIGHTS RESERVED​
公式サイト:longride.jp/baseballgirl/

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