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「ひとよ」白石和彌、エロ本が消える世の中を危惧「デラべっぴんじゃなきゃダメ」

ナタリー

19/10/30(水) 22:28

「ひとよ」の舞台挨拶が本日10月30日に東京・EX THEATER ROPPONGIで行われ、監督の白石和彌が登壇した。

第32回東京国際映画祭の特別招待作品である本作は、桑原裕子率いる劇団KAKUTAの同名舞台を映画化したもの。15年前の事件をきっかけに別々の人生を歩んでいた稲村家の母と3兄妹が再会し、崩壊した絆を取り戻そうとするさまが描かれる。フリーライターとして働く次男・雄二を佐藤健、コミュニケーションに苦手意識を持つ長男・大樹を鈴木亮平、スナックで働く長女・園子を松岡茉優が演じた。

まず白石は「僕は劇団KAKUTAの『ひとよ』は観てなかったんですが、プロデューサーの長谷川(晴彦)さんが『魂を撃ち抜かれた! 白石さんと一緒に作りたい』と声を掛けてくれたのが始まりです」と本作の制作経緯を説明する。「長谷川さんは戯曲になぜ感動したのかわかってなかったんですが(笑) 、僕が心理カウンセラーになって分析したところ、彼の家庭もこじれていて、僕の家庭も普通ではないんで共鳴したのかな」と続ける。「作品はショッキングな場面からスタートしますが、そこに描かれているのは母の愛や、兄妹を思う気持ち。普遍的なものが響きました」と原作となった戯曲の魅力を語る。

母親の視点がメインとなる原作と異なり、次男・雄二の視点で描かれる映画「ひとよ」。その狙いについて白石は「主役を次男にしたほうが家族のゆがみを表現できるし、この物語を観てもらう間口が広がるだろうと思ったんです」と明かす。また、母こはるを演じた田中裕子をMCが絶賛すると、白石は「直感的に、母親は田中裕子さんに演じてもらいたいと。田中さんは若い頃から情念の強い女性を演じてきたので、この映画に説得力を持たせるために必要な人でした」と力説した。

イベント中盤には観客から質問を受け付けるコーナーも。田中以外のキャストについて質問が及ぶと「まず佐藤健くんと仕事をしてみたいというのがありました」と打ち明ける。「そこから兄妹をキャスティングしていったんですが、この家族が決まった瞬間『やべえキャストが集まったぞ』とテンションが上がって」と笑みをこぼし「演出家としては楽というか、自動的にキャストの芝居合戦になるので素敵な現場でした」と振り返った。そして「これだけのメンバーが集まると、僕が何を撮るべきかを自然と導いてくれる感覚がありました」とコメント。

続いて劇中に登場する雑誌デラべっぴんについて白石が問われると、会場には爆笑が起こる。白石は「オリンピックの影響で、コンビニエンスストアからエロ本がなくなるという不健全な社会なんです!」と観客に熱く語りかけ「なんでもかんでもいかがわしいものを世の中から消せばいいというわけじゃない。それを訴えたいんです」と思いを口にする。その後「デラべっぴんじゃなきゃダメだったんです! イントネーションにもこだわりました」と付け加え、笑いを誘った。

最後に白石は「今日は佐藤健が来ると期待していた方もいるかもしれませんが、映画館に行けば会えます(笑)。東京国際映画祭は素敵な映画祭なので引き続き楽しんでください!」と呼びかけイベントを締めくくった。

「ひとよ」は11月8日より全国でロードショー。

(c)2019「ひとよ」製作委員会

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