海外映画取材といえばこの人! 渡辺麻紀が見た聞いた! ハリウッド アノ人のホントの顔
M・ナイト・シャマラン
連載
第61回
── 今回はM・ナイト・シャマランです。“どんでん返し”で知られる監督さんですね。新作の『OLD オールド』はどんなどんでん返しが待っているのですか?
渡辺 観てないんですよ。ネタバレを極度に嫌うシャマランがマスコミにさえ見せたくないと言った……なんて説もあるようですが、試写の報せをいただかなかったので、まだ観てないんです。私はシャマランは好きな監督で楽しみにしていたから、劇場に行こうかと思ってます。ネタバレされる前に(笑)。
『オールド』は、キャッチが“そのビーチでは、一生が一日で終わる”ということからも分かるように、謎のビーチを訪れた家族が、どんどんどんどん老けていくという話のようです。単に老けているだけというより、そのビーチだけ時間が早く進んでいるという感じなので、タイムSFっぽいホラーなのかもしれません。
予告編には、仲の良さそうな家族のひとりが口にするセリフ「私たち(家族は)何があっても一緒だよね」が印象的なので、その辺に何かカギがあるのかもとは思っているんですけどね。
── シャマランと言えば、やはり『シックス・センス』(99)になりますよね。
渡辺 あのどんでん返しにはびっくりでしたから。結末を知ってもう一度、観たんですが、ちゃんとそうやって撮っていた。巧妙だなーって思いましたね。
でも、私はシャマランの場合、どんでん返しよりもドラマの方が結構好きなんですよ。『シックス・センス』も息子の特殊な能力のせいで、彼に対する接し方が分からず、よそよそしくしていた母親が心を開く物語ですからね。母子が渋滞中の車に乗ってそういう話をしているシーンはドラマ的なハイライトで、そこにオマケ的にどんでん返しがくっついてくる。だから二度美味しい、みたいな(笑)。
── あとはネタバレをすごく気にする人という印象もありますね。
渡辺 それには原因があるみたいです。『シックス・センス』が米国で大きな話題になっているとき、TVのトークショーに出演していたネイサン・レインという役者が映画のネタバレをしちゃったそうなんですよ。しかも、悪意を感じさせる言い方で。偶然にもそれを見ていたシャマランは大ショックだったと言っていました。
それって、シャマランに限らず、映画ファン的に見てもありえないですよね。それがトラウマになって、ネタバレを極度に嫌うようになったのではと推理しているんですけど。
── それはみんなが大ショックですね。
渡辺 私の友人は、情報を一切シャットアウトして『シックス・センス』を観に行ったら、ちょうど入れ替えのとき、出てくる観客が「まさか、●●だとは思わなかった。驚いたー」みたいなことを喋っているのを耳にして、崩れ落ちそうになったと言ってました。不慮の事故とは言え、かわいそうすぎる(笑)。
── 確かに。で、シャマランに初めてインタビューしたのは?
渡辺 次の『アンブレイカブル』(00)ですね。彼はフィラデルフィアに住んでいて、飛行機が大嫌い。だから来日はナシで、出向くのは電車で行けるニューヨークまで。だからこの取材もニューヨークでした。でも、『ヴィレッジ』(04)は来日してのインタビューだったと思います。飛行機に乗れるよう、リハビリしたんじゃないでしょうか?
『アンブレイカブル』のときは、『シックス・センス』と同じブルース・ウィリスが主演していますが、彼が取材馴れしていないシャマランを一生懸命フォローというかカバーしている感じでした。ちなみにウィリスさんはマスコミに見せる顔はいいとは言えないんですが、仕事仲間はすごく大切にする人。だから、彼らの評判はとてもいい。
で、シャマランはどんでん返しについては、各作品でいろんな言い方をしていました。
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