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2020年の飛躍を期待! 高杉真宙、三吉彩花、三浦透子ら“子年生まれ”の要注目な若手たち

リアルサウンド

20/1/1(水) 6:00

 例年に引き続き、今年も大きな活躍が期待されそうな“年男・年女”である俳優たちに関する原稿を書くことになった。これにともない、今年の干支である“子年生まれ”の俳優にはどんな面々がいるのか調べてみたところ、新田真剣佑、佐藤勝利、佐野玲於、横浜流星、池田エライザ、大原櫻子、小松菜奈、橋本愛など、20代だけでも豪華なメンツの名がズラリ。本稿ではそんな“年男・年女”である俳優の中でも、2020年、個人的に要注目な若手の存在について言及したい。

【写真】昨年大ブレイクを果たした横浜流星

■高杉真宙

 まず一人目は、高杉真宙だ。黒沢清監督作『散歩する侵略者』(2017)で“宇宙人”という奇異な設定のキャラクターを飄々と演じてみせ、映画ファンを唸らせる一方で、『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』(2018)、『虹色デイズ』(2018)などの少女マンガ原作映画にも適応。かと思えば『君が君で君だ』(2018)や『ギャングース』(2018)ではアウトローにまでも扮し、次々にその演技の幅を拡張している。こう作品を並べてみると、2018年が彼にとって飛躍の年であったことが明らかだが、昨年2019年には俳優デビュー10周年を迎え、ますますその勢いは増すばかり。12人の若手スターが揃った『十二人の死にたい子どもたち』で知的な高校生に扮し、ドラマ版に続き『映画 賭ケグルイ』で少々滑り気味なハイテンションで狂言回しを担当(この“滑り気味”というのがミソである)。『見えない目撃者』では若者の倦怠と葛藤、そして奮起する姿までみせ、シリアスな物語展開に活気を与え、さらには『笑顔の向こうに』『超・少年探偵団NEO -Beginning-』と主演作が2本も公開された。

 さて、ここ2年ほどの彼の活躍ぶりを駆け足で振り返ってみたが、この2020年には俳優生活11年目に突入。正直もう、“駆け足”程度では追いつけないところまでいきそうである。飛躍し続けているだけでなく、堅実なキャリア形成によって、いま現在23歳でありながら起用される役どころはジャンルを問わない。主演作『前田建設ファンタジー営業部』や、大作『糸』での好演も楽しみであるし、次なるステージへ上がることを見守りたい。

■三吉彩花

 2019年に『ダンスウィズミー』という名刺代わりの一作を手にした三吉彩花もまた、今年“年女”である。2019年の彼女の大きな露出といえばこの一作だけだが、もうこれだけで充分に、彼女のパワー、ポテンシャル、強烈な存在感は観る者に印象づけられたのではないだろうか。正直まだ23歳だったというのに驚きである。現役モデルであり、アイドルグループ・さくら学院の元メンバーということもあって、長い手足から生み出されるしなやかな動き、軽快に跳ねる身体、それらがミュージカル作品である本作では存分に活きていた。だが同時にミュージカル作品だからこそ、そんな印象が強いがためにいわゆるシンプルな演技の印象には欠けていた。身体を巧く扱うことができる俳優は貴重だが、ということはつまり、“身体表現に長けている”ということでもある。より彼女の“ドラマパート”での演技を所望したいところだが、2020年には『犬鳴村』『Daughters』の2本の主演作の公開がすでに決まっている。三吉が今年どう変わっていくのか、高揚感が抑えられない。

■三浦透子

 3人目は、三浦透子。彼女もまだこの年代だったのかと驚きである。というのも、三浦は芸歴15年を優に超える子役出身者であり、年齢的には不相応とまで言いたくなる貫禄の大きさがあるからだ(言うまでもないが、素晴らしいことである)。彼女の姿をスクリーン内にみとめた瞬間、得も言われぬ安心感に包まれる。演じる役にもよるが、彼女が登場するとシーンがぐっと引き締まるのである。もちろんこれは、筆者の感覚的な話ではない。近年の出演作である『素敵なダイナマイトスキャンダル』(2018)、『21世紀の女の子/君のシーツ』(2019)、『あの日のオルガン』(2019)などを見てのことだ。彼女が演じたのはいずれもシーンを率いていく側ではなく、“受け手”側。発信者の言動を受けた彼女の細やかなリアクションのリアリティが、一つひとつのシーンの精度を上げているように思えるのだ。“受け”が上手いということは、対話をする相手を立てるのが上手いということでもある。これは間もなく公開の『ロマンスドール』でも健在。だが、貫禄の感じられる“受け手”だけでなく、三浦が“アクション側”、“発信者側”に転じたときにこそ彼女の熟達ぶりが発揮されるので、その瞬間を見逃さないでいただきたい。透明感と力強さが同居した声を武器に、『天気の子』の劇中歌を担当したことで大きな話題にもなったが、やはり俳優としての彼女を堪能していきたい。

 この3人は今年24歳を迎える年代だが、一回り上の世代だと、誰がいるだろうかーー。飛ぶ鳥を落とす勢いの田中圭は『mellow』『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』と主演映画2作が公開予定。おそらくまだこれから情報開示が多くなされていくのだろう。さらに、今後の動向が気になる錦戸亮は俳優としての評価が高いだけに目が離せないし、俳優活動だけにとどまらない唯一無二の表現者・森山未來や、ここ1、2年で一気に存在感を増した松本まりか、松本若菜らもまたこの世代である。

 どの世代にも優れた俳優はとうぜん存在するわけだが、この“子年生まれ”もあらゆる世代が非常に充実の並びだ。夏には東京五輪があり、日本が注目を浴びるであろう記念すべき2020年。“ねずみ年”なだけに、世界的な稀代の表現者・ミッキーマウスのような存在も登場するかもしれない!

(折田侑駿)

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