アフリカのスーダンは1989年にイスラム急進派による軍事政権が誕生。以後、長期にわたって独裁支配が続き、90年半ばにはほぼすべての映画が上映禁止に。映画産業は崩壊した。 このドキュメンタリーは、スーダン独立直後、60～70年代に海外で映画を学び、スーダンで映画作家となり国際的な評価を受けながら、軍事政権により表現の自由を奪われ、作品が発禁処分を受けた映画作家たちの現在を追っている。 一度、完全に消されてしまった映画の火は、そう簡単に元どおりになるはずもない。老齢を迎えた彼らに残された時間は限られている。それでもなお彼らは愛する映画の火をスーダンに再び灯そうと奔走する。 映画が自由に作れて、自由に観れることがどれだけ幸せなことなのか、そのことを本作は浮かび上がらせる。映画を愛するすべての人、必見の1本。