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【re:START】キーパーソンInterview

“ライブモンスターNothing's Carved In Stone”が語る! アルバム『Futures』と配信ライブへの思い【インタビュー前編】

特別連載

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20/9/12(土)

Nothing's Carved In Stone(以下NCIS)が、8月26日にセルフカバー・アルバム『Futures』をリリース。そして、9月19日(土)には、今年2度目となる配信ライブ「Nothing's Carved In Stone Studio Live “Futures”」を実施する。

今年2月中旬以降の全ての公演が延期・中止となったコロナ渦での思い、そしてセルフカバー・アルバムに込めた意味、NCISにとっての配信ライブとは? 

前半は、コロナ渦での思い、そしてセルフカバー・アルバムを中心にボーカル&ギターの村松拓、ギターの生形真一に話を訊いた。

長期間ライブができない状況の中でどう動いていたのか?

── まずは今年前半、制作を進行しながらも、決まっていた数々のライブが延期・中止になりました。ライブモンスターとも形容されるNCISが、こんなに長い間ライブがなかったわけですが、過去にはここまで空いたことはなかったと思います。

生形 世の中がどうなっていくんだろう?っていう状況で、ライブ全部が中止や延期になって、俺たちだけが出来ないという状況ではなかったからね。今は、ちょっとずつ変わってきて先も見えてきましたけど。 最初、2月27日のライブ(“BEGINNING 2020”@新木場STUDIO COAST)を前日に延期と決めたんですよ。そのときは5月に振替をすぐとって、コロナは3月には落ち着いて、5月には100%できるだろうと思っていたから。それが5月もできなくなって来年に振替になって。

村松 ここまでライブをやらなかった期間が長いのは初めてですね。被害者意識みたいなものはなかったですけど。俺らは、2年ぐらい単位でこの先どうしていこうかっていうことをバンド内で話したり決めたりしているので。今回のセルフカバー・アルバムとか、ライブもたくさん飛んじゃったけどまだ発表できてないライブもいっぱい決まっていたんで。ライブ以外のことは動いていたから、気持ち的にはやることがある分楽だったって気はしますね。

── 3月27日に、初の配信シングル「NEW HORIZON」の配信がスタート。1曲のサウンドの中でダークなサウンドからサビでポップに拓けていく流れが聴いているとクセになる1曲でした。

生形 最初から配信と決めていたので、レコーディング後、即リリースできて。そこが配信のいいところでもありますよね。

村松 ひなっち(ベーシストの日向秀和)がデモを持ってきて。イントロのリフみたいな部分とサビのコード進行は、ひなっちのポップさが出ているところなんですけど、それ以外のところを真一(生形)が肉付けしてくれたんですよね。Aメロのダークさは真一の持っているUKの魅力で、そこにひなっちの拓けていく感性がドッキングした曲だよね。

── NCISの中でありそうでなかったタッチの曲に仕上がっていますね。

生形 こういう作り方は始めてだったし。ひなっちの数曲持ってきたデモをみんなで聴いて、これがいい!って。サビのメロディが拓けた感じだったから、リフトとかAメロは俺のなんとなくの解釈で、さっき拓ちゃんが言ったようにダークにしたら対比があって綺麗になるんじゃないかと思って。

── 6月14日には、2曲目のデジタルシングル「Dream in the Dark」がリリースされました。こちらは、またNCISの持つポップな一面が前面に出ている曲ですね。

生形 「NEW HORIZON」と同時にレコーディングしていったんですけど、「NEW HORIZON」ができた後に作った曲なので、対極的な曲がいいかなと思って、わりとNCISのポップな部分を思いっきり出せた曲かなとは思いますね。 

── 期せずしてコロナ渦という状況下の中、背中を押される1曲でした。

村松 たまたまなんですけど、曲の内容がリンクしましたよね。もともとコロナとか関係なく、誰しも自分自身と戦わなきゃいけない時ってあるじゃないですか? そういうものをテーマにしていて。NCISのずっと歌ってきたことだったりするんですけど。曲ができた後に歌詞を書いたので、ポップに拓けているサウンドに乗せて、少しでもみんなの背中を押したり、寄り添ってくれる曲になったらいいなと思って書いた歌詞ですね。

このタイミングでセルフカバー・アルバムを発表する意図と選曲について

── そして、この2曲も収録されたセルフカバー・アルバム『Futures』が、8月26日にリリースされました。バンドスタートから11年間、ほぼ1年に1枚のペースでオリジナル・アルバムをこれまで10枚発表してきた中で、ここでセルフカバー・アルバムを発表しようと思ったのは?

村松 最近メンバー4人で話すんですけど、オリジナル・アルバム10枚を11年かけて出すって、異常ですよね、生き急ぎ過ぎって(笑)。どんだけせめぎあいながら自分たちを表現することにかけてたんだろうって4人とも感じていて。あと、録音環境が変わって、表現の幅が広がった気がしてたんです。サウンドに奥行きが出て。そうすると今まで、自分たちがライブで表現してきたようなより肉感的なスリリングさとか、楽曲のアレンジの中に詰め込んだ各々の個性、楽曲のストーリー性っていうのをより表現できるようになってるなって。

生形 最初のころは、他のバンドと比べて歴史が足りないなってすごく思っていて。二十歳で結成したバンドじゃないし、みんな1回他を通過してから組んだバンドだから。とは言え新しいバンドだし、歴史が足らな過ぎてそれが悔しくて、それでCDもたくさん出したしライブもいっぱいやったし。その歴史が追い付いてきたから、出せたっていうのはありますね。

── 持ち曲が100曲を超える中での選曲に関してはいかがでしょうか? 

生形 セルフカバーとは言え、ベスト的な選曲にしましたね。みんなが聴きたいであろう曲やライブでよくやっている曲だったり、メンバー各々やスタッフが聴きたい曲だったり。あとはバランスをみて。

── アレンジ面で様々なトライがありヘビーにアレンジされていても、一貫して拓けた作品性であることを改めて感じる内容でした。

生形 そこは1枚目を作ったときからブレずにやってきたことかもしれないですね。メロディアスであったり、フレーズにしても一見、難解に聴こえるかもしれないけど、実はわかりやすかったりとか、昔から考えてやっていますね。

村松 面白いバンドだよね。すごくマニアックなことをやってたり、歌モノをドンッとやったら一発で売れたかもしれないのに(笑)。自分たちなりのポピュラリティーみたいな普遍性をずっと追求し続けているっていう。

── 個々メンバーにあらためて思ったことはありますか?

生形 根本的には変わってないですよね。最初、尖っていた部分が、少しずつお互いをもっと考えるようになってきた気はしますね。昔は、“俺が俺が”っていう部分がもうちょっと出ていた、それはそれで嫌いじゃないですけど。それが10枚も作るとそうじゃなくなってくるっていうか、さらにそれをセルフカバーしてみると、音がどうこうっていうことだけでなく、気持ちの部分だったり関係性の変化が出てきたって気はしますね。

村松 それは感じますね。その分、各々の存在感は増している気はします。“俺が俺が”ってやる必要がなくなったんでしょうね。それぞれ自信がついて。お互いをリスペクトする姿勢というか、もともとあったものがより表れているのかなと思います。

── 今回の作品は、台湾・韓国のレーベルからのリリースもありますね。

村松 また早くライブで行きたいですよね。このアルバムを聴いて、待っていてくれる人がいることを期待して。

生形 一番新しい作品でもあるし、自己紹介的な作品にもなるので、このタイミングでリリースできてよかったです。

── この作品でNCISに出会う初めましての方にとっても、未来の橋渡し的な意味で、“Futures”というタイトルがハマりますね。

村松 “wishes”的な意味合いに近いというか。あとは、過去に作ったものを今に更新して繋げられたかなって気がするんで、ただの焼き直しではないよってことも伝えたくて“Futures”にしました。

Text :千葉明代 Photo:高田梓

リリース情報

Nothing's Carved In Stone
セルフカバー・アルバム『Futures』
8月26日(水)発売
初回限定盤2CD+DVD:4,500円(税別)
DDCZ-9063(SSRA-0004)
通常盤2CD:3,500円(税別)
DDCZ-9065(SSRA-0003)
Silver Sun Records

配信情報

Nothing's Carved In Stone Studio Live “Futures”
auスマートパスプレミアム会員限定でお得な割引も!

<配信日時>
2020年9月19日(⼟)開場19:30/開演20:00
※ライブ配信終了後〜2020年9月21日(月・祝)23:59まで事後配信を予定。

<販売期間>
9月21日(月・祝)21:00まで

<料金>
2,500円(税込)
※auスマートパスプレミアム会員の方は上記価格より1,000円引きでお求めいただけます。
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