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1年の積み重ねが生み出すものは。イキウメ『外の道』開幕

ぴあ

イキウメ『外の道』チラシ

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日常がシームレスに非日常へとつながっていく。変わらないように見える毎日のすぐとなりに不思議な世界が口を開けている――。そんな作品で観る者を虜にするイキウメの新作『外の道』が5月28日、シアタートラムで開幕する。二十数年ぶりに再会した同級生の男女。盛り上がるような思い出もないふたりだが、互いに奇妙な問題を抱えていることがわかる……という物語。客演には池谷のぶえ、薬丸翔、豊田エリー、清水緑が名を連ねる。

昨年からたくさんの演劇公演が延期や中止を余儀なくされ、また上演できてもさまざまな制限がかかる日々が続いているのは、決して喜ばしい話ではない。けれども、こんな状況だからこそできることをやる、さらには新たなクリエイティブを生み出す劇団があるのは、観客にとってこのうえない幸運だ。

イキウメ『外の道』も例に漏れず、昨年5月に上演されるはずだった公演は中止、1年後に延期となった。しかし彼らはそこで歩みを止めることなく、すぐさま作品の深堀りを始め、その過程を逐一「ワーク・イン・プログレス」としてWeb上で発表していった。台本から稽古場での試演映像、音楽、美術、作品やそこに登場するキャストを別の角度から見た小説……。その中で、イキウメがほぼすべての作品の舞台とする町・金輪町について改めて見つめた『金輪町コレクション』が生まれ、今年2月には金輪町にまつわる作品集が上演されるまでとなった。

どれもすべて、『外の道』が通常どおり上演されていたら存在しなかったものたちだ。それだけの時間を重ねたうえで、1年後となるこの5月に開幕する今作は、「一度更地に戻し」たものだという。

誰かとの出会い、ほんのささやかなできごとが、その人の歩む道を変えていく。この作品自体も、本来とは違う道を歩むことになった。結果、いまこの時のイキウメを、そしていまこの時の世界を映し出す作品になっていることだろう。

文:釣木文恵

イキウメ『外の道』
作・演出:前川知大
出演:浜田信也 安井順平 盛 隆二 森下創 大窪人衛 /
池谷のぶえ 薬丸翔 豊田エリー 清水緑

【東京公演】
2021年5月28日(金)~2021年6月20日(日)
会場:シアタートラム

【大阪公演】
2021年6月26日(土)・27日(日)
会場:サンケイホールブリーゼ

【豊橋公演】
2021年7月3日(土)
会場:穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール

【北九州公演】
2021年7月11日(日)
会場:北九州芸術劇場 中劇場

チケット情報
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=3C150097

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