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ジブリが映画館を救う? 『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』を大スクリーンで観る喜び

リアルサウンド

20/6/26(金) 19:00

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、オースティン石井が、現在特別公開中のスタジオジブリ作品をプッシュします。

 5月26日の緊急事態宣言の解除に伴い、休館していた映画館が続々と再開をはじめ、6月26日現在、ほぼすべての映画館が営業を再開しました。新型コロナウイルス感染症対策のため、間隔を空けての座席などさまざまな制約があり、かつての姿に戻ったとは言えません。それでも、自宅では絶対に味わえない映画館ならではの迫力、空間を待望んでいた方は多いと思います。私も先週末に映画館復帰を果たしましたが、大画面で予告編を観るだけでウルッとするものがありました。

 杉本穂高さんのコラム「コロナ禍の今、改めて考える“映画館で映画を観る”意義 前代未聞の休館を経験して」にあるとおり、映画館は決して“密”ではなく、換気も十分に行われた安全性の高い施設です。もちろん、100%安全ということはないですが、観客ひとりひとりが予防を徹底すれば、限りなくリスクを抑えることはできます。しかし、“イメージ”というのは恐ろしいもので、多くの人が「映画館は危なそう」と捉えているとのこと(参考:GEM Standardの調査/映画鑑賞行動への自粛意識と営業再開に向けた意欲度)。

 次々と延期になっていた作品の新しい公開日が決定していますが、その多くは、いわゆる“ミニシアター”作品です。今春~夏に予定していた超大作映画の多くは、冬~来年への延期が決まっています。「お客さんが映画館に訪れなければ配給会社は作品をかけようと思わない」「観たい作品がなければお客さんは映画館に行こうと思わない」、どっちが先に解決できるのか、どうなるんだろうと思っていた矢先に発表されたのが「ジブリ映画4作品、全国公開」のニュースでした。

 幾度となくテレビ放送もされているだけに、多くの人が“ジブリ映画”を観たことがあるかと思います。でも、スタジオジブリ映画第1作目『風の谷のナウシカ』(1984年)をはじめ、世代によっては「映画館ではジブリ映画を観たことがない」という人も多いのではないでしょうか。実際、6月18日の発表時はTwitterでもトレンド入り、同時に公開された『千と千尋の神隠し』の予告編は243万以上の再生数(6月26日現在)を記録しています。

 そして、公開日の本日、TOHOシネマズ 日比谷、新宿を覗いてみると、満席(一席空けの状態で)ではないものの、多くの座席が埋まっています。旧作とはいえ、思っている以上に「映画館でジブリを観たい」観客がいるんだと感じました。

 今回上映されるのは、『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ゲド戦記』の4作品。一番近い『ゲド戦記』でも2006年の公開作なだけに、2020年のいま、映画館で観ることができるは本当に貴重な機会です。

 映画館で、テレビで、ソフトで、多くの人のさまざまな思い出にジブリ映画は根付いているかと思いますが、『風の谷のナウシカ』の王蟲の群れも、『もののけ姫』のシシ神が迫りくる様も、『千と千尋の神隠し』の千尋がハクに乗って飛び立つ様も、『ゲド戦記』のテルー(手嶌葵)の歌声も、大スクリーンで観るとまた違った感想を得られると思います。

 苦境が続く映画館が再び活気づくひとつのきっかけとして、新しい映画の思い出のひとつとして、感染対策を十分に気をつけながら、多くの人にジブリ映画を楽しんでほしいです。(リアルサウンド編集部)

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