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超特急が、結成10年目にして初のコント企画を発動「お笑い好きの人も笑わせられるクオリティに!」

ぴあ

『コント×超特急』

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2021年4月29日、メインダンサー&バックボーカルグループ『超特急』が、フジテレビのコント制作チームと共に、結成10年目にして初めてコントに挑戦。『コント×超特急』企画を発動させた。

本来ならばこの日、東京都千代田区のヒューリックホール東京にて、リアルイベントが開催予定だったが、新型コロナウィルスの影響による政府の緊急事態宣言により、無観客ライブ・WEB配信に急遽変更。超特急メンバーにとっては、観客の笑い声が直接聞こえないタフな状況となったが、終わってみればたくさんのファンにコメントで応援をもらいながらの、堂々たるコント初舞台となった。

超特急はもともと、リーダーのリョウガを始めメンバー全員のトークが立ち、過去には女装をして韓流ガールズグループの物真似をしたり、足つぼ罰ゲームをしたり、ミニコントをしたりと、芸人顔負けの活躍をしてきた。ライブもダンスと歌で魅せるのはもちろんだが、ビギナーも巻き込んで楽しませるサービス精神の高さが特長。なので「超特急がコントライブに挑戦!」というのもさもありなん、むしろ今までやっていなかったの?という感もある。

『泥水みたいな恋をした』

案の定ライブが始まってみれば、さすがのチームワーク。まずはウェイ系男子に扮したリョウガ、ユーキ、カイの3人が、共通の友達・タカシが流行りの映画を見に行くことを揶揄して盛り上がるショートコント。吹っ切れた演技と言葉遊びで笑いを誘う。アドリブも適度に入ったテンポの良さが、芸達者ぶりを見せつける。

その後は某大ヒット恋愛映画のパロディコント『泥水みたいな恋をした』が始まり、男性主人公をリョウガ、女性主人公を女装したタクヤが担当。終電を逃したことをきっかけに出会う男女が、クズ具合が一緒で意気投合。見た目は美男美女なのに、学校やバイト先から備品をパクった話や、「好きな言葉は『仕送り』です」「仕送り、私も好きです」などのギリギリでアウトな会話が、恋愛が始まる甘酸っぱい雰囲気の中で弾んでいく。見ている方は一瞬ポカンとしそうになるが、「ここまでやる気か超特急は!」と気付いた時点で、毒の強さがそのまま笑いの強さに変わっていった。

『全力、ルパン三世』

コントがひと段落したところで、『THE FIRST TAKE』と題した、メンバーによる物真似コーナーがスタート。お題は『全力 ルパン三世』。タカシ、カイ、ユーキの順番で行われたが、真面目だからこそ面白く、メンバー同士のコメントもクスリとさせる。短い尺の箸休めのような時間だが、こういう変化球を入れるところが、視聴者を飽きさせない工夫なのだろう。

ひと息付けた後に始まったのは、某音楽ステーション番組のパロディコント。このコントの中で、『泥水~』の2人が付き合うきっかけとなった、タカシが演じる謎の人気歌手・ヨルダンが出てきた。
ここでカンのいい人は気づいたかもしれないが、基本的にすべてのコントは世界観がつながっている。ウェイ系男子が馬鹿にしていた映画が『泥水~』。『泥水~』の2人が好きな歌手がヨルダン。ヨルダンが出てきた某音楽ステーション番組のパロディは、『泥水~』の2人が観覧に行きたがっていた番組……となっているのだ。そしてこの後も、この世界観がゆるく交わる構成は進んでいき、合間にショートトークやショートのゲームコーナーが挟まれていった。

因みに今回、一番驚いたのが、キツい下ネタや皮肉を、メンバーがあっさりと使いこなしていたこと。高い演技力やキラキラのアイドル性で、ブラックな笑いをスマートに提供していた。また、ハゲヅラおじさんやイキリオタク、歯のないおじさんなど、おおよそボーイズグループのメンバーが演じるにはふさわしくないキャラクターを、カイ、ユーキ、タカシが熱演。リョウガとタクヤの『泥水~』カップルに、これでもかと絡んでいた。

もちろん、超特急のメンバー同士の息の合い方や、個々で持っている魅力のおかげで強い毒気も暗い笑いにはならず、都度「アハハハハ!!」と明るい声が出るのだが、コメント欄でも「クッソおもろいけどヤバ過ぎる」「吉本新喜劇か」「事務所は大丈夫か」といった意見がチラホラ見えた。皆、笑いながらも予想以上に攻めている内容に、「超特急やるじゃん!」という純粋な驚きがあったのだろう。

超特急を知らないお笑い好きな人も笑わせたい!

最後の挨拶時、リョウガが「遣り甲斐を感じながらも、コントというものは難しいなと痛感しました」と前置きしつつも、「8号車(ファン)以外の、超特急を知らないコント番組が好きな人、お笑いが好きな人も笑わせるくらいのクオリティになれるよう、これからも頑張っていきたいと思います」とコメントしていた。今後は地上波番組、イベント、WEB配信、オンデマンド等、多チャンネルでコントを発信していくそうなので、より幅広い層に彼らの面白さ・カッコよさが伝わって行くだろう。

それにしても初めての本格コント、突然の無観客、1時間半という長さにも関わらず、一度も視聴者を退屈させない舞台をやり遂げられたのは、今までの経験があったからこそ。超特急の底力、エンターティンメント性を十分に見せつけられた。彼らはメインダンサー&バックボーカルグループと名乗っているが、今後は更なる総合的なエンターティナーとして、成長していくことだろう。

取材・文/中尾巴

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