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峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら

実は「今」も「10分後」も「10時間後」も同じ瞬間にある世界

毎週連載

第145回

ずいぶん前、この連載で僕の「前世」の話をしたけどさ、「前世があった」と考えれば「来世もあるはずだ」と思うのは自然なこと。実際僕は来世のことも意識しながら暮らしている今日この頃です。

僕は1977年にこの世に生まれ落ちて、2歳になり3歳になり、やがて10歳になりました。さらに20歳、30歳、40歳になり、そして現時点では43歳です。でもさ、これは三次元における時間軸の流れで見た尺度にしか過ぎなくて、ある見方で言うと、「今」ってことではないんじゃないかとも思うんです。

言っている意味わかりますかね? 今これを読んでいる方は「今」という瞬間が最も新しいと考えるかもしれないですよね。でもさ、実はこれを読み終わった10分後、10時間後っていう世界も実はすでにあって、そこに僕らはまだ辿り着けていないだけなんですよ。こういう時間の進み方とか概念は三次元的な考えとは違うからうまく証明することはできないけど、おそらく10分後、10時間後というものは現時点ですでにあると思っていたほうが良い。

何故こういう考え方になるかと言うとさ、「今」ということだけを考えたら「過去」はないってことになる。昨晩、食事をしたテーブルの場にはもう戻れないわけだけど、ただ「昨晩食事をした」という記憶が幻影としては確かにある。「今しか生きていない」と思いきや、実は「昨晩食事をした自分」も「今、これを読んでいる自分」も実は同時に起きている考え方もできるわけ。

「今」という瞬間を点ではなく「線」だと思えば、人間の脳の中では同時に起きていると言い換えられると僕は思ってる。さらに、この先が続くと、これが来世に繋がるんじゃないかとも思うわけさ。

だから、人間にとっての「前世・今世・来世」ってものはすでに決まっちゃっててさ、そこで何をもがこうが、どう考えようが絶対に逆らえないとも言える。

人間の肉体は「頭があって手足がある」って形をしてるでしょう。でもさ、これは三次元の世界における地球が持っている重力によってたまたまこういうカタチになっているだけで、実はその「魂」ってものは太古の昔からずっと前から存在してるわけ。「魂」って浮遊するボールみたいな感じで、気球のようにずっとこの世の中に漂ってるものなんですよ。

つまり自分が生まれ落ちたことで「魂」が生まれるんじゃなくて、実は太古の昔からずっと浮遊していて、たまたま今世では「僕」という肉体に「魂が入った」っていう話なの。「前世・今世・来世」っていう概念もまた、実はあくまでも肉体の話であってさ、「魂」のことだけで言うと、もう変わることもなければ、人間の意志で変えることもできないようにも思うんだよね。

……何笑ってんの? これ真剣な話だよ。最近はこんなことを考えながら暮らしてるんだから僕は。

こういう話をしてもポカンとする人が多いのが嘆かわしいね。

構成・文:松田義人(deco)

プロフィール

峯田 和伸

1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル/ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。


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