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戸田恵梨香、松下洸平、伊藤健太郎を照らす希望と現実 『スカーレット』最後の苦難

リアルサウンド

20/3/16(月) 12:40

 慢性骨髄性白血病で余命3年から5年だと告げられた武志(伊藤健太郎)に、喜美子(戸田恵梨香)は「死なさへん。絶対死なさへんからな」と固い決意を口にした。NHKの連続テレビ小説『スカーレット』が24週目の初日を迎え、多くの人が武志のために骨髄移植の検査に協力するという希望と、厳しい現実が描かれる回となった。

【写真】稲垣吾郎撮り下ろしカット

 武志のために検査を受けた喜美子だったが、骨髄移植のドナーにはなれなかった。大崎(稲垣吾郎)は喜美子を心配して声をかけたが、喜美子は「一致せんかったもんはしゃあない」と気丈に振舞う。しかし、武志から「検査……受けてくれてありがとう」と声をかけられたとき、喜美子はグッと眉間にシワを寄せ、涙を堪えたように見えた。白血球の型が一致しなければドナーにはなれないということを、喜美子は重々承知している。だからこそ、武志からの言葉でやりきれない気持ちが溢れ出そうになったのだろう。

 八郎(松下洸平)も骨髄移植のドナーになれなかった。けれど八郎が落ち込んでいると、喜美子が「情けないこと、しんどいこと、ひどいこと言うたらな、今度から罰金や」と言う。喜美子はこれまで、何事も諦めずに前へ進んできた。喜美子の提案から「落ち込んでいるだけでは何も変わらない」という喜美子の強い意志を察したのか、八郎はフッと笑っていた。

 照子(大島優子)も信作(林遣都)も骨髄移植の検査に協力を申し出る。武志から病気について打ち明けられた友人・永山(七瀬公)と宝田(大江晋平)、そして真奈(松田るか)も「検査を受けたい」と申し出た。照子は「ほかにも力になってくれる人いるで、きっと」と喜美子らを励ます。

 照子たちや真奈たちのおかげで多くの人が検査に協力してくれたが、嬉しい知らせは届かなかった。「あかんなあ」「あかんわあ」と言い合う喜美子と武志の姿は穏やかに映し出されるが、喜美子が感じていたのは厳しい現実だ。照子からの電話を受けた喜美子の表情は険しかったし、ちや子(水野美紀)からの電話に出る前も、どこか疲れ切ったような表情を見せていた。協力してくれる者がいることは喜美子たちの心の支えになっている。しかし、型が一致しなければ先へは進めない。第24週のタイトルは「小さな希望を集めて」だが、今はまだ、厳しい現実が彼らに重くのしかかっている。

(片山香帆)

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