Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

豆柴の大群、PEDRO、BiSH……WACK、話題が絶えない最新動向 その根底にあるユーモアと音楽への愛

リアルサウンド

20/5/31(日) 10:00

 PARADISESのナルハワールドが「彼氏持ちアイドル」になったことで話題になっている。AbemaTVの恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。』にナルハワールドは山田なるという別名義で出演し、出演者の桑山隆太と結ばれてカップルになったのだ。彼氏がいることを公の場で発表し活動を続ける女性アイドルは前代未聞である。2人はカップル成立後にコラボインスタライブを行ったり、PARADISESの新曲「青い春」のMVで共演したりとカップルであることを生かした活動をすでに始めている。これには賛否両論あるものの話題にはなった。

(関連:豆柴の大群「FLASH」リリックビデオ

 PARADISESはWACKに所属している。BiSHなどの人気アイドルグループが多く所属する事務所だ。WACKは前代未聞なプロモーションや破天荒な活動をすることが多い。『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の企画「MONSTER IDOL」をきっかけに結成された豆柴の大群も前代未聞なプロモーションを行ってた。週刊誌『FRASH』がメンバーのナオ・オブ・ナオが2年前に未成年飲酒を行った様子を撮った写真を掲載した。本人も事務所も本件を全面的に認めて謝罪文を公開した。しかし報道を逆手にとって「FRASH」というタイトルの新曲を作り、男装したメンバーとナオによる未成年飲酒の現場を再現したMVを制作した。このMVも賛否が分かれたがユーモアもあり好意的に受け取るファンが多かったように思う。

 しかし賛否が分かれる過激なプロモーションだけしているわけではない。2019年にBiSはDropboxとSoundCloudにCD未収録の新曲を期間限定でダウンロードできる無料配信を行った。一風変わった配信方法でダウンロードまでの手間もかかるが、ファンもダウンロードするまでの過程を含めて楽しんでいる。CDのゲリラリリースも面白い試みだ。5月20日にBiSは新曲「DESTROY」をCDでリリースした。販売開始時刻に「ネット上のどこか」というヒントだけ発表しゲリラ販売した。WACKは音楽を聴くまでの過程もイベントにしてしまうのだ。

 4月1日にPEDROはアインシュタインの稲田直樹が電撃加入し新しいアーティスト写真と稲田が歌う「自律神経出張中(2020 ver.)」のMV公開と配信リリースを行った。これはエイプリルフールの企画で稲田は「メンバーとの不仲」を理由に脱退を発表した。WACKのプロモーションは過激なことを行い話題を作ることが目的ではない。尖っていて攻めの姿勢であることは変わらないが、基本的にはユーモアで楽しまることが目的なのだ。

 しかし根底には「音楽への愛」がある。PEDROは新型コロナウイルスの影響で4月から行う予定だった全国ツアー『GO TO BED TOUR』を中止した。その代わりクラウドファンディングで費用を集め、当初ツアーで予定されていた演出で無観客ライブ配信を行うことを発表した。『PEDROに関わる全てのみなさまの記憶に 「GO TO BED TOUR」のステージは最高だった。そんな記憶を残せるステージになりますように。 』というメッセージがクラウドファンディングのページには添えられている。

 BiSHは5月27日にベストアルバムを7月に発売することを発表した。ベストアルバム『FOR LiVE -BiSH BEST-』はCDショップ及びCDショップが運営するECサイトのみで販売し、収益はBiSHが過去にライブを行った70以上のライブハウスに全て寄付される。「あなたにとって一番大切なCDショップでこちらの作品を手に取っていただければ嬉しいです。」というニュースとともに添えられたメッセージからはCDショップやライブハウスへの愛を感じる。また「もっと、あなたがたに向けた歌を、音楽を届けたいと思いました。」というメッセージとともに新曲7曲を収録した3.5thアルバム『LETTERS』を発売することも発表した。元々はシングルを7月にリリースする予定だったが、急遽新曲を制作し収録曲を増やしてアルバムにしたのだ。

 WACKの音楽やアイドルが支持される理由は、事務所の攻めた姿勢や過激なプロモーションが理由ではない。音楽やファンへの愛があるからだ。音楽で楽しいことをやりたいというユーモアがあるからだ。それが活動の根底にあるからこそ攻めた姿勢も共感され多くの人の心を掴んでいる。

 WACKは先日デモテープの募集を開始した。女性アイドルが中心に所属している事務所だがシンガーソングライター、バンドなど活動形態も性別も問わずに募集している。これから新しい企画を企てるつもりなのかもしれない。今までとは違う形でまた楽しませてくれるのかもしれない。きっとそこにも音楽への愛を感じることができるだろう。(むらたかもめ)

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む