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視聴率2桁にV字回復 後半戦突入の『獣になれない私たち』“橘カイジ探し”にネット湧く

リアルサウンド

18/11/15(木) 15:00

 11月14日に放送された『獣になれない私たち』(日本テレビ系)の第6話の視聴率が、初回放送以来の2桁である10.0%を記録し、V字回復を見せた(ビデオリサーチ調べ。関東地区)。晶(新垣結衣)と京谷(田中圭)と、4年間京谷の家に住み続ける元カノ・朱里(黒木華)を巡る問題は、前回、京谷が朱里にマンションを明け渡す形でやや進展。そして今回、物語は後半戦に突入し、呉羽(菊地凛子)の電撃結婚の相手・橘カイジに焦点が当てられた。

 第1話から名前だけ登場し、姿の見えない登場人物として存在していたカイジ。第5話の終わりに、朱里が熱中していたオンラインゲームのクリエイターだということが明らかになり、主要キャラクターたちとの繋がりがぐっと深まった。カイジが出席するパーティーに出向いたラーメン屋の三郎(一ノ瀬ワタル)いわく、カイジは「めっちゃいい人」で年齢不詳、説明するのは難しい容姿をしているという。ちなみに、ラーメンは家系が好き。

 今回の放送前から行われていたが、SNS上ではファンたちによる“橘カイジ探し”も引き続き湧いている。システムエンジニアで左薬指に指輪をしている佐久間(近藤公園)説、 非公式のため怪しいが、放送前からストーリーに関わる投稿をしているTwitterがネットで話題になった上野(犬飼貴丈)説、そしてネタ枠で“カイジ”繋がりで藤原竜也ゲスト出演説など様々な推測がされている。

 そんなカイジと呉羽は今回偽装結婚が疑われ、恒星(松田龍平)が真偽を確かめるために動くことになった。調べによると、呉羽は以前所属していたモデル事務所から契約違反で訴えられ、1,000万円の損害賠償を求められていたことが発覚。その後、呉羽は名字変更の戸籍謄本を元事務所に送りつけ、事務所が訴えを取り下げる事態に。カイジと呉羽の所属していた事務所はなんらかの関係があるようだが、カイジの人物像が深まれば深まるほど謎も増える。

 しかし、カイジと呉羽の結婚は偽装ではなかった。呉羽が恒星と別れ、カイジと結婚した理由は、呉羽の子宮全摘手術にあったことが呉羽の口から説明されたのだ。「○○らしい」「聞いた話だと△△みたい」そのようなうわさ話に翻弄され、懸命に動いてみても物事の本質にはたどり着けない。まさに、ネット上にある“橘カイジ探し”にも似ており、恒星が呉羽の苦しみに気付けなかったように、わたしたちも橘カイジに対して、何か身近なところに見落としがあるのかもしれない。

 京谷と寝てしまい、晶を混乱させるなどして“獣のように生きてきた”呉羽だが、子宮摘出手術を恒星に打ち明けられなかった彼女の人間味あふれる一面には、心揺さぶられた視聴者も多かったことだろう。“獣のように生きる”というのは、決して自由奔放に生きることではなく、大きな壁にぶちあたっても停滞せず、環境に適応できるように変化する力が必要なのだと感じさせられる。ただこれまで、不倫・浮気の目が近年より一層厳しくなる反面で、なぜか呉羽は「彼女ならしょうがない」という目で見てしまうのが不思議だった。

 松任谷(伊藤沙莉)が、路上でキスするのを喜ぶ女性を批判した筧文彦(吉村界人)に対して憤慨したように、貞操観念が少し低かっただけで女性がまるでだらしのないかのように責め立てられる場面が多いからだ。この現象にはしっかり名前がついており、「スラットシェイミング」と呼ばれている。女性は清らかでなければいけない、そんな勝手な押しつけから、少しでも外れると汚らわしいもののような目で見られる。今回このやり取りは物語に直接関係しなかったが、やはり何気ないシーンで心に残るセリフを放つ野木の脚本には、思わず拍手を送ってしまう。呉羽は甘い評価を受け、松任谷たちのような多くの人々が苦しい思いをするのはなぜだろうか。残念なことに今のところ、もしくは永遠に、その問いに対する確かな答えは出そうにない。(阿部桜子)

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