フレデリック・ワイズマンらと並ぶ、現代を代表するドキュメンタリーの巨匠、ニコラ・フィリベール監督だが、久々に届いた新作では、看護師の卵たちを見つめている。 もう、そこにカメラがあるとは思えない、人間の自然な姿を普通の表情を捉えるニコラ監督のカメラワークは健在。絶妙な距離感で撮影された、看護学校で学ぶ若者たち40人の150日に渡る奮闘の日々は、何か大切なことに気づかせてくれるはず。 それは、仕事への情熱かもしれない。他人と真摯かつ真剣に向き合うことかもしれない。何事にも一生懸命取り組むことかもしれない。 きっと、それぞれ己の中にある初心を思い出させてくれることだろう。