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乃木坂46 山下美月、久保史緒里、梅澤美波が牽引するグループの未来 三者三様の活躍が示す“3期生”の時代

リアルサウンド

21/1/24(日) 6:00

 乃木坂46が1月27日にリリースする26thシングル『僕は僕を好きになる』は、グループが結成10周年を迎える2021年に初めて届けられる作品だ。昨年11月25日オンエアの『ベストアーティスト2020』(日本テレビ系)での初披露から、新衣装、ジャケット写真、MV……とゆっくりと時間をかけて浸透させていった本作は、10カ月ぶりの、白石麻衣の卒業後初のシングルである。新章に向かう乃木坂46の新センターに選ばれたのは山下美月。そして、彼女を支える両隣には久保史緒里と梅澤美波の2人が据える。そこにあるのは3期生という強固な絆であり、乃木坂46という大きな看板を背負う責任感と実力だ。

 乃木坂46には2期生の堀未央奈がセンターに抜擢された7thシングル『バレッタ』を機に、3期生から大園桃子と与田祐希のダブルセンターの形を取った18thシングル『逃げ水』、4期生から遠藤さくらが先頭を任せられた24thシングル『夜明けまで強がらなくてもいい』という、ある種の次世代を広くお披露目する機会がある。言ってしまえば、それ以外のシングルでは西野七瀬や白石麻衣、齋藤飛鳥といった1期生が代々センターを歴任してきたのが実情である。

 そういったグループの背景を考えると、今回の山下センターがどれだけの重責を担っているのかが分かるはずだ。これまでのセンターの形式とは逸脱した、3期生からの2度目のセンター。同時にそれは単なるお披露目などではなく、彼女(たち)が乃木坂46の今を担う世代であることを示してもいる。

 2020年、コロナ禍に直面しながらも、写真集『忘れられない人』が累計発行部数18万部の大ヒット、映画『映像研には手を出すな!』への出演とさらに個人しての活躍の幅を広げていった山下。最近では、その天性とも言える“あざとさ”が『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)への出演や『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)水曜レギュラーなどで広く知られ、これまでにない乃木坂46のイメージを確立している印象だ。

 そんな山下も、白石や齋藤といったセンターの背中を見ながら、乃木坂46の最前線の空気を長く体感してきた。SHOWROOMでの配信や各所でのインタビューにて、山下が口々に話しているのは、今の乃木坂46が強く纏っている温かな空気感を次に繋げていきたいということ。“乃木坂46らしさ”とはその年代や焦点に置くメンバーによっても変容してくるものだが、通底した空気感は変わらずに、また新たな乃木坂46の色を描き足していくのが山下の使命とも言えよう。

 そんな山下を先頭にした久保と梅澤の3人は、太い線で繋がれたトライアングルのようだ。フロントは、22ndシングル『帰り道は遠回りしたくなる』以来2度目となる梅澤と、今作が初めての久保。梅澤は「空扉」で、久保は「毎日がBrand new day」にて、単独センターを務めている。それぞれに山下との関係性を振り返ると、梅澤は『映像研』の共演にて苦楽を共にし、久保は“くぼした”としての3期生曲「未来の答え」「不眠症」で山下とダブルセンターを経験してきた。さらに梅澤と久保は『乃木坂46 3・4期生ライブ』を成功させるために、それぞれがリーダーシップを取っていたメンバー。そこには先輩としての自覚と責任があった。双方向において、信頼を置ける関係性。山下をセンターに据えたフロント3人には隙がない。

 少し視野を広げてみれば、梅澤と久保の後ろには「逃げ水」でセンターを務めた大園と与田、3列目には「明日がある理由」でセンターを務める岩本蓮加、さらにアンダー曲「口ほどにもないKISS」で初のセンターを務める阪口珠美と、表題曲だけでなくシングル全体においても3期生が中心にいることが見えてくる。これまで幾度となく“3期生の時代”と言われてきたが、今こそが正真正銘、誰もが認める3期生の時代である。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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