Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

会場にて 撮影:糸瀬ふみ

遠山正道×鈴木芳雄「今日もアートの話をしよう」

トム・サックスって何者?

月2回連載

第19回

19/6/7(金)

鈴木 連日大盛況の東京オペラシティ アートギャラリーの「トム・サックス ティーセレモニー」(〜6月23日)だけど、遠山さんは展覧会初日にトムにお茶会に招かれたよね(笑)。

遠山 そうそう、突然招待状がメールで届いて(笑)。

鈴木 そもそも遠山さんとトムっていつからの知り合いなの?

名刺交換するトムと遠山さん
撮影:糸瀬ふみ

遠山 実は今回初めて会った。もちろん2016年に草月会館で開催された『Heaven』とか、日本で扱っている小山登美夫さんのギャラリーなんかではこれまで見てたんだけど。
今回は突然、その小山登美夫ギャラリーさんからご招待があったのね。私正座できない、英語できないけどそれでいいの? って言ったら、それでもいいって。ほとんどよくわかっていないながら、とりあえず茶席に上がったって感じ(笑)。

「CORRIDOR」腰掛(休息所)にて。右に写るのは、NIKEによる特別製の路地草履
撮影:糸瀬ふみ

鈴木 初日は2回お茶会が催されたけど、遠山さんは1回目で、トムも信頼を寄せている小山登美夫ギャラリーの長瀬夕子さんと、トムの友だちであるアクセサリー・ジュエリーブランドAMBUSH®のデザイナーYOON(ユーン)さんと一緒にもてなされた。

遠山 そう。だから僕はもう全部長瀬さんに任せっきりで。
しかもオープニングでは、武者小路千家15代家元後嗣の千宗屋さんが正客を務めていたんだよね。

鈴木 本物が(笑)。若もInstagramに写真たくさんあげて、楽しかったって。

遠山 そうなんだ(笑)。
芳雄さんもずっとトムのこと見てたんだよね?

鈴木 うん、お茶のプロジェクトを展覧会とかで本格的にやる前から見てた。“handmade piece from readymade goods(手作りの既製品)”をテーマに、プラダのロゴを手描きしたシューズボックスで作った便器《Prada Toilet》や、エルメスの包装紙を模した使ったマクドナルドのバリューセットを再現した《Hermes Value Meal》をはじめ、ライカやキティちゃんを紙で精巧に模した作品とか。おそらく1997年ぐらいから見てる。
正直その頃って、一見手作り系のパロディストみたいな感じにも思えてたわけ。そういう彼独自の皮肉というのかな、ハイブランドとかに果敢に挑戦してるな、とは思ってたんだけど。それがNASAをモチーフにし始めた頃から、彼の面白さとかやりたいことが明確にわかってきた。そしてお茶会につながってくる過程もよくわかった。

お茶会の風景
撮影:鈴木芳雄

遠山 お茶会も宇宙に通ずるところがある気がする。

鈴木 そう、延長にあって、宇宙に行く人が心得るべきマナーはお茶にある。

遠山 確かに、お茶席って本来は狭くて、コンパクトにいろんなことがまとまってるミニマルな空間で行われるもの。そこに宇宙を感じるっていうのはわかる。

「NASA」のロゴが入った、手びねりの茶碗。トムの指紋などもついたまま
撮影:糸瀬ふみ

鈴木 茶室が宇宙であるとも言うしね。トムも、茶の湯の精神や価値観は21世紀の宇宙開拓時代に必須の人間活動の一つと考えてる。しかもお茶会で使われているのはNASAのロゴ入り茶碗だし(笑)。

偉大なる工作少年

トムと遠山さん、鈴木さん
アプリで読む