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海辺の映画館-キネマの玉手箱

20/7/27(月)

『海辺の映画館-キネマの玉手箱』 (C)2020「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作委員会/PSC

癌で余命三か月とされてから『花筐/HANAGATAMI』という重量級の長篇を仕上げ、それだけでも驚きだったのに、まさかの次なる長篇の本作を完成させてしまった大林宣彦監督。最後は痩せきって心もとなかったが、それでも内なる創作への意志はたぎっていた。本作は監督の遺作となったが、仕上がりはモーレツな熱さと速度で間然するところなく、総尺3時間、ひたすら圧倒されっぱなしである。尾道の男子ズッコケ三人組が、映画館でスクリーンに映る映画の世界に入り込み、幕末から第二次大戦終結までの激動の歴史に立ち合うことになる。大林流の映画話法は迂回と増殖を反復し、とにかく何でもありのアナーキーな自由さに観る者は舌を巻くことだろう。そして大林監督は言葉のメッセージではなく、映画そのもののはてしない自由さをもって、これを稀代の「反戦映画」に仕上げてみせた。

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