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香取慎吾がパラアスリート達との交流で伝える、誰もが持つ楽しむ力ーーパラリンピックSPナビゲーター就任3年を迎えて

リアルサウンド

20/11/30(月) 6:00

 香取慎吾が、朝日新聞パラリンピック・スペシャルナビゲーターに就任して3年を迎えた。2018年には韓国・平昌冬季パラリンピックを観戦し、その後、朝日新聞の『慎吾とゆくパラロード』の連載を通じて、多くのパラアスリートとふれあいを続けてきた。

 筆者も香取の活動を通じて、パラスポーツを身近に感じることができた1人だ。それまでどこから知ったらいいのかわからなかったパラスポーツ。だが、特別な視点などいらないと教えてくれたのが香取の笑顔だった。

 香取は、まるで子どもがすぐに友だちを作るような、実にナチュラルな流れで人との距離を縮めていく。「お会いしましたよね?」「覚えていますか?」ーー『慎吾とゆくパラロード』では、香取のそんな言葉で始まる対談を度々見かける。国民的スターとの初対面の記憶など、誰もが忘れがたいもの。だが、香取本人にはそうしたおごりは一切感じられない。

 「ただ僕はパラスポーツに興味があって、皆さんと純粋にお話がしたいだけ。自分を通じて一人でもパラを好きになってもらえたら、という気持ちで続けているんです」(参照)ーーそんなシンプルに、人に人として向き合う明快さが、パラアスリートたちとの自然体な対話に繋がっているのだろう。

 パラアーチェリーを体験した際には「これは気持ちがいいわ」と、矢を射る感覚に素直に感激していた香取。ルールを教わり、恐れずにトライしてみる。アイドルとして長年、多忙なスケジュールをぬってリハーサルを重ね、歌い、踊り、ステージを創り上げてきた香取は、すぐにコツを掴み、その本質的な“面白い”を見つけるまでのスピードが超人的だ(参照)。

 それは単に“運動神経がいい”というよりも、“新しいものを楽しむ反射神経がいい”と言ったほうがしっくりくる。「自分と戦っているな、という気がした。打った後に、なぜ外れたのかを自問し、どこが悪かったかを考える。あっ、この感覚、絵を描いている時に似ている。『その色でいいの』って自問自答しながらやる感じが。だから楽しいんだ」と自分の経験との共感ポイントを探って、楽しさを伝えてくれるのも香取の得意なところだ。

 パラアスリートたちの乗り越えてきた大きな困難を聞いていると恐縮して、理解したいという気持ちとは裏腹に遠い存在に感じられてしまうことも。だが、香取がこうして多くの人にも当てはめられるようなポイントを教えてくれることで、きっと自分にも楽しめるところがあるのでは、と思える。

 香取が伝えてきた多くのパラスポーツの魅力を、実際に確かめてみたいと、2020年の東京大会を楽しみにしていた。だが、残念ながら新型コロナウイルスの影響により延期が決定。パラリンピックのみならず、ライブやコンサート、季節の風物詩から学校や企業の行事、個人の冠婚葬祭に至るまで、多くの人が楽しみにしていたであろう数々のイベントが軒並み中止・延期となった。

 「できることができなくなってしまった」ーー世界中の人がそんな気持ちになった2020年という年に、多くのパラスポーツ選手たちから聞いた困難を乗り越えてきた話を思い出す。そして、彼らと接してきた香取は「僕らが見据える東京大会はコロナ禍で1年延期になった。今はたくさんの人にお会いできるいい時間と僕はとらえています」と語る(参照)。

 パラスポーツを知れば知るほど、人が前向きに生きる力を貰えるのかもしれない。この世界は理不尽で、思い通りになんていかなくて、困難なことばかり。でも、支えてくれる人は必ずいる。「教えて世界」と声をかければ多くの人が手を差し伸べてくれる温かさもある。より強く生きるためにも、戦うべきは自分自身。わかってはいても、便利な世の中にいると忘れてしまいがちなことを、思い出させてくれる。

 「東京パラリンピックはコロナ禍を乗り越えて開催した、ということだけにとどまらせてはいけないと思う」ーーこの困難を経て、また便利な世界に戻ったとしても、2020年に痛感したことを、多くの気づきを、忘れずにいくこと。「東京大会はその始まりでもある。歓喜の笑顔が広がる、そんな大会になれば世の中はもっと変わっていくような気がしています」ーー香取が見据える大きな一歩を目指して。私たちにもできる世の中が変わっていく準備を、共に続けていこう。

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