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稲葉友の「話はかわるけど」

本名×芸名×願望【前編】

毎週連載

第122回

「名は体を表す」という言葉があるように、名前の印象はその人の印象に直接つながります。稲葉さんは本名で芸能活動をしていますが、芸名に関してちょっと憧れがあるようで……。

今回は芸名の話をする。僕は稲葉友という名前で生まれ育ち、そのままの名前で芸能活動している。11年目にして今更ながら芸名に少し憧れた。周りの同世代を見ても芸名と本名が半々くらいの割合でいる。誰がどれとかは言えないが、ガッツリ違う名前の人もいれば一文字変えたとか漢字を変えているだけとか様々いて、それでも印象はだいぶ変わる。

「自分の芸名をつけるなら……」とふと想像してみた。活動している中で芸名が変わる人もいるからね。下の名前だけにするとか、逆に名前だけだったところに名字をつけるとか。僕ならフルネームは欲しいかな。なんとなく名字・名前はそろっていてほしい。コレがいいというのは思いつかないけど。

芸名はその名前で呼ぶ人・出会っている人は、イコール仕事で出会った人っていう線引きが明確にできる。じゃあ芸名の自分は本当の自分ではないかと言えばそうではなさそう。芸名の自分も含めた自分になっていて当たり前。でもそういう人たちは本名がひとつ内側にあるような気がしてミステリアスに感じる。

僕が本名でデビューしたのは単純に芸名をつけるという発想が当時なかったから。誰にも何も言われなければ画数とかも気にしたことがなかった。事務所によってはタレントや俳優が入所したタイミングで名前を授ける人がいたりするんだけどウチの事務所はあんまりいないような気がする。特にデビュー以来所属している人にはいないと思う。外国にルーツがある人で、横文字の長い名前だから一部を芸名にしている人はいるけど。

芸能に特化した画数とかきっとあるんじゃないだろうか。こういう画数の人は表現に向いているとかね。そういうのを気にした芸名もいいと思う。

現状、名前を変えたいワケじゃないけど、想いを巡らせてみるのは面白い。自分で自分の名前は結構好きで、特に稲葉っていう名字は気に入っているから満足はしている。稲葉は画数多くて書くのは少し手間だが、字面がカッコよくて覚えやすい。あと稲葉は珍しい名字ではないがあまりかぶらない。ただ少しだけ芸名の裏側に本名がある感じがミステリアスで魅力的に見える。

下の名前だけの芸名の人は呼び方の選択肢がそちらしかないので呼び方に困らないのが好きだ。僕の場合は稲葉という選択肢がなくなって友さんとか友とかそういう呼び方だけになる。強制的に名前で呼ばれるのはいいな、少しうらやましい。あと印象的な名前にすると、下の名前で呼ばれることが多くなるし、逆に母数が多い名字でも下の名前でよく呼ばれる。例えば田中さんとか鈴木さんは下の名前で呼ばれがち。そういうコントロールも芸名なら出来たんだなって今は思う。芸歴11年目で芸名を細かく分析したとて何になる訳でもないのだけど。

芸名について考えだしたのは、寝る前になんとなく仲いい役者仲間のことを考えていて、あいつは本名のこの文字を変えたなとか、こいつも本名は違ったなとか思ったことがキッカケだった。

改めて芸名をつけるとしたらプレッシャーが半端ないと思う。つけたことないから想像だけど。商品名はこれだと売れる、これだとヒキがあるっていうことでつけるから、もちろんそういうコンセプトの芸名もあるかもしれないけど、なんか芸名っていうものの文化背景やなぜ別の人間になる必要があるのかと考える。

いつ頃から芸名は生まれたのだろうかとか、海外には芸名という文化はあるのだろうかとか、アーティストには多いよなとか、そんなことをぼんやり考える。

日本だと歌舞伎が源流なのかな。歌舞伎は板の上で役者としての名前を子供の頃にもらって、どんどん変わって満を持して名前を襲名して、何代目何々を名乗るっていう由緒正しき感がある。それは僕らの芸名とは別世界のように感じる。

芸名にはナゾが多い。例えばお笑い芸人なら芸名のほかにコンビならコンビ名も大事で。よく聞くジンクスだと、「ん」が入っていると売れるそう。あとは音を繰り返すとか。売れている人の名前の特徴を、いいとしているんだろうけど。そんなことを踏まえて名前を付ける人も多いらしい。

次回も引き続き名前の話を。稲葉に良さそうな芸名を思い付いた人はコメントにでも書いてやってください。それでは。

次回の更新は5月12日(水)です。お楽しみに!

プロフィール

稲葉友(いなばゆう)

1993年1月12日生まれ、神奈川県出身。
2010年、ドラマ『クローン ベイビー』(TBS)で俳優デビュー後、ドラマ、映画、舞台と幅広く活動。
主な出演作に、ドラマ『仮面ライダードライブ』(‘14~’15 EX)、『MARS~ただ、君を愛してる~』(’16 NTV)、『ひぐらしのなく頃に』(’16 BSスカパー!)、『レンタル救世主』(’16 NTV)、『将棋めし』(’17 CX)、映画『ワンダフルワールドエンド』(’15)、『HiGH&LOW』シリーズ、『N.Y.マックスマン』(’18)、『私の人生なのに』(’18)、舞台『すべての四月のために』(’17)、映画『春待つ僕ら』(’19)『この道』(’19)など。
J-WAVE『ALL GOOD FRIDAY』(毎週金曜11:30~16:00生放送)ではレギュラーパーソナリティ―を務める。

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